女族隷属

3−8 三美乱舞

裏さびれた校舎の一角。
半地下のコンクリ剥き出しの廊下、パイプの配管が走り回り錆びた机やロッカーが積まれたその奥、古びた木製のドアが閉まっていた。
そこには…
「第5保健室」
剥がれかけたペンキでそうかかれている。
その傾きかけたドアの奥から、場違いな程の艶やかな嬌声が響いていた。

「あっあっあっあっ」
病的に白い体が、上下に激しくゆれ、それにワンテンポ遅れて大きな胸がゆさゆさと揺れている。
「きっ気持ちいい…あぅ…んんっ…ううぅん」
ギシギシときしむベッドの上、白衣をはだけ、下着を申し訳程度にまとった美女が小柄な少年に抱きかえられるようにしてズンズンと下から突き上げられていた。
半裸の体が揺れるたびに眼鏡からのびたチェーンがチャリチャリと音をたてる。
「あぅ…奥に…あたって…気持ちよすぎる…うぅ」
そういって、乱れた黒髪を頬に貼り付けるのは、この部屋の主、第5保健室の魔女とまで呼ばれた美貌の持ち主鈴掛麻耶だった。
そして、ベッドの上に胡座をかくように座り、背面座位で年上の美女を犯している少年が高梨正樹、中学2年生にして数多くの雌奴隷をもつ特殊能力の持ち主だった。
「あっあっ…あっうっうっうっ」
つい先ほどまで男性をしらなかった麻耶の秘所はずっぽりと根元まで正樹のペニスを咥え込み、膝をたてるような姿勢で自分から腰をふっていた。
「まっ麻耶さん、いいです」
「わっわたしもだ…あぅぅっ、そこっ…あぁっんんっ」
がくんっと背筋をそり返すと、麻耶は少年の肩にもたれかかるようにして、その顔にキスの雨をふらす。
ぐちゅぐちゅと淫液が交じり合い、結合部から流れ出る。
鈴掛麻耶はすでにセーターもスカートも脱ぎ捨て、ゆさゆさ揺れる大きなバストの上に白いブラジャーが引っかかっているだけだった。
その美体を下から抱き上げるように、突き上げる正樹もすでに服を脱ぎ捨て全裸になり麻耶の白くしっとりした肌を全身で味わい貪るように犯し続けていた。
「あっ、もうもう」
グラデーションをつけてカットされた黒い髪が体の揺れにあわせて、上下に頬を掠める。
「うっ…うっあっあっぁっっ」
「いいですよ、麻耶さん」
正樹は腕の中で柔らかく淫蕩にうごく白い肢体に自分の欲望を叩きつけるように抱き締める。
すでにシーツの上にはじっとりと淫らな染みがひろがり、二人の結合の深さを物語っていた。
「麻耶さん、舌だして」
「あぁ…」
年下の生徒の求めに応じて、麻耶は首をねじるようにして再度口を合わせると、まるで長年の恋人同士のように深く舌を絡ませる。
ぴちゃぴちゃと唾液が交じり合い、正樹が小刻みに腰を動かすたびにベッドが規則的にギシギシときしむ。
「はぁふぅう……んぐぅ」
びくっんと白い体が引きつると、いままでになく正樹のペニスがぎゅっと温かい肉の壁に締められる。
正樹以外を知らないその肉色の壁は、ねとついた無数のヒダを蠢かし、少年の精液を搾り取ろうと心地よい肉圧をかけていく。
「うっうう」
正樹は舌を吸いながら、その天性の名器の心地よさを堪能するようにゴリゴリと腰をおしつけ、先に感じるコリコリとした肉壺の入り口を小刻みにつつき回す。
「あひぃ、いいぃ、ぃ、ぅ、うぅ」
ガクガクとゆれる麻耶の白い体が必死に年下の主人にしがみつく。
「あっ、だめ、すごいよ、少年のが私の中で……はひぃ…いくううぐぅ」
どろっと流れ出る唾液が糸をひいて麻耶のゆれるバスト濡らし、恍惚とした翡翠の瞳は眼鏡の奥で瞳孔が開ききったかのように快楽に溺れている。
だが、麻耶を快楽の境地においやった愛しい肉棒はそれでも秘所を激しく突くことをやめなかった。
「あっまっまだ動くのか?……あうぅ」
「だって麻耶さんの体とってもエッチで…僕とまんないよ」
正樹には、腕の中の白い柔肌はひんやりとして、いくら欲望を吐き出しても際限なく吸い込む魅惑的な肉の塊のように思えていた。
「ふふ、そう言ってもらえると嬉しいが…ちょっと休憩を…うぐぅ…あぁ…こら、腰を動かすのを…あぁん…とっとめろと…あふぅ…言っている…だろ」
麻耶は正樹の腕に抱かれてぐちゅぐちゅと肉壺を責められながら、お尻をゆらして正樹に声をかける。
だが、正樹はにっこり微笑むと
「駄目ですよ、僕まだいってないですから…ほら」
ぎゅっと正樹は自分のそれで美女の肉壁を抉るように腰を捻る。
「あひぃ」
麻耶の目蓋の奥で火花の走るような衝撃がおそい一瞬意識が遠いていく。
「あぁ!麻耶さん、麻耶さん、気持ちいいよ」
「あぁ、駄目…これ以上されたら…おっおかしく…おかしくなってしまう…な、少年…もっと優しく…あひぃ」
「麻耶さん、気持ちいいぃ、いいよぉ」
だが正樹はまったく麻耶の言葉なんて聞いてはいない、ただ目の前の匂い立つ女の肉を征服する喜び腰を打ち震わせていた。
「はぅう…あぁぁ」
少年に下からガンガンつかれて汗と淫液をとばしながら首筋を舐められ麻耶はよがり泣く。
その激しい動きに豊満なバストの上に引っかかっていたブラジャーが弾け飛び、眼鏡のフレームから垂れ下がった金の鎖が今まで以上に速いリズムで鳴り響く。
ずちゅ、ずちゅ、ずちゅ、ずちゅ
「あっあっあっあっ」
ガクガク揺れる体に合わせて麻耶の喉から小さな切れ切れの声があがる。
ずん、ずん、ずん、ずん
「うううっ、麻耶さん、僕もう」
ぐっと正樹が体を丸めるようにして、汗にまみれる保健医の白い体を抱き締めると、激しい腰の動きがピタリととまる。
「え?しょ少年?」
それが意味することを知り麻耶が慌てる。
「うっ」
ドクドクドクドク
「あぁぁぁ」
正樹はなんの遠慮も無く美貌の保険医にザーメンを注ぎ込んでいた。
「ぁあぁぁっっ」
年下の少年に膣内射精されている。
麻耶は目を見開き、口から舌を突き出した姿勢でビクビクっと震えていた。
その美体はしっかり固定され、逃げ場の無い精液は一滴のこさず麻耶の体内に注がれていく。
「うっうっうっ」
ドクン ドクン ドクン
まるでとどめをさすように、正樹の腰が脈動に合わせてグイッグイッと行き止まりの奥に打ち付けられる。
「あっぁぁ、出てる、まっまた中に」
麻耶はその体の奥から染み渡るような精気に白い喉をさらして嬌声をあげ続ける。
やがて、正樹の濃くてたっぷりとした放出が収まると、二人とももつれ合うようにしてベッドの上に倒れこんでいた。

麻耶の体を枕にして、正樹が突っ伏していた。
「う〜〜ん、麻耶さん」
上をむいてもまったく型崩れしないその豊満なバストに満足そうに顔をうずめ、目を閉じながらむにゃむにゃと声をだす。
「たく、君は本当に自分勝手だな」
麻耶はすこし眉をひそめながら、それでも優しげに手を動かすと自分の上で胸を枕にくつろぐ少年の髪を撫でてやる。
それがこそばゆいのか、正樹は顔をゆすったりお返しに胸を甘噛みしてくるのだがその様子も麻耶にはいとおしくて仕方が無い。

まったく私はどうかしてる。
少年に胸を与えながら麻耶は自問自答していた。
おそらく今、自分が少年に抱いている気持ちの半分以上は彼の力によってもたらされた物だろう。
そう解ってはいるが止められないし…そして止める気も起こらない。
ただでさえ、年下それも一回りも違う相手に処女を捧げ、あまつさえ避妊もしないどころか……自分からねだってしまうとは…。
そうだ、相手は少年なんだ。
私がしっかりしなくてはいかん。
私は一応保健医なんだしな。

「あっあのな少年」
ごほんっと咳払いをしながら、自分の体の上でまどろむ正樹に声をかける。
「え?なんですか麻耶さん」
きょとんと胸の谷間からこちらを見つめる正樹の瞳。
その途端、麻耶は柄にもなくまた頬を赤く染めていた。
「そっその、このことなんだか」
いやが上にも、お互い裸でぴったりと抱き合っていることが意識される。
麻耶の体の上にある正樹の体、ちょうど太腿の部分に擦り当てられる固い感触。
そして子宮の中にたっぷりとだされた少年の精液。
「こうなったことですか?」
「そうだ…えっとだな、私としてはだな」
どくっんと麻耶の心臓が脈打つ
真剣に自分を見つめる少年の瞳。
その瞳の奥が心配そうに揺れている。
どんな美女でも思いのままにできる不思議な力。
そのくせ、自分の虜にした相手の言葉にこんなに動揺しているとは……
麻耶はなんだか肩からどっと力が抜けていくの感じていた。
くくくく、まぁいいか、広い世の中こんな関係があってもな。
悪くは無いな。

年上の美女は正樹の体を突然ぎゅっと抱き締めていた。
「まっ麻耶さん?…わっ」
「これからもよろしく頼むぞ、少年」
「はっはい」
真赤になって返事をする正樹。
「ふふふ」
その真剣な様子に麻耶は喉の奥でくつくつ笑ってしまう。
「ひどいですよ、麻耶さん」
「くくく、すまんな君があまりも可愛くてな」
笑いながら麻耶が体の上の正樹に鼻先を近づけた。
その時
その動きがピタリと止まった。
「??…麻耶さん?」
「いま何時だ?」
「え?…えと」
混乱して答えられない正樹を無視して質問者本人はすぐさま、がばっと顔をあげると、柱にかけられた時計をみつめる。
そこには短針と長針がちょうど180度離れて文字盤を指していた。
「こっこんな時間!いかん、少年はやく着替えろ」
「え?え?」
いままでの甘い語らいなんか一気に切り捨てる勢いで保健医は正樹を抱き締めたまま起き上がる。
「ほら、ズボンとシャツ、それをもって…シーツは換えんといかんな」
バサッと血と染みのついたシーツを引っぺがしだす。
「まっ麻耶さん?」
「説明は後だ、これ以上事態を混乱させたくなかったら急いで服を着ろ、後でシャワールームに連れて行ってやる」
早口でそういうと、シーツの端をつかんでたぐり寄せだす。
「でっ…でも」
正樹は突然の事態についていけず、ベッドの縁にたったたま両手で自分の衣服を抱き締めていた。
麻耶さん……自分も裸ってこと忘れているのかな…
正確にはホックの外れたブラジャーが大きなバスト上にひっかかり、足首に下着が丸まってついているってとんでもない格好なのだ。
「あっあの…何が?」
なにがなんだか、さっぱり解らない。
ぼんやりと声をだす正樹に、ベッドの上で挑発的な格好でシーツを剥がしていた保健医が振り返る。
「この時間にいつもここに来る奴らがいるんだ」
「え?だれなんです?」
だが、正樹のその質問に麻耶が答えるより先に、答えの方が自分から飛び込んできていた。
ガラッ
立て付けの悪い第5保健室のドアがなんの前触れもなく開け放たれる。
「ちわ〜〜、麻耶ぁご飯もってきたよ」
「麻耶さん、こんちわっ」
開け放たれたドアの向こうから現れたのは。
「かっ薫子先生!それに春風先生も」
そこには正樹の担任、沢木薫子と体育教官、春風弥生の姿があったのだ。
薫子は朝に別れた時と同じ、白のジャンバーにラフなスーツ姿。
春風はあいかわずアディダスの黒ジャージの上下を身に纏っている。
「ええ!まっ正樹様!そんな格好で…麻耶も」
「こっこれは…」
あんぐりと口を開いてこちらをみつめる薫子と春風。
それもそうだろう、自分の生徒にしてご主人様の正樹が裸で立ちすくんでいるのだ。
「……遅かったか、ふう」
シーツを畳む手を止めて麻耶が自分の秀麗な額を押さえてため息をつく。
その横で正樹はガチガチに固まって動きを停止していた。
「こっこっこれは…そっその…」
何か言うおうと思うのだが美味く言葉が口にでない。
あわわわっと舌だけが勝手に空回りしているようだった。
「ごっごめんなさい」
とりあえず、分けもわからず謝罪の言葉を口にすると後は怖くなり下を向いてしまう。
その正樹の耳に、ぴしゃりと扉を閉めると音とカツカツと床を鳴らす靴音が二つ聞こえてくる。
「麻耶ァ、どういうこと、私の大切な生徒を」
薫子先生の今までにないほど尖った口調、朗らかでくったくのない正樹の知る声とはぜんぜん違う。
「麻耶先輩、いくら先輩でもこれは許せませんね」
底冷えするような春風先生の声も正樹を恐怖に陥れる。
そうだ、僕がだめなんだ、あの時ちゃんと腕輪をとられるの拒否していれば…
僕のせいなんです。
そう麻耶の弁護をしたかったのだが、初めて聞く大人の女性の冷徹な声に体が振るえて上手に口が回らない。
ただ、下を向いて小声で「ごめんなさい」としか言えないのが現状だった。
「どういうことと言われてもな」
その時、正樹の立つすぐ後ろ、簡易ベッドの上から麻耶の気だるげでハスキーな声が聞こえてくる。
その声は、いままで正樹に甘えていた柔らかな物とは異なり、刺々しく聞く者の神経を逆立てするのに十分な口調だった。
「私の生徒に手をだしたのかって聞いているのよ麻耶!」
だんっと床を踏みつける音。
正樹はびくっと肩をすくめると目をぎゅっと閉じてしまう。
「麻耶先輩どうなんです?」
「くくく、まぁ、つまりこういことだ」
麻耶がそっとベッドから立ち上がると、硬直している正樹の首に背後から抱きついて頬に口づける。
「麻耶!」
「麻耶先輩」
二人の声が今まで以上に強い口調で保健室に響き渡る。
正樹はお腹をうつほど大きな声にさらに萎縮してしまうが、後ろから彼を抱き締める保健室の魔女はまったく意に介さない様子でさらに愛撫の手を広げていく。
「わかるだろ?二人とも私と同じなんだからな」
まるで蛇のようにチロチロと正樹の頬に舌を這わせながら麻耶は正樹の体を愛撫しだす。
「同じじゃないわ」
もう頭をあげることもできない正樹の頭上をいらだった薫子の声が突き抜けていく。
「同じだな、私も正樹に愛してもらっていたんだからな、さっきまで」
麻耶はねっとりと正樹の頬に舌を這わせ、まるで挑発するような雰囲気が背中からひしひしと伝わってくる。
麻耶さん何でそんなに……
正樹はじっとりと汗をかきながら俯いたまま必死で言葉を探す。
「正樹どういうことさ?」
その時、春風が詰問するように正樹に浴びせ掛けた。
「そっそれは…」
どういうも、こうゆうもない。
どっどうしたらいいんだろ。
中学2年の正樹にとってこんな修羅場はもちろん経験したことも想像した事も無い。
「あぁんもう」
その様子がじれったかったのだろう、薫子が唸るような声をあげバタバタと動くのが感じられ、正樹は更にぎゅっと顔をさげてしまう。
「くくく、私は少年の物なんだよな?こいつらに教えてやってくれ」
そう言いながら、正樹の肩に乗り上げるようになった麻耶の白い手がすっと股間のほうに伸びていく。
「あっ…!!」
脱いだ服を抱えたままの正樹の無防備なそこをひんやりとした指先が触れる。
「正樹様!」
「正樹」
耳に突き刺さるほど悲痛な二人の美女の声。
ダメだ!このままじゃ!
正樹は観念を決めると、ぎゅっと拳を握り締め、ついにガバッと顔を上げた。
「みんな、やめてください!全部僕が悪いんで…す…?」

「……あれ?」
だが、そこには正樹の予想した光景はなかった。
「なっなんですか?その格好!」
そうそこには、全裸になった薫子先生と春風先生がモデルのようにポーズを決めて立っていたのだ。
「なっなんで服を着てないんですか?」
唖然とする正樹を見ながら、二人とも抜群の美体を微妙に両腕で隠しクスクスと笑って立っている。
「あは、やっと気がついたのね、ご主人様ぁ」
つんとピンク色の乳首が尖った超爆乳をおしげもなく晒す抜群のプロポーション、沢木薫子がそっと正樹の右脇から抱きついてくる。
「まったく、これくらいでびびってたらあたしの主人は務まらないぜ、正樹」
ぎゅっと引き締まって鍛えられた魅惑の肢体、春風弥生が正樹の左腕をからめとり頬に口付ける。
「くくく、でも震える少年も健気でなかなか可愛かったぞ」
そして、病的なまでに白い肌の妙齢の美女、鈴掛麻耶が正樹の口にそっとキスをする。
「んぐ……なっなっこっこれは…騙したんですか?」
正樹の顔が青から赤へと劇的に変化していく。
「えへへ、ちょっとしたおふざけよ」
うにゅっと一抱え以上もある大きな胸を擦りつけながら薫子が正樹の耳に舌を這わせる。
その心地よさに思わず抗議の言葉も忘れて正樹はうっとりと目じりを下げてしまう。
「それにさ、あたし達に内緒で奴隷を増やしてるんだもんな、まぁ正樹がペットをどう扱うかは自由だけどさ」
弥生がその日焼けした腕を正樹の腰にすっとまわすと今まで以上に密着して、くちゃくちゃと耳たぶを甘噛みしだす。
「本当ね、まさか麻耶を新しい奴隷にしてるなんてびっくりしたわ、正樹様」
「それに関しては、虜になった私自身も驚いている…後悔はないがな」
正樹の背後にいた麻耶も二人に負けない勢いで抱きついてくると、ぴったりとその柔らかい肌を重ねて少しでも多く抱きつこうとしてくる。
「あっ…あの?怒ってないの?」
三人の美女の甘い香りと例えようもない柔らかい肉感触に包まれて夢見心地で正樹は答えのわかりきった質問をする。
「怒るわけないでしょ、正樹様」
「あったりまえだろ、正樹」
「当然だ、少年」
三者三様だがまったく同じ内容の即答が超幸せ者の少年の耳に心地よく響いていた。


時間はさかのぼること、少し前。
薫子と春風が部屋に踏み込んだ時。
二人の侵入者はベッドの上の半裸の保健医と、その前で呆然と立つ愛しい主人の姿に何がおこったのか瞬時に理解していた。
もともと、薫子と麻耶は学生のころからの大親友といっても問題のない間柄、お互いのことは肉親よりも良く知っているかもしれない程長い付き合いだったし、春風も大学の頃に二人と知り合い、この学園に後から就職してからも仲良くしている関係だった。
そんな三人はよくこの寂れた保健室で昼食を交代でつくって食べることがおおかったのだ。
そして、今日も昼休みを過ごそうと第5保健室にやってきて今回の事態にでくわしたという訳だった。

「ごめんなさい」
そんな三人の教師の目の前で早とちりした正樹が下を向いて謝りだす。
相当動転しているのだろう、自分を見つめる美女達の瞳にいたずらっ娘のような光がやどったことにはまったく気がついていなかった。
その途端、三人はすばやく視線を交わらすとアイコンタクトで了解を取り合う。
さすがは長年の友情の成果だ。
「麻耶ァ、どういこと、私の大切な生徒を」
(麻耶ぁ、ご主人様を独り占めはだダメよ)
薫子先生の今までにないほど尖った口調を意識してだしながら、もって来ていた弁当箱をそっとテーブルの上におく。
「麻耶先輩、いくら先輩でもこれは許せませんね」
(そうです、私達も混ぜてもらいますよ!)
春風も極力冷めた声をだしながら、それでも顔がにやつくのをやめられない。
その声にびっくんと反応する下を向いた自分の主人が可愛くてしかたがないようだ。
そんな正樹は下を向いて小声で「ごめんなさい」をくり返している。
「どういうことと言われてもな」
(あと一回ぐらいだめか?)
簡易ベッドの上から麻耶が気だるげな声をあげながら、眼鏡の奥で面白そうに翡翠色の瞳を輝かせる。
「私の生徒に手をだしたのかって聞いているのよ麻耶!」
(だめ〜〜、もうあたしだって我慢できないんだから!)
だんっと床を踏みつけながら薫子は白いジャンバーを脱ぎ捨てていた。
正樹はびくっと肩をすくめると目をぎゅっと閉じてしまう。
ふふふ、可愛い、ご主人様!
薫子は抱きつきたくなるのをぐっと我慢して、脱いだジャンバーを床に落す。
「麻耶先輩どうなんです?」
(あ、薫子さん服ぬぐんですか?じゃわたしも)
春風もそう言いながらジャージの裾に手をかけるとぐいっと脱ぎ捨ててしまう。
「くくく、まぁ、つまりこういうことだ」
(ふ〜ん、でわ、私はお先に)
麻耶がそっとベッドから立ち上がると、硬直している正樹の首に背後から抱きついて頬に口づける。
「麻耶!」
「麻耶先輩」
(卑怯!正樹様に抱きつくなんて!麻耶のやつぅ!)
(ずっこいです!麻耶先輩!)
二人の声が今まで以上に本気になると保健室に響き渡る。
なんせお芝居をしていたのに麻耶がフライングをはじめたのだ。
だが、この本気の声の響きに正樹が蒼白になりながら俯いたのを感じた麻耶は更に調子に乗り出す。
「わかるだろ?二人とも私と同じなんだからな」
(くくく、目をつぶっちゃって、ほっぺも舐めてやろう)
まるで蛇のようのチロチロと正樹の頬に舌を這わせながら麻耶は正樹の体を愛撫しだす。
「同じじゃないわ」
(ちょっと次あたしだからね!麻耶ぁさっきまで愛してもらったんでしょ?)
薫子はいらだった声をあげながら、いそいでブラウスのボタンに指をかけて外していく。
「同じだよ、私も正樹に愛してもらっていたんだからな、さっきまで」
(だめだな、早い者勝ちだ)
麻耶はねっとりと正樹の頬に舌をはわせ、まるで挑発するように微笑みながら、わざと少年の小さな背中にボリュームのあるおっぱいを擦りつけてやる。
「正樹どういうことさ?」
(麻耶先輩、やりすぎです!どういことです?)
春風の目線が詰問するように麻耶に浴びせ掛けられる。
そう言いながらも、きゅっと引き締まったヒップゆらしてジャージの下を足首までおろすと、替えに履いたベージュのパンツルックになる。
「そっそれは…」
実は俯いた目の前で、年上の美女二人が次々と着衣を脱いでいることなんてまったく気がついていない正樹はしどろもどろの声をだしている。
「あぁんもう」
(あん、ブラのホックが外れないぃ)
薫子が唸るような声をあげ背中に伸ばした腕をバタバタと動かす。
「くくく、私は少年の物なんだよな?こいつらに教えてやってくれ」
(くくく、少年見せてつけてやるかな)
正樹の肩に乗り上げるようになった麻耶の白い手がすっと股間のほうに伸びていく。
「あっ…!!」
脱いだ服を抱えたままの正樹の無防備なそこをひんやりとした指先が触れる。
その時、
「正樹様!」
「正樹」
二人の美女は声をあげながらそれぞれ腰にひっかかったショーツを迷うことなく足首から抜いていた。

そして……
「みんな、やめてください!全部僕が悪いんで…す…?…あれ?」
何も知らない正樹が一大決心で声を張り上げて顔をあげたのだった。

「ひどいですよ、先生達」
とほほっと美女に抱きつかれながら正樹が疲れきった声をだす。
まぁ自業自得とはいえ中学二年でこれほどの修羅場を体験することはそうそうないだろう。
「あはは、でもねちょっち腹がたったのは事実よ」
右頬に唇をすべらせながら、薫子が甘えた声をだす。
「あたしもだ、このままペットが増えつづけたらあたし達を可愛がってくれる時間がなくなっちまう……んっ」
左耳に舌を這わせていた春風が正樹の指を強引に自分の引き締まった太腿に挟みつける。
腰の位置が驚くほど高いため正樹の腕にさわさわと揺れる陰毛にあたり、その下の湿気を帯びた秘所のぬくもりを伝えてくる。
「増えつづけるなんて、そんなんことないですよ…多分」
正樹は自分のことながらはっきり断言できずに思わず最後の方は小さな声になってしまう。
「くくく、正樹は思ったより凄いスケベだからな、放っておいたらこの広大な学園全てを虜にしかねんな」
まるで楽しい冗談を言うようにくつくつ笑いながら麻耶がクールな声をだす。
「そんなスケベって…そんなことないです」
正樹がどういいわけしようが実際、この一日で5人も手篭めにしてしまっているのは事実だ。
「ご主人様のす・け・べ」
薫子は犬のようにくんっと鼻を鳴らしながら、ぺろっと少年の頬を舐める。
「他にもどんどんペットを作るのはご主人様の自由ですけど、しっかりあたし達を可愛がってくださいね」
「うんうん、まったくだ、あたしなんてもう1時間も放っておきにされたんだからな」
ぎゅっと左右から抱きつく美人教師たちに身を任せながら正樹は、はうっと幸せなんだか不幸せなんだか解らないため息を吐いていた。
「まぁせいぜいがんばることだな少年…あぁそうそう、私の世話も忘れるなよ」


誤字脱字指摘
12/2 mutsuk0i様 2/1 TKX様 2/22 Joker様 2/23 あき様
ありがとうございました。