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もう俺はなにかもがイヤになってきてた。

こんなクソゲーやめてやる。
そうだ!
やめるには…やはりこの言葉か?
「リセット――――」
俺は最強最悪のこの言葉を叫んでいた。
もう冗談じゃねぇ、これ以上つきあってられるか。
俺の周りがゆっくり歪み、世界が崩れ落ちていく
ふう、どうやら成功らしいな。
さすが「リセット」の言葉は効くな。
商店でながれる蛍の光?終電の発射音?ラ〇ュタの最後の言葉?
まあぁ、終わりってことだ。
その時
「勇者よ…去られてしまうのですね……」
俺がうすれてゆく視界であたりを見渡すと、そこには七色に輝く髪を持った、この世のもとは思えないほどの美女が空中にふわふわ漂っていた。
虹色の衣からこぼれる光が床に弾けると、それは0と1のデジタル数字にかわって消えていく。
「あんたは?」
「私はデバッカ…ゲームの女神です」
天から響く神々しい声。
「なに?そんなキャラこのゲームにはいなかったぞ、何だ?」
女神となのる美女はゆったりと天を舞いながら俺のそばに降りてくる。
その虹色の瞳は悲しそうに濡れている。
「勇者よ…なぜ…この世界を去られてしまうのです…あぁこの世界ももうお終い……あぁ…」
俺は寂しげに涙ぐむ女神を見ながらなぜか自分も悲しくってなっていた。
きっとこの女神には、俺が必要だったのだろう。
「さようなら……勇者様……」
彼女は最後に悲痛な笑顔をみせると…その顔も0と1のデジタル記号になり崩れ去ってしまった。
「あ……」
俺の選択は何か間違っていたのだろうか……
「ううううう……ここは…あれ?」
気がつくと、いつもの俺の部屋。
あまり整理されていないパソコン机の上のモニターには、「エラー」の文字とともに強制終了されている。
そうだ、たしか昨晩ゲームをダウンロードしたんだった。
「ちっ、なんだよフリーズしてるじゃねか」
俺はあたりを見回す。
うーん、どうやら寝ていたみたいだ。
……なんだか変な夢をみた覚えはあるんだが。
まぁ考えるだけ無駄だな。
俺は明日も朝早くから始まる忙しい毎日を考え、パソコンの電源を落とすためキーボードに手をおいた。
後でこのバグのあるゲームはアンインストールしないとな。

ゲーム消滅 (BAD END 2)
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