プロローグ

最悪だ・・・・もう目の周りには今すぐにでも襲ってきそうな明らかに凶暴そうなモンスターたちにかこまれてしまっている

緑色のドラゴン、黒いローブをまとった魔法使い、見たことのないくらいにでかいライオン・・・・

なぜこんなことになってしまったのだろう・・・・?

僕の名は真田隼人 ごく平凡な高校2年生だ。

数日前、僕はある雑誌の最後のページにある通信販売の広告に興味深いものをみつけた

テレビゲーム用のセーブデータカードだ。

それは様々なゲームのデータが入っていてしかもそれは最強で無敵のデータという

(つまりどんなゲームの不得意な人でもそのデータを使うと自分の能力が高い状態からはじまるので 簡単にゲームクリアできてしまうという物)

ゲームは自慢できるほど下手な僕はつい引き寄せられるようにそれを衝動的に買ってしまった。

数日後、僕が家に帰るとデータカードが届いていた。

僕はこの数日でこれを買ったことをすっかりわすれてしまっていた。

急いでそれを持って二階の自分の部屋に駆け上がり着替えるのも後回しにして、RPGゲームを引っぱり出して 早速データカードを使うことにした。


・・・・よし!・・・やるぞ!


  ゲーム下手なくせに気合いは入っている ・・・そしてタイトル画面
・・・・スタート・・・・


と始めるためのボタンを押した瞬間の出来事だった。


「カァァァ!」


テレビの画面からまぶしい光が放たれそれは部屋中に満ちあふれやがて僕をつつみこんだ


ま・・・まぶしい!


どのくらいその光の中にいたのだろう 意識があったのかなかったのかさえ覚えていない

ただ今まで感じたことのない心地よさと雰囲気を感じた。



う・・・・しばらくして僕は意識を取り戻した。どこか気分がいい。

え?・・ここは? 僕は見慣れない周りの景色に驚いた。


そこはさっきまでの見慣れた自分の部屋ではなかった。だが見覚えはある


どこだっけ・・・?みたことはあるんだよ・・・・・!!!!!


なんということだ 今まさにしようとしていたゲームで主人公がはじめにいる町だったのだ

よく見ると 周りを歩いてる人の格好がおかしい、大きな盾と剣をもって歩く者、槍を持った兵士たち、 宿屋、武具店、道具店、教会、大きな堀のある洋風のお城・・・・・・・


なんだ なんだぁ?どうなってるんだぁ?


しばらく木陰で1人考えた結果1つの仮定が成り立った。しかしそれは誰でも容易に立てることができるようなものだったが。

おそらく僕はゲーム中に何らかの原因でゲームの中に迷い込んでしまったらしい。または何か夢を見ている。どっちでも いまここにいる僕には関係ない。

ぼくはどう考えても自力で帰る事ができそうもないので、どうせなら開き直ってこの世界を ちょっと楽しんでみるのもいいだろうと思った。

夢ならそのうちさめるだろう



少し落ち着くと自分の格好に気がついた。


あ・あ・あ・僕の格好まで!


ぼくわRPGで言う1番レベルの低い初歩的な武具を身につけていた。
僕はなにか嬉しかった。普段の平凡な生活に少し飽きていたところだった。


「まずなにをしようかなぁ?」


と一人ぶつぶつ言った。

よし! RPGの醍醐味にはまず話を聞いて回ることだ!っと町の人にはなしてまわった

するとこの世界の様子やいろいろなことがわかった

どうやら 勇者は僕という設定でなく,もうすでに東に向かって旅に出たらしい。

もともと僕は勇者というのがすきでなかった。盗賊だの海賊だの言っているほうがかっこもいいと おもったし、何よりこつこつお金を貯めて 人を助け、命をかえりみずにさまざまな ダンジョンにはいるなんてとてもできない。

もう1つの醍醐味モンスター退治もしたくなった どうせこのあたりに現れるモンスターといえば ゼリー状のよわーいやつだろう。

僕は足取りも軽く町の外にでていった。

出た!ちょっと腕試しだ! やはりゼリー状のモンスターだ僕はそいつとにらみあった。

そしてそいつが僕に飛びかかった瞬間に僕もそいつに飛びかかり・・・・


・・・あ! けっこうかんたんに・・・


   結構簡単に倒せてそこにちらばった申し訳程度の宝石をひろった。

その瞬間ぼくは背後になにかとっても嫌な物をかんじた。

首だけでふりかえるとそこにはみるからに強そう&凶暴という最悪なモンスターたちがこちらを じっと見ている。


や・・・やばい・・・あいつらを刺激しないように・・・


っとゆっくり僕はそいつらと向き合ったままその場を離れようとしたとき


「グルルルルル・・・・グァァアアアオォォォゥッ!」


そいつらはいっせいにこちらに走ってきてあっというまに周りを取り囲まれた。



そして今・・・・・・・・

しびれをきらせたモンスターたちはいっせいに攻撃をしかけてきた・・・

あるものは呪文で雷を呼び出し、あるものは口から炎をふき、またあるものは 剣の先から光線をだし、ぼくに浴びせてきた。

そしてそのすべてをもろにくらってしまった。

ぼくはその 熱さ、痛さ、ショック、苦しみという苦痛で絶叫した・・・・・・はずだった。


・・・・あれ?痛くない・・・・それどころか何も感じない・・・・


でも意識はしっかりしている。

何がなんだかわからずやけくそになって、僕は1番手前にいたモンスターに斬りかかった。


「でやあああぁぁぁ!!」


そのとき予想もしなかった出来事がおきた。

僕の振った剣から衝撃波が発生し、目の前のモンスターを一掃してしまったのだ


「え?」


何が起きたのか 理解できなかった。

舞っていた砂煙が引くと、目の前の草原の数十メートルの範囲が砂漠となっていた。

そして逆を向いてもう1度振ってみると・・・・


「ドブゥアアァァァ!!」


また砂漠ができてしまった。


これが僕の力? ・・・・・!!! わかった!あのセーブデータのせいだ。


あのデータの売り文句は「最強&無敵」だから、僕もそうなってしまったのだろう。

最強というのが本当なのか確かめるため、僕はその日1日かけてその地域でいろいろな事をためしたすると・・・

僕の思っていたとおりだった。モンスターと戦ってみたところどんなモンスターも 素手も楽にたおせた。ドラゴン系のモンスターだって僕にかかればアリをつぶす程度のものだった

打たれ強さも恐ろしい物だった。呪文はもちろん物理的な攻撃もきかない



どうやらあのはじめの村なのに恐ろしく強そうなモンスターが出たのは、 僕がこの世界に入ったせいで、微妙にバランスがくずれてしまったようだ。

とりあえず僕はこの世界を見て回ることにした。僕には何もおそれることはない。

勇者は東に向かったらしいから僕は西に行こう。


さぁ旅立ちだ・・・・・




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