ドレアム戦記
第二編 朱青風雲編 第2話
「ふぇーん。どうしよ〜」
シャオンは倒木に腰掛けながら弱気な台詞を投げた。相手は、火の精霊フレイアである。フレイアは駄々をこねている妹をあやす姉のような表情でシャオンを見つめていた。
「シャオン。魔物達はもう追って来れないでしょう」
「わかってる。でも、迷いの森に入ったら出られないじゃない・・・」
シャオンは魔物達の追跡を逃れるため森をさまよううちに、迷いの森の中に迷い込んでしまったのであった。
迷いの森とは、玄武地方と青龍地方の境にある暗黒の森と同様に未開の魔境とされている場所であり、朱雀地方南部の海岸線と平野の間に広がった亜熱帯特有の樹林で構成されている。その名の通り、一度入ると方向感覚を失い、2度と出て来られないという話は朱雀地方に住む者ならば子供の頃から聞かされている。悪さをすれば、『迷いの森に置いてきぼりにするよ!』というのが親達の殺し文句だったのである。
シャオンはそんな話は大人が子供を脅かすための迷信と信じ込んでいた。それ故に、偵察をしてきたフレイアから迷いの森に居ることを伝えられたことの衝撃を受け止めきれずに軽いパニック状態になってしまったのである。
「あ〜!もう、考えても仕方ない!」
ようやくもやもやから脱したのか、シャオンの緋色の瞳に生気が戻ってきていた。シャオンは立ち上がると、服の汚れをぱんぱんと払い落とす。
「フレイア。迷いの森って言ったって、入れたんだからきっと出る方法もあるよね」
フレイアは微かに頷く。
「よおっし。じゃ、出口を探しに行きますか・・・」
シャオンは冷静になって考えていた。今、迷いの森をどうすれば抜けることが出来るのかを真剣に考えている。シャオンの持つ『紅の疾風』の贈り名は伊達ではなく、盗賊としての技術、知恵、魔法使いとしての魔力を併せ持つ彼女は、頭の切れも相当なものがあった。それに加えて、火の精霊フレイアという強力な味方が傍に控えている。フレイアがいれば、迷いの森の方向感覚の狂いなどは然程問題にならない筈。
「ん〜。よし、先ずは印を付けた方がいいわね」
そう言って、ナイフで近くの木に印と番号を刻む。
「これでよし、と」
シャオンは印を付けた木を離れ、その木が見える位置からゆっくりと歩き始めた。そして、ある程度歩いてから振り向いて、さっき印を付けた木を視認できる場所で止まると、また木に印と番号を刻む。
「フレイア。周りを確認して」
「わかりました」
フレイアが探索する間に、次の目標を探す。今歩いた経路となるだけ直線になるような方向を見定める。
フレイアは戻ってきて何も気になるものはないことを告げ、シャオンは頷くと再び移動を開始。
そんな単調な行動が続いていた。そして、シャオンが木に20番目の印を刻もうとしたとき、信じられないものを見つけてしまう。その木の番号を刻もうとした場所から90度横にずれた場所に、『5』という番号と印が刻まれていたのである。
「げっ、何で?あたし真直ぐ歩いてきた筈なのに・・・」
シャオンは思わず頭を抱え込んだ。そのころには、もうかなり歩いたのか辺りは薄暗くなり始めており、そろそろ休息の準備にかからなければならないようだった。
「まあ、一筋縄ではいかないと思ったけど、まさか同じ場所をぐるぐる廻っているなんて・・・、あ〜あ、手掛かりなしかぁ・・・」
考えるのを一旦中断したシャオンは、携行食の乾し肉を炙って食べて、移動の途中で見つけた果物を齧りながら、眠そうに呟いた。フレイアは台座の中に戻っているので、真っ暗な森の中で一人ぼっち。
「いっそのこと、誰かが襲ってくれれば、ふん捕まえて抜け方を白状させるんだけどなあ・・・。ふぁーあぁ・・・」
眠気には勝てずに木の陰で丸くなる。そのまま静かな寝息を立て始めた。
朝の柔らかな木漏れ日の陽射しがシャオンを柔らかく包み込んだ。
「ん〜」
シャオンの目覚めは好い。仕事柄、寝込みを襲われても直ぐに行動できるように鍛えられている。
身体を起こして、全身で伸びをした後、シャオンは辺りの景色が昨日見たものとは違うことに気がついた。辺り一面、木が覆っている。周囲を木と蔦が檻のように囲み、上も逃げ場の無いように枝が絡み合って密生している。
「な、何これ?・・・」
シャオンは樹木の牢獄に囚われていたのだった。だが、捕まったままというのは性に合わない。直ぐに『火球』の魔法を唱えて牢獄の壁にぶつける。蔦が焼け落ち、牢獄に穴が開いた。シャオンはにやりと笑みを作り、そこから脱出しようと走り寄る。が、シャオンが着く前に蔦が伸び、行く手を塞いでしまった。
「ちっ、そうくるわけね・・・」
シャオンは一旦下がる。そして、左手の台座に軽くキスした後でフレイアを呼び出した。
「フレイア、あたしが脱出できるように穴を開けて。穴を開けたら蔦が伸びてこないようにしてね、お願い」
「わかりました」
フレイアは全身から炎を湧き立たせると、そのまま牢獄の壁に近づいていった。壁は火に抵抗できずに燃え尽き、『火球』を使った時と同じように穴が開いた。一点違うのは、穴の周りを這うように炎の輪が出来て伸びてくる端から蔦を燃やし続けていることだった。
シャオンは躊躇せずにその輪をくぐった。樹木の牢獄からの脱出に成功である。喜びつつふと振り返ると、1本の大木が聳え立ち、そこから果実のようなものがぶら下がっている。よく見るとそれはシャオンが捕えられていた樹木の牢獄の変化したものであることがわかった。一番下にあったのがシャオンの入っていたもの、その次は半分位の大きさになって高さも3ヤルド以上の場所にあった。その上にも幾つもぶら下がり、大きさは上に行くほど小さくなっていた。
「シャオン。危なかったですね」
「ほんと、危うく木の養分になるとこだったわ・・・」
シャオンはそう言いながら、何となく理不尽な怒りを覚えた。迷いの森に入り込んだのは仕方ないとしても、危うく自分が木の養分になるところだったのが気に入らなかった。
「フレイア。あの大木、燃やしたいんだけど」
「はい。シャオンを取り込もうとしたのですから、敵と判断できます・・・」
フレイアがいつになく乗り気であると感じた。フレイアとしても、自分の主人を搾取しようとしたことは許せないと思っていたようだ。
「よおし。じゃあ、やっちゃおう!」
シャオンの合図とともに、フレイアは威勢よく大木に向かって行った。大木の根元から螺旋を描くように上に昇って行く。通った跡には炎の道がまるで渦を巻くように続いている。フレイアが大木の頂上まで登った時、炎は大木を包む火炎旋風となった。それは、中の全てを燃やし尽くすまで続き、フレイアがシャオンの元に戻った時には、かの大木は根元から焼け落ちていた。
「やった!」
シャオンは満足そうに言った。フレイアの表情も心なしか満足そうに見えた。と、フレイアが何かを感じ取ったようだ。
「シャオン。森に生き物の気配がします・・・」
「本当?」
「はい」
「じゃあ・・・、ということは・・・、もしかして迷いの森から出られた?」
「はい。その可能性はあります」
「よおっし、フレイア、ご苦労だけど周りを探ってくれる?」
「はい。シャオン」
フレイアの報告では、シャオンは迷いの森から本当に抜け出していた。迷いの森の正体とは、食肉植物である大木が入り込んだ動物−もちろん人間も含む−を捕食するために作り出した結界であり、その結界を作っていた大木を倒したことで元の世界に戻ることが出来たのであった。
シャオンが今居る場所は南の森の西端、火の神殿まですぐ近くの場所だった。オクタスを脱出したのが昨日の明け方だったから、2日で約180カーミル移動したことになる。通常では考えられない距離だったが、シャオンは迷いの森の影響だろうと勝手に納得していた。
「火の神殿かぁ・・・。親父の言いつけで、神殿には入ったことはないけど・・・でも、もしかしたら台座の宝玉が見つかるかもしれないし・・・、行ってみるかぁ!」
シャオンは決意すると走り出した。
「姉さま。交代します・・・」
ユキナがミスズの身体に触れた。毛布に包まれた暖かいはずの肌はもう冷え切っていた。それでもミスズはなかなか動こうとはしなかった。振り向いたその顔には涙の跡がある。
「姉さま。これ以上はお身体に障ります」
ユキナも悲しそうな表情には変わりなかった。
「わかったわ。ジロー様をお願い・・・」
そう言って自分が今まで暖めていたジローの身体に向き直り、意識の無いその唇にそっと口付ける。冷たい唇に少しでも温もりを与えたいと祈るような気持ちを込めた。
ミスズは起き上がり、ユキナと交代した。2人共全裸である。ユキナはミスズと同じくジローに口付けすると、毛布とジローの間に入り込み、抱きしめるように身体を密着させた。
水生魔物の断末魔の体液を浴びたジローは意識の無いまま村長の家に担ぎ込まれた。すぐにルナとイェスゲンが神聖魔法の『聖回復』や『浄化』、『治癒』など回復系の魔法を惜しみなく注ぎ込んだが、ジローの意識は戻ってこなかった。それどころか、ジローの体温が急激に低下し始めた。
愛嬢達は、ジローを少しでも温めようと部屋を暖めたり、魔法を使ってみたりしたが、一向に回復傾向にはならず、とにかく体温をこれ以上下げないようにと始めたのが愛嬢達の肌で直接暖めるという方法だった。
原因は想像がついた。水生魔物の体液がジローの皮膚からそのまま吸収されたため、ジローの中でバランスが取れていた素質が急激に水性に傾いたためだろうと。だが、このままでは、人間としての素質のバランスが崩れて命を落とすか、後天性の水性人間−河童や魚人間など−になるかしか行き着く先はない。どちらにしろ、ドレアムを救う救世主という役目は終わることになってしまうだろう。
ジローの左手には大地の腕輪が装着されていた。水を克する土の力で少しでも病状の進行を抑えるためである。ジローの意識が回復すれば、大地の精霊ノームの力で一気に打開は可能かも知れないが・・・。愛嬢達の希望は、失われた知識を求めて別世界に行った導く者イェスゲン。ジローが倒れてからすぐに他の世界にいる自分からジローを助ける方法を得るために旅立ったのであった。
ミスズは震える身体を引きずるようにして、風呂場に向かった。腫らした目蓋を隠そうともせずに、無言で湯船に浸かる。お湯の温かさがじわじわと冷え切った身体をほぐしていくが、気分は全く晴れなかった。
「ミスズ様。お背中をながしましょうか?」
ミスズは全く気付いていなかったが、先客がいたようだ。声の方を見ると、村長の娘のロゼが湯上りの子供を外の母親に預けて戻ってくるところだった。
「あ、いえ・・・」
「そんな遠慮なさらずに」
そう言って湯船から上がったミスズの背中に石鹸の泡をつけていく。その行為は感謝の気持ちに溢れていた。
「ロゼさん・・・」
「はい?」
「なぜ、ここまで・・・」
「皆様は仇を取ってくれました。もう、感謝してもしきれません。私達のために戦って傷ついたジロー様や皆様に少しでも恩返しできるなら、部屋や食事のことなんか些細なことです。ですからどうか気にしないでください」
「そう、貴女の大事な人も奴に・・・」
「はい・・・、調査船のリーダーでした」
ロゼの声が少しくぐもる。
「ごめんなさい」
「いえ・・・。息子が、まだ2才なんですけど、あの人に負けないような立派な漁師に育て上げます」
「ロゼさん。ありがとう・・・。私も希望は捨てない・・・」
イェスゲンが戻ったのは夜遅くだった。戻った後でも息を切らしているイェスゲンの様子を見ると、余程慌てて各世界を廻ってきたのであろう。だが、息を落ち着ける間もなく皆の元に行った。夜も遅いというのに、愛嬢達は全員揃っている。まるで待ち望んでいたかのように。
意識の無いジローの近くに皆が寄り添うように愛嬢達は座っていた。イェスゲンが部屋に入るとすぐにアイラが声を掛ける。
「見つけてくれた?」
イェスゲンは力強く頷く。その瞬間、愛嬢達の表情に安堵の感情が広がった。
イェスゲンはジローの許に寄り、冷えて青白くなったジローの唇にそっと口付ける。
「イェスゲン。ご苦労様」
ジローを暖めていたレイリアがイェスゲンを労った。イェスゲンはレイリアに向けて軽く首を振り、用意されていた椅子に腰掛けた。
「イェスゲン。お疲れ様でした。ジロー様を救う方法を探してくれてありがとうございます」
ルナがイェスゲンに頭を下げた。イェスゲンは恐縮しながらも皆に挨拶すると、自分が得てきた知識を話し始めた。
「お待たせしてしまい、すみません。ですが、ジロー様を救う方法は見つかりました。水性魔物本体の体液は浴びた者の身体に吸収され、その者の体質を水性に転換しようとします。それが今のジロー様の状態です。これを治癒するためには、まずジロー様の体内から水性魔物の体液を排出し、ジロー様に抗体を摂取してもらうことが必要です」
「具体的には、どうするの?」
ミスズの問いにイェスゲンは少し顔を赤らめる。
「はい・・・。ジロー様の精液を・・・」
「お約束だね〜」
アイラがちゃかす。ジローが助かると聞いていつもの元気が出てきたようだった。
「あの、抗体の摂取というのは・・・」
ユキナが核心をついたのか、イェスゲンは少し戸惑いの表情を見せたが、やがて淡々と答え始めた。
「ジロー様の精液を身体の中に受けた女性から分泌する体液・・・母乳のことです」
瞬間、全員の間に緊張という静寂が訪れた。しばしの沈黙の後、耐えられなくなったのかアイラが口火を切る。
「そ、それは問題ねぇ・・・。この中でお乳が出る人なんていない・・・わよ、ねえ・・・」
「はい・・・。私達誰も妊娠も出産も経験していませんですし」
ルナの言葉に、ユキナが反応する。
「あの、不思議に思うのですけれど、私達ジロー様と、その、ずうっとしているのに子供が出来ないというのは・・・」
「全部なかに受けているのにねぇ・・・」
アイラが肯定する。
「ライラさんが妊娠したから、ジローの問題ってわけじゃないだろうし」
「そうですね・・・。私の推測なのですが、救世主の役割に関係あるのではないでしょうか。ジロー様と私達は宿縁のようなもので結ばれているので、この世界を何とかするまでは妊娠しないようになっているとか・・・」
ミスズの意見に皆が納得しかけたが、そこにイェスゲンが割り込んだ。
「話を戻しましょう。母乳をどうにかしないと」
その時、扉が開いた。そこに立っていたのは村長の娘、ロゼ。
「あ、あのう・・・」
愛嬢達の悩みの種、母乳の問題は思わぬ方向で解決した。というのも偶然、このときの会話を扉の外で聞いていた人物がいたのだ。
それは、部屋を提供してくれた村長の娘ロゼだった。彼女は夜泣きした息子をなんとか寝かしつけてたまたま部屋の前を通ったときに話を聞いてしまったのである。
ちょうど母乳のことで頭を悩ましていたアイラ達だったが、突然扉が開き入ってきたロゼから思いもしない提案を受けたのだった。
その提案とは、ロゼを含む乳飲み子を抱えた未亡人をジローの治癒に役立てたいというものだった。たまたま水生魔物によって夫を亡くした若い未亡人が結構いるらしく、彼女たちをロゼが説得するとのことだった。
愛嬢達は一瞬思案気に互いに顔を見合わせたが、同時に目で了解を取り合い、すぐに同意した。元々ジローが誰を抱こうが嫉妬という感情が湧いてこない愛嬢達である。レイリアなどは、いい勉強の機会などと瞳を輝かせたくらいである。
次の日、ロゼは村中を回り、まだ若くて母乳がでる未亡人達に事情を説明し、協力を依頼した。すると、未亡人達の中で同意した者達がその日の夕方頃までに1人また1人とジローの元を訪れ始め、最終的にはロゼを入れて全部で15人が集まった。
愛嬢達も含めて21人の若い女性がジローのいる部屋に集まっていた。全員裸で、大きさの大小はあれど42個の乳房が並んだ姿はエロチックを超えた壮観さがあった。
未亡人達は20代から30代前半くらいまでで、漁師町の女らしく浅黒い肌に引き締まった身体が艶を放っていた。とはいえ、その姿に欲情するべきジローの意識はなかったのであるが。
ジローは部屋の中央に寄せられたベッドに寝かされていた。相変わらず体温が低く冷たいままだが、愛嬢達の努力のおかげかそれ以上の体温低下には至っていなかった。その股間部にはアイラとレイリアが舌を這わせていた。アイラは肉棒を愛おしげに舐めている。根元から先端にかけてゆっくりとした愛撫を繰り返す。肉棒もまたその持ち主と同様に冷たいままだったが、アイラは少しでも温めようと一心不乱にしゃぶっている。
一方、レイリアはというと、ジローの袋の部分を重点的に攻めていた。2つの睾丸を1つずつ口の中に入れて舌で転がすように舐り、時には2つ同時に口に含んで刺激を送り込むように絶妙のテクニックで弄する。
愛嬢達の中で1、2争うテクニシャンである2人の努力の甲斐あってか、ジローの肉棒は本人の意思に関係なく堅く大きく膨らんだ。残りの女性達は、すっかり顔を赤らめながらその行為を見つめていた。
「もう大丈夫よ」
アイラの呼びかけに、未亡人達は互いに顔を見合わせる。その目線の先には今回の話を言い出したロゼの姿があった。ロゼは他の女性達に軽く頷くとゆっくり近寄っていく。
「それじゃ、私からいきます」
ロゼはベッドに上がり、ジローの上に跨った。そのままジローの肉棒を片手で支えながらもう一方の手で自分の膣口を広げ、ゆっくりと腰を合わす。そこは、既にしっとりとした潤みを帯びていた。肉棒の先端が膣口に触れる。
「あん・・・」
ロゼの膣口が肉棒の先端部分を味わうように飲み込んで行き、カリの部分が完全に中に飲み込まれたのを確認すると、今度は一気に腰を落とす。
「あ、うあぁぁぁぁぁ・・・んんぅぅぅぅ・・・」
久々の肉棒を味わえた歓喜のようなものがロゼの体内を駆け巡っていた。膣壁が吸い付くように肉棒を締め付ける。そして、通常とは違う肉棒の冷たさまでもが新たな刺激となり快感を呼んでいた。
「ああ、い、いぃ・・・。あ、あ、あぁん・・・」
ロゼは衆人環視の中というのも気にならないようで乱れに乱れまくっていた。腰を前後左右に回転させるように動かし、膝立ちになって上下に激しくピストンする。途中何度かびくんと軽くいったのか動きが止まるが、直ぐにまたそれ以上に動き始める。まるで、快感を貪っているかのようだった。
その姿を見つめていた他の未亡人達は、目の前の光景から目を離せずにいた。早い者はそれだけで股間を湿らせる者もいたし、自分の胸や股間に手を当てて弄り始める者もいた。
そしてついに、ジローの射精の瞬間を迎えた。大量の精液がロゼの子宮口を直撃し、ロゼは軽く失神して脱力していまい、アイラが慌てて支えたほどだった。
ジローの上から降りたロゼは、まだ夢見心地でふらふらしていたが、そんな彼女にルナとイェスゲンが手をかざし、呪文を唱えた。相手の代謝能力を向上させ、心身共にリフレッシュする効果を持つ『活性化』である。ジローの精液を受けて、それを体内に取り込んだ上で母乳として還元する必要があるため、促進効果が期待できるのだ。そして、その効果は予想以上だった。
ジローの上には3人目の未亡人が妖艶に腰を振っていた。その時、ロゼは胸の張りを覚え、自分で軽く触ると乳首に白いものが滲み始めていた。
ロゼがそのことを告げると、ミスズとユキナが近寄ってきた。
「ロゼさん。ありがとう」
ミスズはロゼの眼を見てお礼を言った。そして、右の乳首に吸い付いてそこから湧き出る母乳を吸いだした。そして、ある程度口の中に溜まると乳首を離して振り向きざまにジローの許に近寄り、口移しで母乳を飲ませたのだった。
その間、左側の乳首にユキナが吸い付いていた。ミスズと同じように口に溜めてジローに口移しで母乳を飲ます。
ミスズとユキナが5回ほどそれを繰り返すと、さすがにロゼの乳の出が悪くなり、次の未亡人が交代した。途中でアイラとレイリアが交代し、最後の2人はルナとイェスゲンがジローの元に母乳を運んだ。
水性魔物の体液に侵された状態と母乳の摂取のせいか、15回もの射精をしたというのに精液の量は最初のロゼの時から殆ど減らず、ジローの肉棒は相変わらず真上を向き、堅く屹立していた。それを見た愛嬢達は順番にジローに跨っていき、母乳は出ないものの、ジローの精液を体内に受け止めることで少しでもジローが回復する手助けになればと熱心に腰を振った。結果としては、自分達も感じまくって楽しんだのではあるが。
21人に射精した後は、さすがのジローの肉棒も脱力したようだった。そして、その頃には彼女達の身を尽くした治療の効果が出始めていた。ジローの身体は明らかに赤みが増し、体温が上昇を始めていた。まだ意識はなかったが、呼吸がゆっくりと力強いものに変わりつつあった。
そのことを知った21人の女性達は、自分達が裸だということも忘れて抱き合いながら喜んだのだった。
アイラは、ロゼの許に近寄っていった。
「ありがとね。ロゼ」
「いいえ、命を助けていただいたのですから。ほんのお礼です。お力になれてよかった」
「ううん、それでもお礼は言わせて。ありがとう」
「アイラ様・・・」
「ほかの人達にもお礼を言わないとね。でもロゼ、こんなに短時間でどうやって集めたの?」
アイラがロゼにそっと聞いた。ロゼはちょっと赤くなって答えた。
「村を救ってくれた英雄の種を貰えるいい機会と・・・」
ジローの意識は翌日の朝に戻り、回復は順調だった。ジローの治療についてはまだ数回は続ける必要があるので、アイラが代表して説明しジローは納得した上で昼間には毎日病室を訪ねてくるロゼを始めとした未亡人達を抱き、母乳を啜った。そして、夜は夜で6人の愛嬢達から迫られ、『神精回復』までかけられたジローもその気になって思う存分抱きまくっていたのである。
そんな日々を続けながらジローはすっかり回復し、いよいよ次の目的地である火の神殿に行くことになった。その前に神殿に対する情報収集をするところなのだが、マリは元々神殿と関係が深く、神殿で生まれ育ったものも多数いたのである。但し、それらは全て男であり、大半は水生魔物によって他界してしまっていた。だが、彼らの家族は残っていて、ジローが抱いた未亡人だったりする。更に、神殿の司政官の妹に当たる女性もそこに含まれており、結果として比較的簡単に火の神殿への道が開かれたのであった。ジロー達が命懸けで水生魔物を斃したことが実を結んだと言えよう。まさに、『情けは人の為ならず』だった。
火の神殿は、サウスヒート王家の洗礼の地として王家から経済支援と特別の自治権を与えられた土地である。自治権の権利の中には徴税や裁判、自衛のための軍隊を組織することも含まれており、12諸侯の都市とほぼ同じ権限を持っていた。規模は小さいものの王国13番目の都市と言ってもよかった。
神殿の最高責任者は、大祭司アスビー。その両脇を固めるのが政務を司るラステル司政官と警務全般を取り仕切るマシュウ司警官である。また、裁判はこの3人の合議で実施されていた。
朱雀地方が群雄割拠になった時でも、神殿は王家の支持を変節しなかった。実際、酷王ジュダムの妾腹の王子を匿い、後にセントアース帝国に後見を依頼するべく画策して王子を送ったのは神殿であった。目論見は的中し、帝国のハデス皇太子率いる軍が王子の旗印の元で不安定な国内を見事に統一してくれた。しかし、予想に反して王子は行方不明−死んだものとされた−となり、サウスヒート王家は断絶、朱雀地方は帝国の版図となってしまったのである。
暫くたつと、神殿には変な噂話が聞こえ始めた。朱雀地方のあちこちで魔物の出現を裏付けるような出来事が頻繁に起き始めたのである。元々神殿は古くから魔物や災厄に関する古い文献が残されており、上位司祭になるとそのような知識も得ることが出来たので、起きている出来事に魔物が絡んでいる可能性は十分想定できるものであった。
「アスビー。また悩み事?」
薄青色の縮れ髪を短く綺麗に揃えた美女が部屋に入るなり声を掛けた。朱雀地方特有の彫りの深い顔立ちと浅黒い肌がエキゾチックな雰囲気を醸し出している。
声を掛けられた女性は背もたれの高い椅子に腰掛けていた。身に纏った絹のローブの白色に映えるような金色の髪を胸の前まで垂らしている。
「ええ、マシュウ。オクタスの周辺で魔物を見たと言う話を聞きました。全身から刃物を突き出した片目の魔物だそうです・・・」
「また魔物の事か・・・。魔物なんて、本当にいるわけないと思ってたけれど、実際にいるとはね。」
「ええ、夜になると街道の辺りにも出没し始めたと聞きました」
「う・・・ん、街道を外れた荒地の辺りは昼でも危なくなってきたしな・・・、だけど、都市の中にまで入ってきたという話は聞いたことが無いし、そんなに心配しなくても大丈夫よ」
「ええ、でも神殿が襲われた時のことも考えておかないと・・・」
マシュウはちょっとため息をつきながら自分より1つ若い大祭司を見る。だが、当のアスビーはどうやら真剣に考えているらしく、両目を瞑って思案している。
「アスビー。そんな顔したら折角の美人が台無しよ」
そこまで言われてようやくアスビーは魔物から思考を移し、マシュウがここに来た目的について尋ねることにした。
「マシュウ。司警官の貴女がここにくるのは、何か重要なことが起きたのですか?」
マシュウは軽く頷くと、自分がここに来た目的を話し始めた。掻い摘んで言うと、司政官ラステルの妹からの紹介状を持った旅人が神殿を訪れたということだった。一行は男1人と女6人の計7人で、南の海沿いの漁村マリから来たという。
「今、ラステルが応対しているけど、彼らは神殿の中に入りたいと言っているようよ。でも、あたしが見る限りでは、こっちの人には見えない。どう見ても中原よりも北方の人。でも、南から来た。まあ、魔物のこともあるし北の警備は結構厳しくしてあったから簡単には入れないし、南から廻ったとも考えられるかな。それに、帝国の傀儡に成り下がった連中の動きも気になるし。一応神殿はハデス皇太子から独立の立場を守っていて、今のところ連中もちょっかいは出して来ていないけど、それだけに何か怪しい気がするのよ」
マシュウの意見をじっと聞いていたアスビーは、瞑っていた両目を開けた。サファイアのような澄んだブルーの瞳がマシュウに突き刺さる。その瞳に見据えられると何もかも見透かされるような気がした。アスビーの瞳は『浄眼』という相手の真偽を見抜くと同時に、忌まわしきものを浄化する力を持っていた。
「マシュウ。貴女の意見はわかりますが、先ずはその方々に会って見ましょう」
「アスビー、それは・・・」
「何かあれば、貴女が守ってくれると信じていますから」
危険だと言う言葉を無理やり飲み込まされたマシュウは、仕方なくアスビーに頷きエスコートするように部屋を出た。
「妹が本当にお世話になりました。それに村まで救ってくれて。もう感謝です」
司政官のラステルはジロー達に感謝の気持ちを身体全体で表していた。場の雰囲気が極めて和んでいる。その口調とピンク色のツインテール髪のせいか年齢よりも若く見られるが、実年齢は30を過ぎている。見かけは唯の女の子のように思えるが、その能力は一流。特に交渉については右に出るものがいないほどだった。
今も、ジロー達に対して至極和やかに接しながら、マリに住む妹の手紙の真偽をしっかり把握し、ついでに7人の男女の大まかな部分−人なりや人間関係など−を掴んでいた。
「皆さん。もうすぐアスビー様が来ますので、それまで楽にしていてくださいね」
「ありがとうございます。ラステル司政官殿」
ミスズが答えた。和やかな場に誤魔化されているが、ラステルが核心についての質問を全くしていないことに警戒していた。もし、自分が逆の立場ならば当然尋ねるであろう相手がどこから来たのか、出身地や神殿に入る目的など、聞こうと思えばいくらでもある筈なのにラステルはにこやかに世間話やマリでの出来事について聞くだけであった。
「そんな堅苦しい呼び方をしないでいいですよ。普通にラステルと呼んでくださいね」
「で、ではラステル様・・・」
「はい」
「私たちは神殿の中に入りたいのですが、それは出来ますか?」
ミスズの問いにラステルはちょっと考えたようなそぶりを見せたが、直ぐに答えた。
「その答えは、後から来るアスビー様しか答えられないのです」
「アスビー大祭司が許可をくれれば入れるの?」
アイラが言った。
「はい。ですからアスビー様の前では正直にしていた方がいいですよ」
そう言ってにっこり微笑むラステルだった。
<ジロー様。ラステル様の言うことには嘘がないようです。でもさっきから言葉巧みに私達の質問をはぐらかしつつ、情報を得ているような・・・>
<俺もそう思う。雰囲気は天然だが、頭の回転はピカイチ、舐めてかかると火傷をするタイプのようだ>
ルナとジローは心で会話をしながらラステルとのやり取りを見ていたのだ。イェスイはレイリアをさりげなくフォローしている。レイリアが話すと場の雰囲気が壊れかねないのでジローからこの場では黙っているようにと言われていたのである。そしてユキナは部屋の中で何が起きてもいいように気を配っているようだった。
そのとき、扉が開き2名の女性が入ってきた。そして、先に入った短い薄青色の縮れ髪の女性がいきなりラステルに向かって言い放つ。
「ラステル、何和んでいるのよ」
「あっ、待っていましたよ。アスビー様、マシュウ」
マシュウの文句などどこ吹く風のラステルはにこやかに2人を迎えて室内に案内する。そして、ジロー達に正対するように席についた。中央にアスビー、左に仏頂面のマシュウ、右に笑顔を絶やさないラステルという配置である。
ラステルが陽気に簡単に互いを紹介した。その後一瞬の沈黙と緊張。
「ようこそ、火の神殿へ」
おもむろに口火を切ったのはアスビーだった。
「いや、こちらこそ、突然訪ねて来たのに丁重な対応をしていただき、ありがとうございます」
ジローが答えた。
アスビーはサファイア色の瞳をジロー達に向けて穏やかに微笑んだ。ジロー達も何故かリラックスしてくる感じがした。
「皆様は、どうしてここを訪れたのですか?」
アスビーの質問に、ジローは簡潔に答えた。
「私たちは神殿を巡っています。それで、火の神殿に来ました」
「巡礼者だというのか」
マシュウが詰問のような口調で横から口を出す。
「いえ、それが私達の使命だからです」
「何を訳がわからんことを・・・」
「そうですか。では、ここに来るまでいくつの神殿を巡られたのですか?」
マシュウの言葉をアスビーの質問が打ち消した。マシュウは仕方なく口をつぐむ。
「6箇所です。ここが7箇所目になります」
「そんな筈はない!神殿は5箇所しか存在が判明していない筈よ!」
再びマシュウが強く詰問した。しかし、再度アスビーがマシュウを制すると、憮然とした表情で深く椅子に沈み込む。そのまま、肉食獣のような瞳でジロー達を睨んでいた。
「そうですか。出来れば巡った神殿の名前を教えていただけ無いでしょうか」
「ええ。順番に水、玄武、大地、風、白虎、月の6箇所です」
ラステルが少し驚いた表情を見せたが、黙ってアスビーの言葉を待ったようだった。アスビーは表情を崩さず、相変わらず穏やかに質問を続けた。
「ありがとうございます。では次の質問です。皆さんの使命というのは?」
「説明すると難しいが、簡単にいうとこの世界に迫る危機を救うこと、になるかな」
アスビーの表情がわずかに曇った。そして、意を決したような表情でジローを見つめる。
「危機、というのは、もしかしたら魔物達のことではないですか?」
思わぬ発言にラステルとマシュウがアスビーを見つめる。しかし、アスビーは元の穏やかな表情に戻り、ジローからの回答を待っていた。
「ええ、その通りです。だが魔物は先兵に過ぎない、魔界からの侵略の手がこの世界に伸びてきているのです」
ジローの言葉を受けたアスビーは少し暗い表情をした。
「そうですか・・・。魔界からの侵略。ええ、十分考えられます」
「アスビー様」
ラステルが心配そうな表情でアスビーを見た。当のアスビーはジロー達の方をじっと見据えたまま、視線を動かそうとはしなかった。
<『浄眼』が発動している>
ラステルはそう悟るとジロー達の方に向き直って待つことにした。彼女のジロー達に対する判定は、言っていることに嘘は見られないがただ一つの疑問の答えを得ていなかったため、限りなく灰色に近い白だった。
アスビーは静かにジロー達を見つめていた。『浄眼』から感じる全てのものをほんの僅かでも取りこぼすことの無いように集中しているのだ。
マシュウは少し心配そうにアスビーを見つめていた。彼女がこれほど集中するのは珍しい。『浄眼』は、能力と引き換えに体力を消耗するのだ。使いすぎて倒れないか心配になってきたのである。
そんな心配をよそに、ふっ、とアスビーの表情が和らんだ。
「わかりました。皆様を信用いたしましょう」
アスビー大祭司のその言葉を聞いて、マシュウは態度を軟化させ、ジロー達への接し方も彼女なりに丁寧になった。マシュウ、いや神殿に使える全ての者達にとってアスビーが『浄眼』を使って導き出した結論は何よりも優先されるものだったのだ。それだけアスビー大祭司に対する信頼度が高いということを意味していた。
だが、現実はそんなに甘いものではなかった。ジローがアスビーの言葉に感謝して神殿に入れて欲しいと改めて依頼した時に、神殿に入るためには試練を受ける必要があると告げられたのである。
その試練とは・・・。
「神殿の者6人とセックスをするんですよ。ジロー様一人で相手をしてもいいですし、皆様まとめてでももちろんいいです。久しぶりの試練なので張り切っちゃいますね」
説明するラステルの声が明るい。テンションが上がっているようだ。
「で、その6人ですが、え〜と、アスビー様、マシュウ、それに私と・・・」
「私の双子の娘が今年で16才になります。そろそろ試練を経験させましょう」
「ちっ、うちの娘はまだ12才か。ちょっと早すぎるな・・・、仕方ない。副官のスウにしよう」
アスビーに続いてマシュウが人選を決めた。それを見ていたジロー達は急展開についていけずにどぎまぎしたままだった。
そんなジロー達の様子に気付いたラステルは、アスビーに許可を受け、疑問を紐解くように火の神殿について簡単に説明をしてくれた。こうしてちゃんと観察していたところを見ると、どうやらテンションが高く見えるのは地らしい。
火の神殿は相当過去から存在していたが、いつからかサウスヒート王家の洗礼の地となり、今に至っている。洗礼とは王家の男子が一人前として認められるための儀式であり、18才の誕生日を迎えると必ず火の神殿に赴き、神殿に鎮座する火の神に祈りを捧げ、その祝福を受けることで終了する。その時に火の神に会う資格があるかどうかを問うのが試練である。何故試練が必要なのかと言うと、神殿に入るための大扉が内側からしか開かないのだ。故に、一度閉まってしまえば、試練以外の方法では誰も神殿の中には入れないとされている。
ところで火の神殿を構成する街は、よく見ると女性と子供しかいないことに気がつく。そう、神殿の街には大人の男性はいないのである。試練を維持するためなのだそうだ。
試練は、6人の神殿幹部と交わり、全員をイカせるというものだった。6人全員がイクと、内側からしか開かない筈の神殿の大扉が開くらしい。但し、一人で全員をイカせなくても良く、洗礼を受ける者のパーティで挑むことも可能であり、大概はそうだったという。
試練の結果、神殿幹部の中には妊娠する者もあった。そうして産まれた子供は神殿が責任を持って育てあげることになっていた。そして10才になると、女の子はそのまま神殿に残り、男の子は近隣の村に里子に出される。このようにして街は維持されて来たのであった。なお、神殿の幹部たちには、サウスヒート王家の血が流れている可能性があるが、試練の時には乱交が当たり前であるため、明確に王家の血が流れているという判別はできず、神殿で産まれた子については王家とは何のかかわりも無いとされた。王家としても、洗礼の儀式の実態は王家と神殿だけの秘密としておきたかったのである。
だが現在、ここで大きな問題が生じていた。サウスヒート王家の断絶である。このままでは神殿は先細りになるのが見えていた。とはいえ、神殿という格式を考えるといままでの因習を突然変えるなどということは簡単には出来ないのである。故に、ジロー達の来訪は当に僥倖だった。『浄眼』によってジローという人物を見定めた上で、神殿に入りたいというジロー達に対して試練を課して、あわよくば子種を貰い受けるということもアスビーは視野に入れていたのだ。
試練は翌日の午後に行うことになり、ジロー達は宿泊所として提供された神殿前の司祭府の別棟に案内された。当たり前のように全員同じ部屋に案内されたが、皆明日のことを考えていたのか、気にならなかった。
「何か、最近ジローが他の女を抱く機会が増えた気がする・・・。まあ、それはそれでいいけどね・・・」
アイラの言葉にルナを始めとした他の愛嬢達が頷く。
「はい。本当なら焼きもちくらい焼いてもと思うのですが、何故か・・・」
「でも姫様、最後は私達の処に帰ってきてくれるからいいじゃないですか」
「それに、私達が一番大事だと思ってくださいます・・・」
ルナ、ミスズ、ユキナが立て続けに肯定する。
「ご主人様は、いろいろな人とセックスして技術を磨いているのですぅ」
「姫様の言うとおりだと思います。それに、何となくですけれども、これもジロー様自身の試練の一つなのかも・・・」
レイリアとイェスイが続けた。今は導く者イェスゲンは他の世界に行っているのか、元のイェスイに戻っていた。
「なるほど、そういう考えもありますね」
ミスズが妙に納得する。
「ありがとう、みんな」
ジローは少々照れながら愛嬢達に礼を返した。
「じゃあ、作戦会議といこうかねぇ〜。6人なんて、ジロー1人で十分なのに、全員でもなんて云われちゃねえ・・・、なんかジローが馬鹿にされたように感じてカチンと来たんだ、あたしは」
「そうですね。私も少し・・・」
アイラとルナが代弁したように、愛嬢達は、それぞれ程度は違えど怒りを内に秘めていた。それを解消する方法はミスズが代弁した。
「では、フィニッシュはジロー様としても、その前に前技でめろめろにして、6人ともジロー様なしでは生きられないくらいにしちゃいましょう」
「わーい。楽しみですぅ・・・ご主人様、レイリア頑張っちゃいます!」
レイリアの金色の瞳が妖しく輝いた。