だって… Vol,325
(風鳴さん 作)
「祐一さん」
「どうかしたんですか、秋子さん?」
「お米を買ってきてほしいんですが………いいですか?」
「いいですよ。どのくらい買ってくればいいんですか?」
「10kgほどお願いできますか?」
「じゅ、10kgですか………。ま、まぁ、頑張ってきます」
「ありがとうございます、祐一さん」
「お礼なんていいですよ。………それにしてもお米の減りが早いですけど、何かあるんですか?」
「………聞きたいんですか?」
「え、えっと、できれば………」
「わかりました、心して聞いてくださいね」
「だって…」
「あのジャムを一瓶作るのに2kgは必要なんです」
「…………オレンジ色ですか?」
「はい、そうですよ」
(アレが米から? あのジャムが? そんな、ありえない!!)
「あらあら、嘘なんて言ってませんよ」
「………喋ってないですよね?」
「ふふふ♪」
(だめだ………これ以上の詮索はやめよう)
「賢明ですね」
fin