『王子の初夜』
来月、カシオス王太子は十一歳となり、晴れて元服を迎える。
既に添臥もエジュ−伯候の四女が決まっており、元服後直ぐに挙式を控えている状態であった。
しかし、王子はまだ結婚には御早い十一歳…
令制により男子は十五歳、女子は十三歳と定められてはいたが、早期の世継ぎ出産を名目に無視され、王の権威をも私する貴族達により勝手に繰り下げられてしまったのである。
しかも、カシオス王子の母親はエジュー伯候の三女。つまり、許婚は彼の叔母にあたる。
小さい頃には良く遊んでもらった女性であるだけに王子も先方も心情は複雑だ。
全てエジュー伯候が王家の外戚としての結び付きを強め、大きな地位を占める為、世継ぎを儲け更に権勢を増す為の策謀である。
これより続々と他家より后に妾にと女御が送り込まれてくる事だろう。
この早過ぎる婚礼によりエジュー伯候は権力争奪の前哨戦である出産競争を数歩有利に進める事が出来るのだ。
挙式の後、子作りの為に叔母と同じ褥で初夜を迎えるのは、既に“決定事項”であった。
で、近親と性交を強要される当のカシオス王子の狼狽振りは如何ほどかと言うと…
「ででで…痛っ…出来ません!叔母様とそそそんなことぉっ!?」
舌は噛むは、呂律は怪しいはで大慌てである。
「出来ないでは済みません!やって頂きます!」
男女性合の図を教鞭で差し、子作りを図解で説明していた彼の乳母であるシェスカが語気を強めた。
シェスカは三十路間近の美貌の女官である。
既婚者であり、子も二人出産しているにも拘らず、崩れる事の無い見事なプロポーションを保っている。
特にその張り出した乳房はたっぷりと豊満だ。
シェスカはその豊満過ぎる乳房をぶるんと揺らしながら戸惑う王子に詰め寄った。
「既に添臥も、婚礼の日取りも決定しています!女性をエスコートするべき王子がそんなことでどーするんですかぁっ!?」
「で、でも…僕、その絵みたいにおち●ちん大きくならないし…」
「えっ!?」
王子の言葉を聞いてシェスカはギクリとした様子で固まってしまった。
「そ、それは…困ったわ」
酷く困惑した様子で唇をわなわなと振るわせる。
「だから…ね?出来ないって…」
「い〜え、出来ます!出来るように私がお教えします!」
シェスカは高々と宣言したのであった!
…で、何故か厩に連れて来られた。
馬が交尾していた。
「王子、どーですかぁっ!?」
「別に…」
「むっ!では、次です!」
犬舎に連れて来られた。
犬が交尾していた。
「王子、どーですかぁっ!?」
「別に…」
「むむっ!では、次です!」
風呂場に連れて来られた。
其処では半裸の女官達が水浴びしていた。
王子とシェスカは枝葉を頭に差し、匍匐前身、決死の突入を敢行…
「王子、どーですかぁっ!?」
「ちょ、ちょっと…」
「よし!もう一押しね!」
町に降りた。
ストリップ劇場に行った。
「王子、どーですかぁっ!?」
「わぁ、綺麗な衣装…脱ぐのが勿体無いくらい」
「チッ!駄目かぁっ!?」
とまあ、ありとあらゆる所に忍んで行き、結果は散々と言えたのだが、ある事実が導き出された。
王子が反応したのは、女官の風呂場、女官の更衣室、女官のレズ・プレイ…
キー・ワードは“女官”!
どうやら知的でありながら淫靡な雰囲気を併せ持つ女官がお好みのようだ。
「でもねぇ…?」
シェスカは腕を組み、首を傾げて懊悩する。
先程語った様に王家との性交渉は男子を産む事で政治の道具に成り得る。
犯りたがる女官など掃いて捨てるほど居るだろうが、事が王太子の性教育であるからして迂闊な者に任せる訳にもいかない。
エジュー伯家は彼女の嫁ぎ先の主家でもあるからその気配りもしなければならないのだ。
となると…
「王子っ!御召し物を御脱ぎ下さい!」
「へっ?な、何?何?」
「ほーら、とっととお脱ぎになるんですわよ!おーっほほほ…」
「いやーん!」
意を決したシェスカは戸惑う少年の衣服を主とも思わぬ乱暴狼藉で毟り取っていくのであった…
哀れ全裸に剥かれた王子は涙を浮かべ、俯き加減で立ち竦む。
「うう…恥しいよぉ…」
「さあさあ…もう泣き止んで下さい!私も脱ぎますから恥ずかしがる事は無いのです!」
「ええええっ!」
王太子の驚きを他所にシェスカはどんどん脱いで遂には全裸になってしまった。
「うわ…」
入浴の際、シェスカは大判タオル一枚を巻いただけの姿で彼の世話をするが、今その裸身を目の当たりにすると嫌が上でも興奮が高まる。
そのブルンブルン揺れる胸の大きさと言ったら、もう…
自然、彼の包皮に包まれた薄桃色の幼いペニスがピクピクと僅かな反応を見せた。
「よしっ!いい反応ね!」
シェスカはその様子を見てぐっと握り拳。
「では、一寸失礼致します!」
「わわわっ!シェスカ、何をぉっ!?…ぉおうっ」
王子、大慌て。
それもその筈、向かい合ったシェスカの手はやんわり彼の小さな突起を包み込んでいた。
ぐにぐに…
「殿方は女子に此処をこうされると気持ちが良くなるのです!そして、勃起に至りますのよぉっ!」
「あう〜っ!」
シェスカは嬉々として王子の包茎ペニスを握り込んで行く。
王子は急所を掴まれて棒立ち状態だ。
シェスカは調子に乗って扱き立てる様に掌の動きを変化させた。
しこしこしこ…
「うふふふ…おちん●んが熱くなってきましたよぉ〜!」
「あうっ!あうっ!あうっ!」
慣れぬ感覚に慄くカシオス王子。
ぐにぐににゅるにゅるしこしこ…
「どうですかぁ〜っ!?」
「あうっ!あうっ!あうぅぅぅっ!」
幼くとも二次成長を見せても良い年頃である。
麗しの乳母に嬲られる内、王子のペニスは血流を集め、熱を持ち、そして…
ぴょこんっ!
「やったーっ!勃起したわ!」
「そ、そんな…」
…勃起した。
王子は股間をぴょこぴょこさせて珍しいものでもあるかのようにそれを見下していた。
「うんうん、良かったわぁ〜…はっ!しかし…いえ、でも…」
シェスカは彼の様子を見て安堵の微笑を浮かべたのも束の間、はたとある事実に考え及ぶと顎に手を当て思案顔に戻った。
(勃起出来たとしても射精出来るとは限らないわ!初夜まで丁度一月…)
「間に合わないかもぉっ!?こ、こうなったら私の“ないす・ばで〜”でお慰めするしか…」
「ど、どうしたの、シェスカ?」
顔を蒼白にしてオロオロと落ち着きの無いシェスカに吃驚した様子の王子。
「次の段階に参ります!“レッスン2”ですわ!」
「はぁ?」
「ささ、とっととベッドに横になって下さい!」
「痛い!痛いよ!そんなに強く引っ張らないでぇ〜っ!?」
何とシェスカは少年の腕ではなく、勃起した小さい突起をぐっと引っ張ってベッドへ引き摺って行く。
王子からすれば急所を握られて逃げ場がないわ、ぐっと握られて痛気持ち良いわで何の抵抗出来ず、あれよあれよと言う間に寝台へ転がされてしまった。
「も、もう許して…しぇすか…」
涙ぐんで許しを請う王子にもシェスカはニッタリ邪悪に笑って聞く耳を持たない。
「な〜にを言っているんですの!まだまだ序の口で御座いますわよ!では、まず御綺麗に致しましょうね!?」
「え?何を?」
「“此処”をです!」
彼女は少年のペニスを絞るように様に握り、ゆっくり上から下へと下した。
包皮がそれに連れて引き剥かれていく。
にゅるん…
「ふぁ…」
亀頭部をすっかり被ってなお余りある包皮を剥かれた王子はプルプルと未知の快楽に震え、うっとりとした表情を見せた。
「ほらほら…やっぱりこんなに白い垢がこびり付いて!綺麗にしておかないと添臥の女性に嫌われてしまいますわ!」
ふきふきふき…
「あへあへあへぇ〜…」
暖かい濡れタオルを使って初めて外気に晒された部分を手早く恥垢を拭い取っていく。
その手際はそこいらのヘルスのお姉さんには真似出来ない系統立てた技が隠されていた。
タオルの起毛で敏感な亀頭のエラの部分や裏筋なんかをくりゅくりゅずりずり微妙な刺激を与えながら拭い取っていくのだ。
少年の興奮は既に最高潮に達しようとしていた。
「まあ…」
シェスカはその少年のそそり立った男の物を見て感嘆の声を上げる。
それは皮は余っているし、成人男性と比べるべくも無いが、彼の年齢・小柄な体格からすると十分大きく、将来が期待されるペニスだった。
「素敵…」
「あ…あ…」
王子の方はというとあまりの快楽に茫然自失、天を仰ぐ目は空ろ、口元はだらしなく半開きで涎を垂らし、時折びくびくと引き付けを起こすように震えている。
シェスカは王子が抵抗の意志の無い事を見て取るや、彼のペニスを愛おしくて堪らないいった様子で頬擦りした。
「んふふふ、かわいい…」
うっとりと陰嚢を揉みしだき、肉鞘にちろりと一回舌を這わすと、唇を大きく開いて亀頭部にむしゃぶりつく。
にゅるん!
「くはぁっ!」
じゅっ、じゅっ、じゅっ、じゅるん!
「んっ!んっ!んっ!んぅっ!」
シェスカはリズミカルに頭を上下させ、唇を絞り、口璧でペニスを刺激する。
その唾液でぬっぽり潤んだ暖かな口腔の感触、内で這い擦り、絡み付く舌の感触に王子の中で何かが生まれようとしていた。
「やら〜、やら〜っ、まま…ママ、やめてぇ〜っ!」
嫌々をするように頭を振り可愛らしい悲鳴を上げる王子。
呂律の回らない、幼い少年の喘ぎ声にシェスカの興奮は高まっていく。
王族は自らの手で子育てをすることは滅多に無い。
乳母として、教育係として接する間、彼女はカシオスの求められるがままに、自らを『ママ』と呼ばせていた。
幼児に退行してしまったように彼女を呼ぶ王子の姿に元から母性欲の強い彼女は非常な性的昂ぶりを覚えた。
「んふ…」
シェスカは少年の勃起を咥えながらニタリと淫靡な微笑を見せる。
ちゅっぽん…
「うふふ…ふふ…」
ペニスから口を外したシェスカは彼を見下ろして嘲笑う。
昂ぶる余り、彼女は理性を失いかけていた。
彼女の女陰は何時しかしととに潤い、愛蜜が止め処無く流れ落ち、太股を伝って落ちていく。
「王子…お口は気に入って頂けた様ですね?」
「!!!」
ガクガクと首を縦に振る少年を見てシェスカはチロリと悪戯っぽく舌を出すと、今度はその豊満な胸を両手で持ち上げ、そそり立つピンクの肉柱をその谷間に収めた。
むにゅ…
「ハァァァ〜…」
「これは…如何ですか〜?」
むにゅむにゅむにゅ…
「あっ、あはぁ、あはぁっ…きゅぅん!」
まるで少女のような喘ぎ声…
王子は淫らな乳母の乳房の感触に身も世も無く悶え狂った。
スベスベとした木目の細かいもっちり餅肌、この世の物とは思えないほど柔らかく豊満な肉に擦り立てられる内に王子は大人への階段をまた一歩登ろうとしていた。
シェスカの乳房の谷間は何時しか彼女の汗と唾液、王子の初めての先走りが混ざり合い、ヌチュヌチュと微かな水音を発する。
「ハァッハァ、ハァン…」
シェスカも少年のペニスの熱が伝播したかのように淫らに喘ぎ出す。
乳母が王子を相手に性教育を施すのは別段珍しくない。
手で、口唇で乳母は自分の肉体の全てを使って実地指導するのである。
しかし、この時の二人の昂ぶりは常軌を逸していた。
特に王子の昂ぶりは大きい。
超えてはならない一線に気付かぬほどに…
「アッ、アッ、アアッ、アァァァァァァッ!?」
ぴゅぴゅっ…ぶぴゅぅぅぅぅぅぅっ!
王子は程無く…精通した。
濃厚で黄ばんだ精液がシェスカの胸の谷間から噴出し、彼女の顔をドロドロと濡らす。
重そうな粘液は止め処無く吹き上がり、少年の腹にぴちゃぴちゃと大量に降り注いだ。
「あ…あはぁ〜…良かった。これで婚礼に間に合いますわ!」
うっとりと陶酔した様子で少年の精通を見守ったシェスカは一つ安堵の吐息を吐くと、子猫がミルクを啜るように少年の腹に散った白濁に舌を這わす。
王子が初めて洩らした精液を舐め取り、飲み下していく。
「ああ…濃い。こんなに濃厚な精は初めてです…美味しい」
「あ…ああ…」
王子は自分の吐き出した子種を舐め味わうシェスカの淫靡な姿に頭が真っ白になるほどの愉悦を感じた。
シェスカは呆然と見詰める王子の視線に気付くと、彼に見せ付けるようにペニスに口を付けて尿道口に留まる精液の残滓を啜り上げ、ニッタリ上目遣いで微笑んだ。
その時、カシオス王子の心の中で何かが瓦解した。
「ママァ〜っ!」
「あっ!王子、何を!?」
王子は目を血走らせ、シェスカに圧し掛かっていく。
「ママッ!もっと教えて!もっとキモチイイこと…あの絵みたいにママの穴に挿れれば、もっと気持ち良くなるんでしょう?お願い!させて!ママの穴に挿れさせてぇっ!?」
「だ、駄目です!それは、添臥の女性のお役目で…アアッ、ダメェ〜ッ!?」
あの絵とは、シェスカが図解で説明した男女交合之図である。
口でしただけ、胸で擦られただけであんなに気持ち良い…
女の陰なる秘穴に挿入すれば、もっともっと気持ち良いに違いない。
王子の頭の中にあったのは、ただ純粋な生物的欲求…“交尾”のみだった。
先に見学した馬や犬の交尾のシーンがフラッシュ・バックする。
対するシェスカは王子の突然なケダモノへの変貌に身が竦む。
抵抗することも出来ず、なすがままであった。
「此処?此処だよね、ママぁっ!?」
「王子、いけま…いけませぬ!?あっ…アァァァッ!」
王子は、シェスカを正常位で押さえ付けると躊躇いも無く一気に貫いた。
ずぶんっ!
「アッ…はぁん!」
「ママ、好き…好きぃ〜っ!」
喪失の時…
カシオス王子は乳母シェスカを相手に童貞を失った。
感慨に耽る間もなく、少年は我を忘れて幼き頃より実の母親の様に慕っていた女性を犯していく。
異常な状況下で頭に血が上り、感情が赴くままに、乳母との性交に燃える。
激しく腰を振るい、思いのたけをぶちまける様に叩き付けた。
ずにゅずにゅずにゅずにゅ、ずっちゅん!ずっちゅん!
「ママっ…おうっ、ママぁ〜っ!!」
「いけませぬ…いけませぬぅ…」
余りの快楽に腰をくねらせる王子に対し、シェスカは悲しげに首を振るばかりだ。
彼女にとって彼とのセックスは忌避すべきことだった。
シェスカはカシオス王子が生まれたその年に男子を早産で亡くしている。
その所為か、彼女の目はいつも彼の姿を通して亡くなった自分の子を見ていた。
カシオス王子の母親は一時期心気を病んで母乳の出が悪く、シェスカが授乳する事が殆どで、少年は彼女の子が飲む筈だった母乳を飲んで育ったのだ。
シェスカにとって彼は体の一部を分け与えた我が子同然…
逆にカシオスにとって自分を育て、慈しんでくれた彼女は実質的な母親だった。
王子とのセックスは血の繋がりがないとはいえ、擬似母子相姦とも言える忌まわしい行為であった。
(ああ…私、王子を…“男”にしてしまったんだわ…)
しかし、人の肉体は快楽に対して何と脆いことか、意識では拒否していてもその逞しく勃起した男の部分に突きまくられると次第に抑えている理性も弾け飛んだ。
引き剥がそうと藻掻いていた体も力が緩み、逆に少年の頭を抱え込む形で抱き寄せ、両足を腰に絡めていく。
少年を律し、導く筈の乳母が昂ぶりに耐えられず、“その気”になってしまったのだ。
「何時の間に…あっ…こんなに立派になられて…ああっ!す、素敵ですわ!」
少年は彼女の知らぬ間に立派に成長していた。
それは成人した彼の破壊力を実際に体感して漏れた言葉である。
とても、立派であった…
股に力を込め、少年の立派になった男根を暖かく包み込む。
シェスカも実の子に犯されているような錯覚に捕われ、禁断の相姦図に心を躍らせる。
ずぬずぬずにゅずこずこずこずこずこ!!
「いい!凄く気持ちいいよ、ママ!」
「私もよ!私も気持ちいいっ!あぁん!ああぁん!」
初めて味わう女体がシェスカのような熟れた柔肌を持つ女性であった事は、彼にとって僥倖であった。
シェスカの秘肉は強烈な締め付けが無い代わりに柔々と蠢動し、ペニスを柔らかく包み込んで体の芯に快楽を残す。
熟れた柔肉が少年の心を幻惑し、篭絡していく。
ズヌゥ!!ズンニュニュウ、ズックウゥ!
「ああ!いいっ、いいのぉ!!カシオス様!」
「んあぁぁぁ、で、出るぅぅぅぅぅぅ!!」
少年は尿とは違う何かが内から噴出そうとするのを感じ、戦慄する。
噴出そうとしているのは、シェスカの講義で出てきた女性を妊娠させる“子種汁”に他ならない。
少年とて物心付く前から慈しんでくれた女性の膣内で射精をしてはいけない事は分かっていた。
だが、膣内に射精すれば、女性は子を宿すものだと頭で理解は出来ていたものの、少年のペニスは精通を経験した後、年相応に脆くなっている。
早漏と言ってもいいペニスはシェスカのドロドロと潤んだ肉壷の感触に射精へ駆け上っていく。
彼は熟れた人妻の味に…惨敗した。
カシオス王子はその意志とは逆に大量の子種をシェスカの子宮口に叩き付けてしまう。
どぴゅうぅ!どぷどぷうぅぅぅっ!!
「うわっ!うあっ!?あ、あああぁぁぁっ!」
「ああ〜っ、熱いぃぃぃ…」
シェスカは愛しい王太子のスペルマをたっぷり膣奥に浴びて、禁断の愛欲に悦びの絶叫を上げた。
子宮の奥に彼の子種が満たされていく感覚に酔い、法悦の笑みを浮かべる。
その凄まじい量…その時、カシオスの種子はあっさりとシェスカの胎内に芽吹いた…
一線を超えてしまったカシオスとシェスカの行為はその後も“復習”として延々と続けられた。
食事の時、裸エプロンで配膳するシェスカにムラムラ来た少年は我慢しきれず…
「シェスカーっ!」
「あぁんっ!おうじぃっ!」
入浴中も…
「シェスカーっ!」
「あぁんっ!おうじぃっ!」
当然、寝室でも…
「シェスカーっ!」
「あぁんっ!おうじぃっ!おうじぃぃぃっ!」
結局、婚礼までの一ヶ月間犯り捲くる。
…そして、遂に挙式の日となった。
万事恙無く終ったので、すっ飛ばして初夜に至る。
「カシオス、いいの?こんなことで?」
「いや…今更、『いいの?』って聞かれても…」
いざ初夜開始という直前で添伏の女性は憤懣やる方ない様子で彼を睨み付け、詰め寄った。
カシオスの添臥であるエジュ−伯候の四女エルマ嬢は勝気な人であった。
今でこそ新妻然として髪を結い、衣服を整え、おしとやかに座しているが、普段は御髪を伸ばし放題、乱し放題、それが鬱陶しいのか頭頂で結び馬の尻尾のように垂らしている。
長衣など着る事すら稀で、太股丸出しのはしたなくも艶やかな格好で山野を駆け巡る。
性格は硬性、男勝りで気性も荒く、エジュー伯も扱いに困るほどの御転婆娘である。
既に十九歳と言う年齢にあり、王太子の添伏は年増と言われる前に片付けるには望むべくもない好条件であった。
政略の苗床兼、厄介払い。
余程昼間の茶番にストレスが溜まっていたのか、甥っ子相手の結婚に加え、初穂を詰まれる事がどーしても納得出来ないらしい。
「今更何を言ってるのですか、エルマ!?」
「そーですよ!もう婚礼も終わられ、新妻として合体…もとい、お役目を果たされようとする今、その時にぃっ!」
それに激しく反応したのは幼い新郎ではなく、介添えの二人であった。
介添えはカシオスの母であり、エルマの姉である王妃と乳母のシェスカである。
「うっ…」
流石の御転婆姫も大年増二人に詰め寄られては具合が悪いらしい。
「御返事は×2!?」
「わ、わかったわよ…」
渋々といった感じで御簾に覆われた寝所に入る。
「カシオス殿も×2!」
「はいぃ〜…」
大年増二人にぎらりと睨まれ、カシオスも気乗りがしない様子でエルマに続いた。
向かい合うと如何にも気恥ずかしさが先に立ち、なかなか着衣を脱ぎ出すに至らない。
エルマはイライラした様子でカシオスに服を脱ぐように強く促す。
「脱ぎなさいよ!」
「え、エルマ叔母さんこそ…」
「裸にならないと…その…出来ないじゃない!」
「だから叔母さんから脱いでよ!」
「恥ずかしいのよ!」
「僕だって!」
膝突合せ、ひそひそと往生際の悪い言い合いをする叔母と甥…
もたつく彼らを大年増二人衆は容赦なく急き立てる。
「な〜にモタモタしてるんザマス!」
「そーですよ!とっとと、ぱいるだー・おん!で合身…もとい、交合の儀を行うのです!」
既に野次馬と化したオバチャン達に弁解など無駄である。
年長らしくエルマ嬢は直ぐにそれを悟り、諦めに似た表情で口を尖らせ、渋々と言った感じで着衣に手を掛ける。
「うう…じゃ、じゃあ、一緒に脱ぐわよ!」
「う、うん…」
もそもそ気だるげに服を脱ぎ出す二人。
しかし、エルマ嬢が前身ごろを開き、乳房を露わにした所で未必の事件が起こる。
其処には乳母シェスカとの姦淫の日々で見慣れた物が…無かった。
正直な少年は当人の思いなど考えず、その事実を口走ってしまうのだ…
「エルマ叔母さんって、胸…“全っ然”無いね?」
「(ムカッ!)」
ばっちーんっ!
瞬間、少年の頬が大きく鳴った。
エルマ嬢の胸は薄い…いや、それは確かに真っ平らではある。
彼女は貴族の子女で自尊心も高いし、乙女心なる洒落た感性も持ち合わせていたからその怒りは怒髪天を突いた。
実は、とっても気にしていたのだ…
エルマ嬢は少年を張り倒して、そのまま怒り露わに介添えの大年増二人を振り切り、寝所を飛び出してしまう。
少年の迂闊な一言により大切な初夜は…失敗に終わった。
しかし…その5年後、エルマ王太子妃は世継ぎを意外な形で出産する事になる。
何とカシオス王子にレイプされたというのだ。
王子はその間、乳母シェスカとの爛れた不倫関係を続け二女を、また彼女の長女も愛妾として関係を結び一女を儲けた。
人妻との早過ぎる初体験、姦淫の日々はカシオス王子に自信を与え、御転婆姫をも力ずくで屈服させる強引さをも手に入れたのである。
逞しく成長した王子は王即位の後、エジュー伯家を筆頭に有力貴族に因縁付けて喧嘩を吹っ掛け、次々に取り潰し、王権復古を完成させたものの、後宮内の女御の数は千を数え、内三妻二十四妾、子供の数は五十四人(他流産三人)と弊害を残した。
王国は、こと世継ぎに関して磐石であり続けたという…
「終」
投稿小説の目次へ