【イシュティ公爵記番外編】
【護衛メイド、リリアとアスミラの冒険譚】【1-3】
【大舞踏会】
弦楽器と笛などを吹き鳴らす楽団が大広間に現れる。貴族席までのテーブルは取り払われ貴族達は音楽の鳴る間、舞踏を楽しむことになっていた。
公子を誘う勇気有るヴァンマエイド令嬢はいなかった。各国使節も遠巻きに見ているだけだったが、舞踏が始まってからしばらく経つとあまり特徴がない娘がミハエルを誘おうとした。
「まあ、ありがとうございます。」
手を取ったのはリリアだった。娘は驚くが強引に抱き寄せ男のリードを始める。両手をひきつけくるくるまわりながら衆人環視の前でディープキスまでした。相手の女性はぴくぴく体を痙攣させた。
おお!
破廉恥な!!
「この方の介抱をお願い。」
近くにいた女官に申し渡す。
チェグウイデン将軍は先の話を国王に伝えに姿を消しているようだった。アスミラが耳打ちするとミハエルはクラウゼルを誘った。抵抗はあったがたまたま回りに頼れる貴族の知り合いがいなかったので、先のテーブルで一緒したこともあり請けることにした。
音楽がスタートする。
ぐっと力を入れてクラウゼルの腰が引き寄せられた。
なっ・・・。
乙女のクラウゼルの下半身に貴公子ミハエルの怒号が押し付けられた。動転してステップを踏み外す。
「お任せください。」
ミハエルの背はあまり高くはない。回転途中でちょっと腰を屈めて上へしゃくりあげると怒号の先端がクラウゼルの股の間に突きつけられた。そのまま背伸びするように足が浮く。
真っ赤になって空気を吸うことを忘れたように心は真っ白になる。大胆に足を開かせられるとズンという感覚があった。
クラウゼルはどうやって舞踏を終えたのか覚えていなかった。
バルコニーの方に連れて行かれそうになったところにクラウゼルを慕う貴族子弟が取り囲んで危うきを逃れたようだ。
耳元で最後に囁いた言葉を聞いた。
「貴女を見ていて欲情してしまいました。このことはお爺さまには内緒ですよ。」
その言葉は貴公子とは比べ物にならない、まるでヒサイエの言葉だった。
王宮の一室ではリリアが倒れた貴族令嬢の介抱を頼んだ女官がその通りにしていた。
「まあ、含み針を自分の口に刺されちゃったの。解毒剤ある?貴女死じゃうわ。」
もう顔が青かった。
女官は仕方ないとばかりに令嬢をうつぶせにするとスカートをまくってパンツを脱がせた。
そして隠しからケースを取り出すと青い飴玉をとりだしてそのままズブズブと令嬢の尻の穴に埋めてしまった。
「あら、やわらかくて才能あるのね。」
指を拭きながらキーワードのようなものを唱えた。
【グーデの盗賊ギルドにて】
「ちょっと前にウチのお城と王宮に刺客が入ったんだけど、貴方の所のお仕事よねぇ。」
グーデの盗賊ギルドと言えば凄腕で一目置かれた組織だ。
国家で奴隷制度を持っていたため人買いから奴隷の売買まで幅広く取り扱う一種合法の組織の面を持っていた。
頭目のタムも自分の組織にかなう組織は北のエリスリエイドの諜報機関かルンデニウムあたりのギルド会議が対抗できる精々だと思っていた。
その、暗黒組織でもトップランクにいると信じてきた組織のアジトの、よりによって頭目が脅されていた。アジトが発見されただけでも衝撃だったがこれまでタムが見てきたどのマスターシーフよりアサシンより凌駕する腕前を持っていた。それでいて華やかな気品があって身分ある人間に仕える召使の空気をにじませていた。
タムのほほを20歳を越えていない若い女の差し出したナイフがさする。
「あたし、だんなさまのおひげを剃ってさしあげるのが好きなのよね。」
ナイフは見た事が無い幅広で大型のものだ。いや、ランボーナイフ、聞いた事はあった。
イシュティの暗部・・・・。
これほどとは、、。
「わわかった。これからはお、お互いの組織を尊重しようじゃないか・・・。」
「あら、それだけなの?わたし、おみやげを頼まれているの。聞いてくださる?」
ヒサイエの最古参の護衛メイドの一人チカはにっこり笑って要求を出した。
イシュティから連れ出された奴隷で盗賊ギルドの所有する奴隷はすべて引き渡されることになった。男の子は15、16歳になれば体ができてくるので労働力として買い手がつくがそれ以下はタダメシ食いとして敬遠される。
だがヴァンマエイドでは体の未完成な男の子にも使い方があった。戦場へ連れて行く従者兼男娼(稚児)だ。元々は許可以外の略奪暴行を抑制するために取られた習慣だった。
それゆえ、見栄えのいい男の子はイシュティでの殺戮を逃れた可能性があった。
やはりそうだった。ことに今回の戦争では終始自国の国内で戦うハメになったため金の足しに再びギルドに売られた子供も多かった。
とにかく、女子供でイシュティ出身者は全部とギルド手持ちの奴隷でチカ達が望んだ好きな奴隷をイシュティに連れ帰ることでイシュティの暗部とグーデの盗賊ギルドの話し合いは付いた。
「今回、ミハエルさまを狙ったアサシンの女はそのままミハエルさまの奴隷になったわ。ギルドは承認してくださるかしら?」
マスターシーフやアサシンという高度な人材の流出は痛手だが相手を見誤った損失として諦めざるを得ない。ましてや本人にしても殺されるより奴隷で生きていたほうがよかろう。
「了解した。仕事に失敗した為、やむ負えないだろう。一筆書こう。」
「まあ、ありがとうございます。」
ナイフを収めてチカは言った。
「もう一つお願いがあるんだけどなぁ。明日の大会のことなんだけどぉ・・・・。」
【アサシンの末路】
舞踏会が終わった翌日。舞踏会でミハエルを狙った暗殺者は大公の依頼だったことが分かった。ヒサイエが和平で大公を殺さず返却させたのは「無能な味方は有能な敵より始末に悪い」と言う格言を信じていたからだがここまでバカだとは・・。
暗殺者は化粧を落として裸に剥くと18歳の栗毛の中々の美女だった。暗示をかましてシェイドアルカンの性奴隷にする。
「いつも空打ちでごめんなさいね。これからはこの娘がお受けするわ。ミハエルさまのものよ。」
小型の馬のようなちんぽに成長していた。ミハエルはもじもじとしていた。晩餐会や舞踏会の態度がうそのようだ。
ミハエルが近づくと栗毛の女、サラもクリトリスが最大まで勃起する。お互いの尻小玉が反応するようにした。サラの方はミハエルがその気になればすぐ発情するようになっていた。
ミハエルはゆっくり近づくとちんこをゆっくり挿入する。
経験の無さから思わず言葉がでた。
「あーーー、気持ちいいぃぃぃ。す・ご・いー。」
真っ白な状態のサラにミハエルのちんこが覚えこまされる。
「いいこと?貴女はミハエルさまを狙って失敗したわ。
暗殺者の掟は知ってるわよねぇ?失敗したら死ぬことが義務なのよ。」
サラは、あうん、あうん、とミハエルの打ち込みを受けながら目じりに涙を貯めた。
「でも、今回は死ななくていいのよ。これ、読めるかしら?」
ミハエルが腰の動きを止めてリリアが目の前に広げた羊皮紙を読んでやる。あのグーデの盗賊ギルドのものだ。ちゃんと開いて本物だと見せてやる。
「納得したかしら?いいこと?あなたはミハエルさまのお道具になれば生きていいのよ。」
ミハエルが再び動き出す。
「すごく役に立つお道具でないと価値ないんだから。」
サラ、が泣きながら首を縦に振る。
「ミハエルさまがいつも満足するようにご奉仕できる?
ミハエルさまのかわいいメス猫になれるかしら?
そう。いい子ね。
ご奉仕をお許しくださるミハエルさまが貴女は感謝でいっぱいで大好きになのよ。
ミハエルさまの子種を無駄にするのは罪深いことよ。貴女のまんこはそれを受け止めるためにあるの。」
あ、、あ、、あ、、あ、、あ、、、あーーーん。
サラのまんこが恋人を迎えるように愛しいミハエルを一生懸命満足させようとする。
幾つか付則をつけたあと暗示モードを終わるとちゅっとキスをしてますます激しくなる二人を残して部屋をでた。
リリアの豊かな、見るものによっては爆乳と言ったかもしれないが胸の高さは女の誇りとばかりに若く突き出たおっぱいを背後からむにゅっといきなりもむ人間がいた。
ハッっとリリアが体を固めてしまうと服の上から両乳首をつままれた。
「だんなさまを思い出して発情しちゃったでしょ?」
「あ、、あーーーん。ね、ねえさ、、ま、、。」
背後の相手がリリアが本当は絶対勝てない護衛メイド、チカだ。なにせ彼女の母親とリリア自身はヒサイエとチカによって調教されてしまったのだ。スピードだってチカに勝てると思わないリリアだった。
チカはリリアを服を脱がせてベッドに押し倒す。部屋のイスにはすでにアスミラが征服されていてぐちゃぐちゃにされたまんこを丸出しにされて放り出されていた。
ディープキスでお互いの舌をからませ合う。
「ここに来る前、ハーシェおねえさまにおもいっきりお口をいただいて、だんなさまのちんこを頂いたの。」
それを聞くとリリアもチカの口をもっと吸いたいとばかりにしてくるがチカはちょっと体を離してリリアのまんこに指を二本出し入れさせる。
「でね・・。」
ふふっとチカが笑う。内緒の内緒を告白するようだ。
「おねえさまが何時も以上にうれしそうにだんなさまをお誘いしたの。
なぜだかわかって?」
じゅぶ、、じゅぶ、、じゅぶっと出し入れされる指にまんこがからみ付く。
「だんなさまから、まんこの発育具合がいいから妊娠のご許可を頂いたんですって。」
じゅしゃーーーーーーーーーー。
リリアがその言葉に潮吹きをしてイッテしまう。
「今頃、だんなさまがおねえさまにのしかかって妊娠させている最中よ。」
チカも自分の言葉に興奮したようになった。
ハーシェを崇拝するものたちにとってヒサイエとハーシェの肌の匂いが合わさった子供というのはある意味理想なのだ。
あ、、あ、、あはあ、、あぁあ。
二人は体を刷りつけあって二人の崇拝する主人を思った。
【大剣闘大会】
むさくさい匂いが湧き立ち。血汗の興奮が会場をつつんでいた。
よわっちい女子供が近づけば雰囲気だけで泣き出しそう。
大会会場はそのような空気に満ちていた。
各国代表の貴賓席はさすがに多少は落ち着いていたが皆はほんとは落ち着いてはいなかった。
シェイドアルカン代表がミハエルに手を引かれて現れると皆がのどをならしてつばを飲み込んだ。
リリアは完全に力が抜けた様子で目がこれでもかと言うくらい潤んでおり。はかなげで豊かな胸は男の征服を待っているように誘っていた。
アスミラも同じでミハエルの手で引っ張られてはいたがたまにビクンと体をさせていた。
貴賓席の周囲は試合そっちのけでリリア達から目をそらせなかった。そしてその美少女達を両手に入れて堂々のミハエル公子を見てシェイドアルカンの国威を感じてしまうのだった。
「で、、では次ぎの対戦!グーデの殺戮鬼ジェイ!対シュエイドアルカンのリリア!!」
チカはメイド服のままだ。潤みっぱなしの目のまま剣を引きずるように開始線にすすむ。ジェイは戸惑ったが大会で彼女を殺せと命令を受けていた。
獰猛な巨体を震わせニヤつく。
組ふせて衆人環視の前で強姦してやる!へっへっへっへ。
「はじめ!!」
レフリーが開始を告げると一気に距離を詰めてくる。リリアはボーとしているように見えた。
イケル!
抱き占めようとしたときリリアがすっと消えた。左真横に移動したのだが右手の剣を地面に突き刺していた。その先には踏み出したジェイの右足があり足の小指が両断されていた。
すぐに何をされたか気づくと怒りに震わせて、今度は剣を渾身の一撃とばかり剣を振るってきた。
キュウイン
剣のしなりおとが聞こえ、ぬるっという感触を見ている人間に与える剣使いをリリアはした。相手の剣の軌道を剣を引っ付くようにかわしそのまま首筋に刃を押し付けた。
「しょ、勝者、シェイドアルカンのリリア!!」
うおおおおおおおお!
怒号が巻き起こりジェイに死ねという合唱が起こる。
いまさらに剣豪ハーマン・ラズを打ち倒した人間がタダの女でメイドという現実を思い知らされた。
ヴァンマエイド!!ヴァンマエイド!!ヴァンマエイド!!
戦場と同じ悲鳴が会場をつつんだ。
「あー、だり、、。チカねえさま、やりすぎ。」
リリアはつぶやきながら先を進めていった。
リリア同様超絶の強さを持ってトーナメントを進むものが居た。
剣聖フェルナン。強国エリスリエイドの剣士だ。
「決勝!!エリスリエイド剣士フェルナン殿!対!シェイドアルカンのリリア!」
一方に殿が付いていることが尊敬の度合いを表していた。
リリアがここにくるまでヴァンマエイドは汚い試合を一生懸命やろうとして次々と負けていった。そしてとついに決勝には外国代表選手のみになってしまったのだ。
トーナメント表では外国同士が潰しあうということになるように細工されるはずだったがシェイドアルカンが今回なぜか各国代表側から外れていた。主催者はこれはヴァンマエイドが十分リリアをなぶるつもりでそうしたと思っていたがここに至っては責任問題だ。観戦している国王、貴族達の鬱積はかなり高ぶっていた。
屈辱を感じていた。
「はじめ!!」
だっとばかり両者が駆ける。リリアの閃光のような剣がフェルナンを襲う。
フェルナンは数合を受け。反撃する。
シャ、ッシャ!!
ブン!!
剣速が早く空気が切れる音が会場に広がる。
ヴァンマエイドの参加者には無かった轟音が聞かれた。
かたずをのんで見送る。
名勝負だ!!
バっと両者が離れ、構えをしなおす。
リリアはとんぼの構えだ。両手で剣を持ち右耳の前に構えを持ってきて刀を立てる。一撃で決めるつもりだ。
フェルナンは中段に構える。サーベル状のフェルナンの剣は片手でも扱えるはずだが受けるようだ。
ダッ!!
リリアの突撃打ち込みは神速の早さに見えた。
ヴュン!!
ザク!!
フェルナンの防具の肩がザクっと切られる。
くっ!!
フェルナンは剣を受けるのに失敗したと思った。
「参りました!!」
背後で誰かが何か言っていた。
「しょ、、勝者フェルナン殿。」
おお!!
会場では何が起こったか分からないようだった。
フェルナンが屈辱に顔をゆがめて背後でひざまづき両手を合わせる敗者のポーズのリリアがいた。
「貴様!!何のつもりだ!!」
フェルナンがひざまずくリリアの前に立ち剣を構えて怒鳴った。
「スカートが切られました。メイドの負けです。」
リリアは澄ましてそういうと黙って目をつぶった。
「な、、なんだとう!!」
構えた剣を引けない。そんな感じになってしまった。
「ご納得、いただけませんか?ではこれは『政治』でございます。そう言ったほうがよろしいですか?」
フェルナンは気が付いた。ここでフェルナンに負けることがシェイドアルカンにとって益なのだと相手は判断しているのだ。
「わしは、勝ったとは思わん!!」
ザッっと剣を引いて怒った調子を隠すことなくフェルナンは去った。
リリアも長居せずさっさと大会を去ったのだった。
ヴァンマエイドはリリアがフェルナンの技量に及ばないと察して降伏したと公式に発表した。フェルナンの居ない閉会式はヴァンマエイドの国威を各国にさらすことになった。
さらにシェイドアルカン使節ミハエル公子が各国使節に語ったという言葉がなぜか広まっていた。
「さすがはエリスリエイド!先の戦いがかの国とであったなら、わが国が勝ったか怪しいところです。」
つまりヴァンマエイドはヘでも無かったという意味に取れるうわさばなしが広がってしまったのだ。本人は聞かれると「記憶にないなぁ。」としていたがイカにも言いそうなくらい堂々としていた。
1-4へ続く
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