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そして武道大会当日がやってきた。

あれから俺は「彷徨いの森」のハイエルフ、アルリエルに別れを告げ、武道大会に参加するため王都に戻ってきていた。
ちなみにあの後、アルリエルは人間の奴隷になるなんて言った覚えはありませんっと、とぼけようとしたので、お仕置きとしてお尻の穴まで開発して、フェラと無い乳を使ったパイズリを仕込み、ついでに膣内射精を腰がぬけるまでヤリまくった結果、「くっ……不本意ですが、あ、貴方の牝奴隷とやらになってあげます」と別れ際にそっぽを向いて恥しそうに言うまでには素直なエルフっ娘に調教完了しておいた。
ついでに「もっ、もう二度と来ないでください」とか言ってたわりには、巨木の神殿は結界で閉鎖されることもなく、それどころか勇者専用の転移魔法が禁止されていたはずの「彷徨いの森」の規制が解除になっており、なんだかいつでも来てね、待ってます状態になっていた。

とまぁ、いろいろありつつ、俺は王都のはずれ馬鹿でかい巨石造りの闘技場、武道大会の舞台に到着していた。
俺は屈強な戦士や重装甲の騎士どもがごったがえす中、闘技場の出場者専用の窓口に向かう。
「はい次の方…お名前をどうぞ」
俺はさっと横入りして、列の中ほどに入ると要領良くごったがえす人の波をぬって窓口に立つ。
「はい次の方…お名前を…はい、さんね…申し込みの武具店、それに使用する武器を見せてください」
「ああ、これだ」
俺は魔人の女商人コレルの所でもらった申し込み用紙と、超レアな切れ味抜群の魔剣を鞘から抜いて見せる。
ちなみ王都に到着してすぐ、路地裏のコレルの店により、朝っぱらからコレルを散々犯してきたところだ。
大会用にとこの特別な魔剣を渡してくれた礼に、口でご奉仕させてやったら喜んでゴクゴク飲んでいた。
くくく、あいつも完璧に俺の手に落ちたな。
白い肌と褐色の肌の二人のメス奴隷のことを思い出しニヤニヤしている間に、手続きは終わったようだった。
「はい結構です…あれ?あの、あなた何処かでお会いしませんでした?」
名もなきNPCの受付嬢が予想外の台詞をしゃべる。
んん?
言われても、よくよく見ても、ただの受付嬢だ。
ゲームならドットでかかれたただのNPC。
もちろん俺がそんな判別もできない脇役キャラの顔なんて知る分けない。
もしかして逆ナン?
「おかしいなぁ…ねぇ何処かであってないかしら?」
「いや、俺は知らないが」
「う〜〜ん、何処かで…」
それでも受付嬢は納得いかないのか俺の顔を凝視しジロジロ眺める。
しまいには隣に座る同僚に確かめる始末だ。
「ねぇこの人見たことない?」
だから、俺はお前なんかしらんちゅ〜に。
「あら?わたしも会ったことあるような気がする」
なに?こいつもか?
すると、
「あっ俺もなんとなく覚えが」
「…あたしも」
「拙者も」
何と俺の周りにいた剣士や女戦士、フリーの騎士達までもこちらを見て首をひねりだす。
「おいおい、何だよお前ら、俺の顔がそんなに…あぁ!」
そこで俺はようやく気がついた。
窓口の後ろ、巨大なホールの中央にそびえる巨大な石像。
全身をフルプレートで覆い長大な剣を天にむかって掲げる男性の像だ。
その頬当てが上がった兜の中から覗くのは……俺にそっくり、まさしく瓜二つだった。
よくよく見ればその像の台座には武道大会第一回優勝「勇者の像」とある。
う〜〜む忘れてた。
そういや、設定で先代勇者も若い頃この武道大会でてたんだよな。
しかし、あれはまさしく俺の顔…鎧を着て兜をかぶっているから分かりづらいが毎日鏡で見る顔だ。
確か先代勇者(俺の父)はゲーム上では名前もでてこなかったからな…
顔すら決まってないのは当然だろう。
その時、隣にいた軽戦士風の女剣士があっと口をおさえる。
「あ…あなた…いえ、あなた様もしかして…勇者様じゃ」
「何だって?」
「勇者?」
「おられるのか?あのお方がここに?」
途端にまわりがざわめき出す。
「そう言えば西の大聖堂を襲った邪龍が倒されたと聞いたぞ」
「うむ、勇者様が再び現れたにちがいない」
あたりは、噂が噂を呼びちょっとしたパニック状態になりだした。
「どうした!何事だ!」
闘技場の奥から警備だろう鎧をきて槍をもった兵士達がこちらに向かって走ってきている。


俺は……

いかにも俺が勇者だ!と宣言する。
もう受付はすんだんだ、マントで顔を隠しその場を去る。


(C)MooLich 2001