注:このSSは「男なんてやめてやる〜!!」の外伝です
  なるべく元のSSを読んでおいてください、所々で読んでおかないとわからないところがありますので……
  


外伝7〜あゆとの戦い〜


「あ、祐一く〜ん」

私が商店街を歩いていると何処からとも無くそんな声が聞こえました

私は慌てず騒がず一歩左に避けました

ずざざざざざざ!!

「わ〜、地面の摩擦抵抗を無視して良くすべりますね〜」

名づけてあゆボードですね

「…………」

「あゆさ〜ん、大丈夫ですか〜?」

「…………」

「………あゆさん?」

「…………」

…………もしかしてまずい?

地面は石畳

顔がすれて大根卸し?

「あ、あゆさん!!」

「うぐぅ〜〜〜〜!!痛いよ〜〜!!」

私が近寄ると同時に、あゆさんが勢い良く頭を上げる

「………なんだ………元気そうですね」

「元気そうだなじゃないよ!!祐一君がまた避けた〜〜」

「今は祐です、いくらなんでもこの状態じゃあゆさんの体当たりは吹っ飛ばされるだけです」

「体当たりって……いくらなんでも酷いよ!!」

「そうですか?あゆさんの体重を……仮定して50kgとしましょう」

「うぐぅ〜、仮定でもそんなこと言わないでよ〜」

「そこに加速度αが加わったとして……体重30kgを軽く割っている私にとっては致命傷になりえます」

「でも、避けないでよ〜」

「だったら私が祐一の時にしてください」

「祐一君の時でも避けてるよ〜」

「じゃあ夕菜の時にでもしてください」

「夕菜?……菜っ葉の一種?」

「あゆさん……なんで何時も知らない名前を聞くと食べ物にしてしまうんですか……」

名雪さんの時といい……

「あははは……で、誰?」

ぽわん

とりあえず夕菜に変身

「私が夕菜です、はじめまして」

「は、初めまして、ボクは月宮あゆです!」

「って言っても、私も祐一なんだから知ってるに決まってるじゃない」

「え?」

「簡単に言えば……また増えたのよ……変身パターンが……」

なんだか頭が痛くなってきたわ……

「それにしても……夕菜さん、名雪さんそっくりだね」

「まぁ、従兄妹だしね……実は全然見分けつかないでしょ」

「ううん、後ろからじゃ解らないけど前から見ればはっきり解るよ」

「なんで?」

「名雪さんよりも胸が大きいから」

「………と、後で名雪に伝えておくね♪」

「うぐぅ〜〜!!それは駄目だよ〜〜!!」

「いや〜、良い事聞いちゃったな〜」

「夕菜さん!意地悪だよ!」

「だって私は祐一だも〜ん♪」

だから当然意地悪でもかまわないのよ

「さて、被告人を連れて行きましょう♪」

私はあゆをガシっとつかむ

「うぐぅ〜」

ジタバタ

じたばたじたばた

「新鮮な鮎ね、調理のしがいがあるわ〜♪」

私は料理できないけど

「うぐぅ〜」

こういう時は女は便利ね

祐一の状態でやったら世間の目が厳しいからね〜

とりあえずあゆを連行した



「という事があったんだよ」

私は自宅まであゆを連行し、部屋に居た名雪に事の顛末を話す

「ふ〜ん、そうなんだ〜」

「うぐぅ」

あゆはソファに放ってある

もちろん逃げられないように色々と工夫してあるので心配は要らない

「ふ〜ん……」

名雪のジト目があゆを射止める

「……うぐぅ……」

「あゆちゃん、イチゴサンデー好き?」

「うぐぅ………好きだけど……」

「じゃあ、好きなんだから私にその味を教えてね、3杯ぐらい」

「む、無理だよ〜〜」

「え?無理なの?じゃあ私はお母さん特製のジャ」

「うぐぅ〜〜!無理じゃないよ、だから止めてください!」

「わ、よかったよ」

………悪女

「で、夕菜はイチゴサンデー好き?」

「な、何で私も?」

「………胸が大きいのが悪いんだよ……」

「そ、そんな事言ったって生まれつきなんだからしょうがないじゃない!」

なんせ変身したときには名雪を越していたからな

「……そんなこと言うんだ……私達は一生懸命がんばってるのに……」

「夕菜さん……ううん、祐一君は女の子の敵だね……」

う……あゆまで加わって……誰か私の味方はいないの?

「……五杯」

「え?」

「イチゴサンデー五杯で許してあげるよ」

「そんなご無体な!!」

イチゴサンデー五杯

880円×5=4400

「そ、それはいくらなんでも!!」

そこまで小遣いに余裕が無いよ、私!

「祐一達のご飯一週間お母さんの謎ジャムセットでもいいよ♪」

「すいません、おごりますのでそれだけは勘弁してくださいませ」

うう……ずるいよ……

「わぁ、やったぁ♪8杯もイチゴサンデーが食べられるなんて幸せだよ〜」

「うう………いくらバイトしてるからっていっても……4400円はきついよ……」

「ボクも……2640円は……うぐぅ……」

「あらあら、ではこんなのはどうですか?」

「「え?」」

またいつものように何時の間にか秋子さんが現れた

「なんだかモンスター扱いされているような気もしますが……気のせいですね」

「はい!気のせいです」

……みんな私の考え読めるから……酷いよ

「こんなのって、なんなの?秋子さん」

「ええ、先ほど商店街で買い物をしたらこのようなチラシを貰ったんです」

「どれどれ?」

秋子さんが差し出したチラシを見る

そこには……

「商店街横断クイズ?」

「ええ、何でも冬の企画らしいです」

「わ、夕菜さん、これ見て!」

「何?」

あゆの指差した部分を見る

そこには……

「優勝者には商店街の商品券三万円?!」

「準優勝でも一万円だよ!凄いよ祐一君!」

「3位でも5000円ですか……」

「ええ、ですから、丁度良いのではと」

「ええ、助かりました秋子さん!」

「でも、ちゃんと参加資格などを良く読んでおいたほうがいいですよ」

「え?」

参加資格?

「どれどれ……このクイズ大会は女性限定です、男は参加資格は無し」

「別に他の町の住民でもかまわないですが、この町の名物などが主軸のクイズなので優勝は望めないでしょう」

「クイズがこの町主軸ってのはわかるが……なんで女性限定なんだろうか?」

「見栄えが悪いからだそうです」

酷い、性別差別だ

「というわけで……祐一さんは夕菜さんとして参加してくださいね」

「えと……出来れば祐がいいんですけど……」

夕菜でいると実は肩がこるし、名雪と間違えられるし、結構面倒だったりする

「だめですよ、不自然ですから」

「あんなに小さいのに目だったら天才少女とかで注目されちゃうよ」

「……確かに……あんまり目立つのもなんだしね……しょうがないか……」

「というわけですので、早速準備を始めましょうね」

「え、準備ですか?」

「ええ。せっかくそういう出し物に出るんですから、それ相応の格好で無いと」

「女子の制服じゃ駄目なんですか?」

夕菜や祐でいるときなら女の子らしくしていても既に違和感は無い

祐一の時に女装しているわけじゃないからね

「駄目ですよ、まぁそっちは私に任せてください」

「は……はぁ……」

「がんばろうね、夕菜さん♪」

「……そうだね……」

前途多難だよ……



商店街横断クイズ

参加者はなんと100名を越えているみたい

「はぁ……本当に大丈夫なのかな?」

「うぐぅ……いっぱいいるよ……」

参加者の半分が主婦のおばさん

それ以外はほとんどうちの学校の制服を着ている

「で……私は何でこんな格好をしてるんですか?」

私の格好はメイドさん

まぁ、着なれてるってことで倉田家のメイド服を大きくした物なんだけど……

「うう……目立ってるよ……」

「恥ずかしそうだね……夕菜さん……」

ちなみにあゆはいつものダッフルコート

あゆの分まで手が回らなかったらしい

『いぇ〜〜い!みんなのってるか〜〜い!』

『いぇ〜い!』

「あ、始まったみたいだよ」

壇上を見ると、百花屋のマスターがサングラスをかけてマイクを持って喋っている

「みんな恥ずかしくないのかな?」

いまどきイェーイは無いと思うんだけど……

『よぉ〜〜し、みんな、準備はいいかい?』

『いいですよ〜〜』

「……笑っていいとも?」

「うぐぅ……サクラがいっぱいだよ」

見たところ、周りの人間は誰も喋ってない

『よ〜し、じゃあ最初は○×問題だ、これは人数が4人になるまで行われるぞ!』

「○×問題って?」

「答えが○だと思ったら○に、×だと思ったら×に行けばいいんだよ」

クイズの基本だね

『じゃあ行くぞ!この町のたい焼き屋のおじさんの名前はヤマトタケシである!』

「「「「そんなの知るか〜〜!!」」」」

おお、今回はサクラじゃなかったよ!!

「夕菜さん……ボク答え知ってるよ……」

あゆがこっそり耳打ちしてきた

ナイスだ、あゆ!

そんなかんじで、超難問が次々と出てきた

『肉屋の牛モモ肉は100グラム133円だ!』だの

『本屋の林田さんちの長男は光彦である』だの

この町の住民でも知らないようなことばっかりである

そこはそれ、もちまえの運の良さでなんとかカバーして俺達はなんとか4人の中にこぎつけた

「結局最初の問題以外全部運だったね」

「うん、良く残れたよね」

『よ〜し、これが今回残った挑戦者達だ〜〜!!』

『おおおぉ〜〜〜!!』

「右端のダッフルコートの女の子は、月宮あゆちゃんだ〜!」

「う……うぐぅ……」

あゆは照れて下を向いてしまった

『メイド服の美少女が、水瀬夕菜ちゃん、倉田家のメイドさんだそうだ!」

「えと、よろしくおねがいします」

一応嘘じゃないよね……メイドなのは祐なんだけど……

『そして青い髪の女の子は七瀬留美ちゃん、可憐な乙女だ!』

「よろしくおねがいします、ね」

あれ?確か名雪の右側にいた人だよね

『そして、剣を持った少女が、川澄舞さんだ〜!』

マスターのりのりですね……ってえ?

「ま、舞?」

「……誰?」

「俺だ、祐一だ」

「………祐一?」

「そうだ……また変身したんだ……」

「……そう……」

「それより何で剣持ってきてるだ?」

「……私は、商品券を貰う者だから……」

「……優勝できなかったからって、その剣で脅すなよ」

びくっ!

………図星か………

「そ……そんなことない……」

「そう、ならよかった……そんなことしたら佐祐理さんに報告しなきゃいけないと思ったかね」

「わ……わかった……」


これでよし

「さぁ、始めましょう♪」

『いよぉ〜し、商店街横断クイズ、決勝戦開始だ〜〜!!』

『お〜〜』

叫んでるのは相変わらずサクラだけか……ん?

「お〜」

あ、ほんとにちっちゃくだけど、舞も言ってる

でも照れてるね

『さて、ルールを説明しよう』

すると、後ろに舞台がせり上がってきた

ってちょっと待って!

ここ地面でしょ?

何で地面に穴があいてそこから舞台がせりあがってくるの!

この町は第3新東京か!

『クイズはポイント制、各ジャンルに10点、20点、30点、40点問題があり、点数が高くなるごとに問題も難しくなっていきます』

まぁ基本だね

『ジャンルは3つ、最終的に一番高かった人が優勝です!』

「ジャンルって何があるんですか?」

七瀬さんが質問をしている

なんだか猫かぶってるみたいだね

なんだな学校とは大違い

『それは、最初の問題をあけたときのお楽しみだ。それまでは赤、青、緑となっている』

「はい、わかりました」

『というわけだ、早速始めようか!』

とりあえず舞台に立つ

うわ、人が注目している

うう……恥ずかしい……

『じゃあ最初は……赤、名物の10だ!』

赤のボードの紙をめくる

そこには名物と書かれていた

「……意外と凝ってる」

『問題、平日朝の8時15分頃から見られるこの町の名物を答えよ』

……なんですかそれ?

そんなの有るんですか?

ぱし〜ん

『はい、七瀬さん』

「相沢祐一の暴走マラソン!」

『はい、正解です!』

「ちょっと待て〜〜!!」

「な、なんですか?」

「そんなのが名物なの?!」

『ええ……ほら、この町のパンフレットです』

私はパンフレットを見る

名物……名物……

あ……マジです……写真付きで私と名雪と香里と栞と佐祐理さんと舞が走っている……

上には……相沢祐一の暴走マラソン……

「はい……わかりました……」

………もう二度とやらないぞ……ぜったい名雪を起こしてやるからね

「じゃあ、緑の10」

『はい、緑の10!』

緑の紙がめくられる、そこには……

『はい、ジャンルは相沢祐一!』

「さらにちょっと待て〜〜!!」

何で私?!

『な……何でしょう?』

「何で相沢祐一がジャンルなんですか?!」

『ああ、この商店街の名物ですからねぇ〜』

そ……そうだったのか……

『じゃあ行きます、相沢祐一がこの商店街で買う食べ物をベスト5を全て答えよ!』

ぱし〜ん

『はい、七瀬さん』

「イチゴサンデー、肉まん、たい焼き、牛丼、バニラアイス」

『………はずれ!』

「え、嘘?!」

ぱし〜ん

『はい、夕菜さん』

「イチゴサンデー、肉まん、たい焼き、バニラアイス、コーヒー」

「……正解!」

「やった!」

実は舞は最近奢っていないからな

まいの給料が入ってるからもっぱらそっちに奢らせているらしいですし

「……でも、私の行動全部メモでもつけられてるの?」

それよりも、七瀬さんがメインヒロインの好きな食べ物を知っていた方が謎ですね

『さぁ夕菜さん、次は何にする?』

「じゃあ、青の10で」

『はい、青の10』

青の紙がめくられる

そこには“本編”と書かれていた

「本編?」

『それはクイズを聞けばわかりますよ』

「そろそろ答えないと……」

「……後が無い……」

『では問題、駅で渡された官コーヒー、時価に換算するといくら?!』

ええと……1日が24時間で、それが365日で、それが7年だから……ええと……電卓が無いとわからないよ〜

「えと……えと……うぐぅ〜〜」

あゆが指を折りながら慌てている

というか、足らなないでしょ

「……0.00195688333と続く」

『正解!』

「ま……舞……」

暗算であれを計算したの……

とまぁ、そんな風に問題が続きました



『さて……ラストの問題だ』

現在残っている問題は本編の40

相沢祐一の問題はどれだけ私の私生活が覗かれているかが解った

私が手をかけた女の子の名前だとか

私の変身状態の名前とスリーサイズだとか

最後の問題は私の預金はいくらとか言われて……見事に七瀬さんに当てられました

何時調べたの……みんな

ちなみに、舞も知ってたみたい

今のところ、私が110点でトップ、あゆが0点、七瀬さんが90点、舞が60点

「うぐぅ〜〜」

結局あゆは1問もとれていない

『おおぉっと!これはラッキー問題、点数が2.5倍だ〜〜!!』

「な、何ぃ!!」

『早食い勝負、これを食べ終わった人から答える権利が貰えます』

そういうと、各個人に何かが運ばれてきた

トレイに銀のドームみたいのがかぶさっている

「じゃあこれをとればボクも準優勝できるんだね」

『そう!では行きます!ピロが与えられた名前を全て答えよ!』

と同時に食べ物がオープンされる

そこには3つの食べ物があった

パン

古川特製パンと書いてある

ワッフル

蜂蜜練乳と書いてある

そしてジュース

ラベルにはどろり濃厚ピーチ味と書いてある

どれもこれもが一癖も二癖もありそうな一品だ

そのうえ……パンのそばに置いてあるジャム

オレンジ色

「……………」

「なんだ、何食べさせたるのかと思ってびっくりしちゃった」

七瀬さんが呟く

Kanon……いや、Keyのキャラでない彼女はこの恐怖を知らない

スタッフが同じでも、彼女は蜂蜜練乳の恐ろしさを知らない

「「「南無阿弥陀仏……」」」

私達の声が重なる

「いったっだっきま〜す♪」

七瀬さんはよりにもよってパンを選ぶ

しかもジャムをたっぷりつけた

はむ

「ぎゃ〜〜!!」

どろどろどろどろ

ああ……とけていく……

きっと愉快な化学反応が起きたのね

何処からとも無く衛生の人がやってきて七瀬さんを運ぶ

あの、鉛で出来てそうなゴミ箱に彼女の食べかけのパンが詰められる

『おおっと!!七瀬選手!まさかのリタイヤ!』

………結局、私達3人は一口も食べずに時間切れとなった

結局は私が優勝、舞が準優勝、あゆが3位となった

後日、秋子さんが嬉しそうにパンにジャムを塗っているのを見かけた

……もしかして……それが狙いだったんですか?

結局怖くて聞けなかった……






〜Fin〜
自由風「はい、どもども、自由風です〜」

鞠「アシスタントの鞠で〜す」

自由風「それにしても……ねぇ」

鞠「パンって……CLANNADのですか?」

自由風「そうそう、Keyの次回作」

鞠「七瀬さん、一応Kanonのキャラだとは思うんですけど」

自由風「確かに名雪の後ろに写ってるけどさ……基本的に七瀬ってギャグキャラだしね〜」

鞠「酷い事いいますね……否定はしませんけど」

自由風「お前さんも十分酷いと思うぞ」

鞠「そうですか?」

自由風「ああ」

鞠「きっと気のせいです」

自由風「そうかな?」

鞠「そうです」

自由風「まいいや、では次のSSで」

鞠「さよ〜なら〜」

フリーウィンドさんにメールを送りたい!!という方はこちらを
フリーウィンドさんのHPの掲示板へカキコしたい!!という方はこちらを
フリーウィンドさんのHPに行くんじゃ〜という方はこちらを

(2001/11/26)



宮野 想良(以下そら):ううっ……初めてここの二次制作に一発ギャグじゃない物が(喜)

キュアー2号(以下2号):貴様もしっかり見習わんか

そら:ううっ……一発ギャグしかやった事無いし……

2号:そんなヘタレな精神では駄目だな。一発、鍛え直すか

そら:? 何を持って……う゛

2号:最終問題に使われたものと同じ物を用意してみました

“そら”はマッハ0,02で逃げだした(だいたい秒速6,8メートル。100メートル走るのに約14,1秒)

2号:………………(追う気にもならないらしい)

戻る