「カーライル!」
奥のデスクから男の怒鳴り声が響き渡る。
その声に、デスクについていた様々な人種の男たちがビックと肩をふるわせて、背の低いすりガラスで覆われた自分達の上司のデスクを覗き見た。
「○×署 特殊捜査班」
堂々としたプレートの掲げられた大きめのデスクに座る恰幅のいい黒人男性が、目の前に起立する部下に怒鳴り声をあげる。
「カーライル!貴様わかっとるのか!なんでちんけな万引き犯一人捕まえるのにパトカー2台つぶさないかんのだ!あぁ!」
「はぁまぁ」
青筋たててどなる上司の言葉に、誠意なく答える部下。
「いいか、カーライル!お前は女のクセになんでそうもめごとばかり起こしてくれるんだ!」
「お言葉ですが女のクセには、セクハラですよカチョー」
「うっ」
じろりと禿げ上司を見つめる切れ長の瞳。
そうデスクの前で堂々と上司の怒りの矛先を向けられているのは私服の女性刑事だった。
それもすこぶるつきの金髪美人だった。
知的な輝きをはなつ冷たい青い瞳に、すらりと伸びた鼻筋、雪のように白い肌、軽くウェーブしたセミロングの艶やかなブロンド。
年のころは20代後半だろうか、成熟した大人の色気を漂わせる抜群のスタイルがビシッとしたフォ−マルなスーツを着こなしている。
なにより目を引くのは、そのスーツの胸元を砲弾のように押し出している大きなバストだった。
「ふん」
椅子に座る上司をのぞきこむような長身は鍛えられた俊敏なバネを隠し持つ女豹のような雰囲気をはなっていた。
彼女の名前はステラ・カーライル、○×署でも猛者揃いでしられる特殊捜査課の私服刑事のひとりだった。
そして猛者揃いの課のなかでも特に有名で危険な刑事の一人でもあった。
曰く「○×署の女リーサルうえぇぽん」「犯人逮捕にいかなる犠牲もいとわない…」は言い過ぎだが実際、彼女の捜査は犯罪すれすれのとんでもない物だった。
「いいかぁ!なんでコンビ二強盗一人捕まえるにパトカー2台つぶすほどの大捕り物しなきゃならん!…しかも民間の車を無断で使用したそうだな」
「いいえ、ちゃんと了解をとって快く協力してくださいました」
しれっと答える美女。
「ほうぅう、拳銃つきつけて車を奪うのが君の言う協力かね?」
課長の額で血管がブチブチ浮かぶ。
「さぁ聞き間違いでしょう?」
ふんっとスーツを盛り上げるほど豊かなバストの下で腕を組んでステラはあさっての方向を向く。
「馬鹿いえ!うちの署でそんなドラマみたいなことするやつはお前だけだ!」
「ふん」
真赤な唇をゆがめて鼻先で笑い飛ばす。
「それに今朝痴漢を電車で捕まえたそうだが、締め上げた腕が複雑骨折だったそうだ…始末書な」
「そんな!あれはあいつが抵抗したから」
「あとな、先週の放火殺人の件で担当刑事があいたいそうだ、なんで消防車で街中をカーチェイスしたかな」
課長の禿げ頭の血管はすでに5、6本切れていた。
「ふん、わかったわよ」
どちらが上司かわからない挑発的な声でステラは怒ると、くるりと後ろ向いてヒールを鳴らしてカツカツ歩き出す。
「あ、まて!それとだな…」
「何よ、まだあるの?」
その表情は「それ以上何かいったら残った毛を毟り取るわよ」っといわんばかりに睨みつけている。
「いや、そのだな」
課長はその壮絶な美貌にビビりながら、なぜか無意識に自分の頭を手で覆う。
ほんとにやられたことがるのかも…。
「だから何?」
「あぁ、実はなお前に新しい相棒がつくことになったんだ」
課長が喉の奥から搾り出すように冷たい視線に耐えながら声をだす。
「そう、それで誰と組めばいいの?マイク?あ、あいつはこの前からケーサツ病院か?ならスティーブかしら?違うの?じゃイイダ?まさかチェン?」
だが、カーライルが思い出す刑事の名前全てに課長は首を振りつづける。
「んん?じゃあ誰なのよ」
ぐいっと形のいい眉をあげてステラがにらむ。
「それは…あいつだ」
課長が指差した先はステラのすぐ後ろだった。
「え?」
セミロングの髪をゆらしてふりかえったそこには。
見慣れない青年がたっていた。
「だれこれ?」
ポカンとした彼女の声に課長が嬉しそうに答える。
「ルーキーのヤマダ君だ」
「ルーキーだぁ?」
「新人だよ、さあ君あいさつしなさい」
課長が手招くとアジア系の青年がこちらに歩いてくる
「あ、よろしく、タロウ・ヤマダです」
「……よろしく」
ステラは青年の無邪気さに毒気を抜かれたような返事を返してしまう。
この荒事の多い、というか荒事専門の部署に配属される男はたいていごつく熊のような野郎か、蛇のように陰険なニヒルを気取る奴って相場はたいていきまっていた。
そして、その男の全てが全て一例にもれず、みながステラの美貌と抜群のスタイルにくぎ付けになり力ずくでもことに及ぼうとしてくる。
まぁ、その全員がステラ流のきついお仕置きで彼女の力をしることになるのが、この課の年中行事の一つでもあった。
だが目の前の青年は、まったくそのタイプとことなっていたのだ。
「あの、どうしました?」
「いっいえ、なんでないわ、ところで君ほんとにうちに配属されたの?交通課じゃないの?」
「ちっちがいますよ、僕ここに今日付けて配属されました、ヤマダです」
「そ、そうなの…ホントに?」
おさない顔立ちに線の細い体、おそらく運動神経ってものは感じられない。
スーツを脱いだらおそらくティーンエイジャーでも通るかもしれない。
「本当ですよ、これからよろしくお願いしますねカーライルセンパイ」
にこっとまるで花の咲いたように笑うと青年、ヤマダが手をさしだす
「えぇ」
おもわず年下の弟ができたような気分になりステラは柄に無く愛想笑いを返しながら、手をにぎりかえし、格闘技のかの字も知らないだろう、その柔らかい手のひらの感触に驚いていた。
「ヤマダ君、それじゃ君デスクを整理してきたまえ」
課長が満足そうにそう指示すると。
「はい!」
玩具の兵隊のような、ぎこちない敬礼をかえしてヤマダはスタコラ喧騒に包まれたオフィスに消えていく。
残された美貌の私服刑事とその上司はぼんやりとその姿を見送っていた。
数分後……
「カチョ〜〜〜〜」
我に返ったステラがバンとデスクを叩いて、その整った顔をはげ親父につき寄せる。
「どういことです?あれは何?何であたし?ねぇ?」
鼻先がひっつくほど顔をよせる。
「まぁその彼のお父上からの頼みでな…どうしても現場の刑事になりたいそうだ…そのぉあれだまぁ政治的都合というかな?わかるだろ?」
「わかりません」
絶対零度の冷たい眼差しが降り注ぐ。
「彼の父上はだな、△○党のヤマダ総裁なんだよ」
「あの与党の大物政治家のですか?」
たしか、この前の収賄事件でも名前があがったが結局検挙されなかったやり手の政治家だ。
「そうだ、そのご子息たっての希望でな、周囲の反対を押し切り警察官になられたそうだが、いいかくれぐれも無理はさせんでくれよ」
それを聞いたステラの眉がまたぐんぐんとつり上がる。
「無理をさせるな?ここをどこだと思ってるんです?現場捜査の最前線ですよ!それをあんな子供のわがままで!警察官でよければ交通課とか総務とか他にあるでしょ!」
ダンっとテーブルを叩くと、ガタリと課長の名札がデスクからおちる。
「いや、カーライルのいうことももっともなんだが…本人たっての希望でな、上からの圧力もすごし、ここは君に新人教育を一任しようと思ってな」
つまりはていのいいスケープゴートってことだった。
もし件のヤマダがトラブルを起こしたり、怪我でもしたらステラごと責任とらせて首にしてしまおうって言うのがこのヒヒ爺の手だろう。
「くっ」
ステラは舌打ちしながら、課長のデスクの上のお茶をもちろん無断でぐいっと飲み干す。
「他にも、適任者はいるんじゃないの?マイクなんてどうよ?」
「お前のせいで警察病院だ」
「う…じゃあガストンさんは?」
「今、麻薬がらみの調査で麻薬局と合同調査ででばってる」
「じゃあじゃあ…」
ステラは必死でいくつかの名前をあげるが、どれも都合よく手一杯となっていた。
「みんな暇じゃなんだよ、そんなわけでカーライルよろしくな」
「そっそんなぁ〜」
それがほんの数日前のできごとだった。
「まったくなんで、あたしが」
ぶつぶつと文句をいいながら麗しいおみ足がカツカツと地下の駐車場をあるく。
あれ以来署内では古株にはショタ好きだとか、馬鹿にされるわ、女の子の後輩たちからはあらぬ噂をたてられる等、ロクなことがなかった
「ホントにもう」
軽くため息をつきながら手早く一台の覆面パトカーにのりこむ。
その時
「いやぁセンパイ歩くのはやいですね」
助手席がひらくと年若い件の新人君が乗り込んできた。
「君が遅いのよ」
ステラはその顔を見もしないでクラッチレバーに手をやると車を急発進させる。
もちろん、ヤマダがシートベルトをしたかなんて確認するわけがない。
「うわぁ…イタタって頭打っちゃいましたよ」
「そう、良かったわね」
まったく興味のない声でステラは答えるとさらにアクセルを踏みしめる。
ガコンっとまた新人の頭があらぬ方向にひっくり返る。
「あははは、僕どんくさいから」
新人、ヤマダはそれでもめげずにのんきに笑うと助手席に座りなおす。
この数日、ステラは彼女なりにヤマダに部署を転属するようアドバイスしてきたつもりだ。
それとなく話をふったり、わざとパシリのような仕事を与えてみたり、いまのような無言の圧力も。
だがそのどれもが空振りに終わっていた。
「どうしました?先輩?」
のんびりとした声がいつも通り聞こえてくる。
そう、図太いというか、なんにも考えていないこのノーテンきなボンボン新人にはまったくわかってないようだった。
「たくっ殉職してからわかっても遅いのよ」
「え?どしたんですか?」
「なんでもないわ」
ステラはイライラしながらタイヤを鳴らしてカーブをまがると、警邏とは名ばかりの公道レース張りの運転をくりひろげていた。
こげたタイヤの匂いに、唖然とする市民の顔が光の速さで窓の外を通り過ぎる。
「ひぃ、あのセンパイ、今日はいつにもまして飛ばしすぎじゃ」
新米、ヤマダがシートベルトを握り締めながら話し掛けてくる。
「いいのよ、あたし達刑事よ、それが法定速度まもって犯人取り逃がしたらどうするの?」
「だだだって、いま犯人いない……」
「何か文句あるの?」
冷たいことで有名なステラの声がさらに底冷えたものになって響く。
この数日で自分のおかれた立場はわかっていなくても、ステラの怖さだけは身にしみて勉強していたヤマダは震えた声をだす。
「いっいえ、何でもないであります」
ヤマダにとって、家に出入りする父親の知り合いのその筋の人たちより、この美貌のカーライル先輩のほうが百倍怖かった。
「わかればいいのよ」
ガコンっとクラッチをすべらすと更に車はスピードをあげて市街地を突っ走りだす。
ヤマダはもうなにもいわず椅子にしがみ付きながら自分のセンパイを見つめていた。
すごい怖いけど…美人だった。
ぱりっとしたスーツをシンの強い美貌の金髪碧眼の上司。
スリットのはいったタイトスカートの端からチラリとストッキングに包まれた美脚が動き、マニキュアを塗った白い手が踊るようにシフトレバーをシフトさせている。
「ごくり」
おもわず鳴ってしまった自分の喉の音にヤマダはびっくりしていた。
まぁ、さすがにこんな美女と一緒にいてヘンな気分にならないほうがおかしいだが、その本性の一片しっているヤマダはもし手をだしたら後がどうなるかと思うと、冷たい汗をながしていた。
その時
『ピーピーピー』
足元も無線機が無粋な音をたて、スピーカーから連絡が流れ出す。
『○△□エリアの凸凹銀行支店の駐車場で不信な乗用車があると付近の住民から通報がありました、付近を警邏中の』
「○×35号車了解」
みなまでいわさずステラは無線機に告げる。
「いくわよ!」
「え?」
ギュルルルルル
車が路側帯を乗り越えてUターンすると急加速とともに白煙を吐きながら法定速度の3倍で走り出していた。
「おかしいわねぇ」
「ですねぇだ〜〜れもいません」
銀行の駐車場にはだれもいなかった。
しかも銀行の玄関口にも人影すらないし、いつくかの窓のそばにもまったく人の気配がなかった。
通報にあった不審者どころか銀行の職員すらみえかけないのだ。
「そうだ、全員昼ご飯たべにいったとか?」
「んなわけないでしょ」
二人は壁沿いにゆっくりと銀行の通用口のほうに忍び寄る。
「あの?なにかあるといけないの応援とか呼びます?」
「まだよ、現場の確認が先」
「はぁ」
ヤマダはビクビクしながら、なれた様子でストーキングするステラのはりのあるヒップの後をおいかける。
「う〜ん、いい?あたしが表のほうを見てくるわ、君は裏口のほうにまわってくれる?」
「はい」
二人が左右に散って数十秒後。
ステラは壁沿いに歩きながら、銀行内の様子を窓際からチラリとのぞいていた。
だが、なかはまるで休業日のように、人っ子一人おらず、もぬけのから状態だった。
「おかしいわねぇいったい何が」
その時
「せんぱ〜い」
後の方から情けない声が響いてくる。
「どうしたの?」
ふりむくステラ。
そこには半泣き状態で両手をあげて立つヤマダ。
そして、その後頭部に猟銃をつきつける覆面の大男。
「この人、銀行強盗だそうです」
「見りゃわかるわよ!このバカ!」
こうして二人はめでたく人質の仲間入りをしたのだった。
二人は両手を上に挙げたまま銀行内に連れ込まれていた。
「さあて、おまえらサツらしいなぁ」
男が、げひた笑いをあげながら声をだす
「なっなにを言うのよ、私たちは」
ステラがきっと目を開いてなんとか誤魔化そうとする。
「こっちの若いのが教えてくれたぜ」
「あっあんた!」
「だっただってぇ何してるんだ?って聞かれたから」
もう涙目で答えるヤマダ。
「だからって覆面して銃持ってる男にほいほい答えるな!」
「でも、僕は自分の職業にほこりを」
「君ってやつは!ほんとにもう!何考えてんのよ、このバカ!!」
首をすくませるヤマダにかみつかんばかりにステラが怒鳴りかかる。
ズドーーン
突然の銃声におもわず飛び上がる二人。
「おい、おめえらオレを無視するんじゃねぇ」
天井からパラパラとほこりが舞い落ち、銃口からうっすらと煙が立ち昇っている。
「ちっオレは無視されるのが嫌いなんだよ!わかったらおめえらそこに座れ」
ギラリと光る銃口ににらまれ、二人は床にひざまずく。
「くくく、まぁいいや、オレはオレの恨みを晴らすだけだ。オイ拳銃もってるだろ、だせよ」
ヤマダはすぐさま、拳銃をとりだすと床において、あさっての方向にすべらす。
「あの、センパイ…」
「わかってるわよ」
ステラは犯人をちらりと見ながら、牽制するように脇のホルスターに吊るしたリボルバーを床においた。
「うへへへ、それでいい、おぉそうだお前らにも見てもらうとするかな」
そういって犯人の男が二人を銃で小突きながらカウンターの奥に引き入れる。
「!」
そこには荒縄でしばられた銀行の受付嬢らしい二人の女性が転がされていた。
「んんん」
「ううぅたすけて」
大手銀行の窓だけあって、一人は少し小柄のセミロングおとなしめの白人系、もう一人はややきつめの長い黒髪のアジア系、どちらも美人の分類に入る女性だった。
二人とも、薄いピンク色の制服がビリビリに破かれ、縄でその胸や足を強調するように縛られている。
しかも、こちらを見つめる二人の顔にはびっしょりっと白い白濁液が滴っていた。
ついさっきまでこの二人が犯人から陵辱を受けていたのは間違いないだろう…
「うううう」
おとなしめの受付嬢のほうはすでに茫然自失といった感じで泣き崩れている。
長い髪のほうは男性のヤマダに見られたくないのか、両手を後に縛られたままで床の上で身悶えている。
「あなた何を!」
あまりの光景に、くってかかろうとするステラの鼻先にガチャリと銃口が突きつけられる。
「この娘どもは、オレを田舎モノだと思っていっつもバガにしてた!毎日毎日通ってやったのに、ぜんぜんオレのことを相手にしようとしねぇ、それどころか!気持ち悪いとかいいやがって!だからオレのあつ〜い思いを教え込んでヤッテルのよ」
「あんたそりゃストーカー」
ズドーン
余計なことだけ口走る新人の鼻先をかすめて銃弾が飛ぶ。
「ひぃいいいい」
腰を抜かして床にへたりこむヤマダをみて男は下品に笑うと手近にあった椅子に腰をおろした。
「そうだ、あんたらにもじっくり見てもらうかな、オレの雌奴隷達でもな、ほら教えたとおりご挨拶だ!」
男が怒鳴りつけると、床に這っていた二人の女がビクリと白い体を震わせ、やがてゆっくりと床を這いながら椅子に座る男の足元ににじり寄っていく。
「くくく、こいつらにはさっきちゃーんと仕込んでやったんだよ奴隷の心得をな!さあ舐めろ」
男は器用に片手で股間からいきり立った一物をデロンとだす。
「ううぅ」
セミロングと長い髪の二人の受付嬢は涙ぐみながらも男の足をはって、左右からその一物に舌をのばし、おそるおそる奉仕を始めだした。
「どうした、心がこもってないぞ、教えた通りやらんか!さもないと」
男がガチャリと銃を震わす。
その音だけで、二人の奴隷はビクリと体を震わせ今まで以上に濃厚に愛撫を始める。
ぴちゅぴちゅぴちゃ
湿った唾液の音と微かな喘ぎ声。
二人とも両手を後手に縛られているために、椅子に大股開きで座った犯人の両膝にもたれるようにして必死にフェラチオをつづける。
「あうぅんんん」
「うぅ、ちゅ、んん、うぐぐ」
破られた制服から突き出したバストを男の足に擦りつけ、ビンビンに勃起したナニに必死舌を這わしている。
「くくくほら雌豚ども挨拶はどうした?」
男は自分の股間に顔を埋めるセミロングの方の髪を撫であげる。
びくっんと小柄の肩が震えるとやがて搾り出すような声が小さく漏れ出した。
「わっわたしメイ・セインスは、貴方様の雌豚です、どうか卑しい奴隷のメイを、たったったくさん…お…犯して…くだっさい、ううぅ」
「くくく、いいぞ」
男は満足げに頷くとメイと名乗った小柄な受付嬢のぱっちゃりした唇を無理やり自分の睾丸におしつける。
ちゅるくちゅくちゅ
もう何度も舐めさせられているのだろう、メイはその異臭を発する肉の袋を口の中に含み唾液とからめだした。
「おい、次はお前だ」
「ひぃ」
更に男は左側にいた長い黒髪の受付嬢の髪をつかんで顔を上向けにさせる。
「お前はとくに生意気だったからなぁ、ほら挨拶だ」
きっと一瞬犯人を見つめたその瞳も、男の振り上げ拳をみるとおびえた小動物のようになり、やがてあきらめたように口を開く。
「わたしレイコ・ハワードは、あ…貴方様の雌豚です、どうか卑しいレイコをたくさん犯して…ください…これで…これでいいでしょ?」
最後の方は消え入りそうな早口いっきに言い切ると、勝気な瞳が下をむいて震えだす。
「いいですかだ?」
「ひぃ…はい、これでいいですか?」
ビクンと振るえて早口に言い直す
「よし、吸っていいぞ」
男は満足げに頷くと、その黒髪をひっぱって怒張する男根の上に顔を引きずり上げる。
「ううぅ」
レイコと名乗った受付嬢は、メイよりたわわなバストを縄で絞り上げられ呻き声をあげる。
「ほら、どうした?」
「はい、いただきます」
レイコは何度がためらったあげく、真赤なルージュをぬった口を大きく開くと亀頭を飲み込んでいく。
「うぐぅう、げぇええぇ…ううう」
美貌を歪め吐き気と戦いながら、それでも口の中に含んだ男根を吐き出そうとはしない。
もし、吐き出したりしたら……
頬を伝う涙と唇と男根の間から落ちる唾液が肉鞘を伝わり、下で玉袋をしゃぶるセミロングのメイの頬に滴り落ちる。
「ほら、もっともっとだ!オレは大事なお客様だぞ!」
調子にのった男が無造作にレイコの黒髪をつかむと、その小さな頭を無理やり前後にゆすりだす。
「うぐぐぐぅ、むぅううううむううう」
レイコの口元に醜い肉棒が何度もではいりすし、ガクガクと力のない人形のように頭がゆれ、綺麗な髪の毛を汚すように唾液と迸りが唇の間から吹き出す。
「ほら、雌豚メイちゃ〜ん、玉もちゃんとすえや!」
「ふぁ、ふぁい」
あわててセミロングのメイがブラブラと揺れる玉袋を小さな口いっぱいに含むとちゅるちゅると吸い出しだす。
「うぐ、うぐ、うぐ、うげぇ」
「んん、ちゅるちゅる」
二人の苦しげなしかし、淫蕩な喘ぎ声をききながら犯人の男は満足そうに背もたれにもたれかかり、気持ちよさげに目を細める。
その時
「ねぇヤマダ、いい?あいつがいったと同時に隙ができるはずよ、それを狙うわ」
今までじっと下を向いて従順なフリをしていたステラが小声で頼りない相棒に囁きかける。
「……」
しかし、その相棒から返事が無い。
「ねぇヤマダ」
「……」
そのヤマダはまるでとり付かれたように目を見開いて二人の美女の狂態を見ている。
しかも口を半開きにしてポカンっんとしたその表情!
(こっこいつは!この非常時に!)
ステラはその足にぐいっとヒールの踵をおしつける。
「!!」
「ヤマダ、いい、隙をねらうわよ」
「え…はっはい」
ようやく幻惑から覚めたようにヤマダがステラに注意をもどす。
「聞いてる?私があいつの銃を奪うから、あんたはあの女の子たちを逃がすの、いいわね」
「わっわかりました」
さらりとした前髪のかかったステラの瞳がギラリと冷たい光を放つ。
そして、それと対照的に…
ヤマダの瞳はピンク色の靄がかかっていた。
「ううぅいいぞお前ら、そろそろオレの子種汁をたっぷり飲ましてやるからな」
「むぐぅうう」
「ううぅ」
二人の半裸の受付嬢は、口の端から唾液の泡を垂れ流しならも、それでも恐怖に怯え必死に肉棒にむしゃぶりつく。
「ううぅいいぞ」
男はレイコの黒い艶やかな髪を片手でガッチリ掴むと口の奥にむかって腰を叩きつける。
「ひっひぃい、うぐうう」
びゅくびゅくどくどくどく
男の体が何度も小刻みに痙攣し、レイコの唇に埋め込まれた肉棒の間から、だらだらと濃いザーメンが溢れ出す。
「ふぅたっぷり…」
「今よ!」
「はい!」
二人の刑事が床からだっと立ち上がろうとした。
その鼻先に!
ガチャリ
猟銃の先が突きつけられていた。
「………」
「へへへへ、オレはそんなバカじゃねえぜ、ううぅ」
股間に顔を埋める女の口の中に射精をしながら、犯人の濁った瞳は美貌の女刑事を睨みつけている。
「ふいぃいいい、気持ちいいいぜぇ」
最後の一滴までレイコの口の中に搾り出すと片手で押さえつけていた黒い髪を離す。
とたんにレイコはずぼっと喉の奥までつっこまれていた肉棒をはきだし、床にしゃがみこむ。
「うげぇぇ、うううぅごぼ…ううぅ」
美貌を歪ませ喉の奥からダラダラと精液を床に吐き出す。
「ちぃ、ちゃんと飲めっておしえてあるだろうが雌豚がぁお前にはまたきつ〜いお仕置きだな」
「ごほ、ごほ、むせてしまって、あぁ申し訳ありません、ですからですからぁひいぃい」
男は椅子から立ち上がると、むせ返るレイコの顔をぐいっと床に押さえつける。
「オイ、いいかまずはその床に吐いたの全部綺麗に舐めとっとけ」
「はっはい」
お仕置きがそうとう怖いのか、レイコは長い黒髪を汚しながら床に口づけるとじゅるじゅるとすすり出す。
「それと、雌豚のレイコだけじゃなく、そこのサツどもにもお仕置きがいるよな」
げへへへっと笑いながら男は猟銃を構えなおす。
「なっ何よ」
ステラはその視線におもわず豊かな胸元を押さえる。
「心配すんな、オレはお前みたいなじゃじゃ馬女は好きじゃねぇ、だけど、そのスケベそうな体には興味があるな」
「くぅ」
下唇を噛み締めるステラ。
「そうだなぁ、おいそこの若いの」
「僕ですか?」
キョトンと自分をさすヤマダ。
「そうだ、あんたみたとこその姉ちゃんの部下だろ?どうせ日頃からこき使われてるんじゃないか?」
「いや僕はまだ配属になったばかりで」
律儀にこたえる。
「いや、いいんだ、皆までいうなや、日頃の鬱憤晴らさせてやるよ、お前ここでその上司を犯せ」
『えぇ!』
ステラとヤマダの声がはもる。
「はやく犯せ」
ガチャリと猟銃がなる
「…わかったわ、ヤマダさあ」
そっと目を伏せながらステラがヤマダの薄い胸元に身をよせる。
「え…ええぇ?なっなに?」
慌てるヤマダの耳元にステラは冷静な声でささやく。
「いい?ゆっくりね…時間をかせいで相手の隙をもう一度うかがうわよ」
「え…でも…あぁ」
ヤマダは体に密着した美貌の上司の甘い香りにまた目の前にピンク色の霞がかかっていた。
「いい?時間をかせいで…きゃあ」
ステラの体がぐいっと抱きしめられる。
「そっそんな強引じゃなくて…ちょ…きいてるの?」
「せっセンパイ!」
ステラの柔らかな体にヤマダが鼻息あらく、ぐいぐい抱きついてくる。
「こらちょっとやめやめ、ヤマダぁ」
ステラは思わず我を忘れて叫んでしまう。
「けっうるせい奴だな、ちっとはだまって犯されろや」
犯人の男はわずらわしそうにそう言うと、近くのデスクにあってガムテープをとりだす。
「こっちを向けろや」
ヤマダはその声が聞こえたのか、ステラを抱きしめながら後に回り、背後から羽交い絞めにするように抱きしめる。
「なっ何する気よ!」
「そのうるさいお口をふさいでやるんだよ」
男はおもむろにステラの口にガムテープを切ると貼り付ける。
「んん!むぅううう」
(なっなにするのよ!)、
鼻でなんとか息はできるが、口がふさがれて声が出ない。
「ひひひ、どうだ若いのこれで犯しやすくなっただろ?さあぁ服をぬがしちまえ」
犯人の男に踊らされるようにヤマダはぐいっとステラの服に手をかける。
「ひゃん」
脇の下から入られた手がスーツの上からおもむろに突き出したバストに伸びる。
「ううぅ」
ヤマダはふわっとした女性特有の柔らかさを両手に感じながらスーツのボタンに手をかける。
その時、ステラは視界の隅に起死回生の一手をみつけていた。
そう、拳銃だ!
すぐそばのデスクの下に落ちている。
おそらくさっきヤマダが床にすべらしたのがここまで来ていたのだ。
(いける!これなら)
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