【イシュティ公爵記】


【第1編、イシュティの娼妃編】【第1章


【国滅ぶとき】


統一帝国崩壊後の長い小国分裂時代が大陸で終わりを告げようとするとき。我こそは列強たらんとする国家達は諸国をあらゆる手段で併合しようとしていた。


優雅だった王城は燃え落ちた。戦いの炎が街をつつみ国が一つ蛮勇の大国の前に滅びる。今や大陸では珍しくない光景が生み出された。


古きイシュティも小国に分類させる王国である。東に野望に燃える大国ヴァンマエイド、西にシェイドアルカンという国家に挟まれて存在した。すこし過去にさかのぼれば周辺はもっと小さな諸侯国で埋まっていたのだが、時代の趨勢を読んだ国は進んでどちらかの国に属し、間違えば武力で併合された。その結果が今の国境を生んでいた。

どちらかと言えばシェイドアルカンは外交で、ヴァンマエイドは短気に武力を使う傾向があり国柄があらわれているとの評価であった。前者は元が東西貿易で成り立った山がちな国であり後者は紛争が続いた平原の国であったからお互いは得意な分野が国柄に現れていた。

この2国の狭間で足を踏み外した国が、古きイシュティという統一帝国から続く国家なのだった。




すでに首都は完全に破壊されていた。焼けた匂いは全土に及ぶと思われ。その土地をひとりの旅装の剣士が馬をゆらせて進んでいた。


つわものどもも夢のあとか・・・・・。


剣士は馬の上から焼かれた畑を見ながら街道を進む。

思うところは多くありイシュティの王に乞われて意見を求められた時には、恐れず忠告してやったのだが、選択しないという選択が最悪の結果を生んだだけというだけのことだった。


剣士は滅んだばかりと認識される国を思い出しながらイシュティを出る方向に進んでいた。後ろからかすかにひずめの連続音が聞こえだす。2,3騎と思われた。

剣士は馬を降り道を譲って騎馬の集団が通り過ぎるのを待とうと思い道端に馬を引いた。

馬音は大きくなると剣士から後ろに迫る騎士達の姿を見せた。一人は何か人間大の大きさの布つつみを抱えていた。騎士達の姿は滅んだばかりのイシュティの甲冑姿だった。


急激に剣士の前で騎馬は止まり声を掛けた。剣士に会うのが目的だったようだ。


「賢者ヒサイエ卿、お願いの儀あり。お聞き届けください。」

騎士は滅んだイシュティ王国の者だった。馬をおり騎士が進んでくる。

騎士の1人が膝間づく。彼らの前にいるのは賢者にして剣士、魔術師の塔の住人、各国の王が自国に召喚したいと考える。ヒサイエ卿という中年男だった。


「我ら願うはただお一人の保護でございます。イシュティ王国王女ハーシェ殿下の御保護、伏して願い奉ります。」

遅れて2人の騎士達が後ろから息を切らしてフードマントから顔を開いた。現れたのは眠れる美しい美姫だった。光る髪、白き肌、優美を見せ始めた身体、王家の女性の風格がやさしく現れだした頃で成人の儀も済まし、その美しさは大陸一かもしれぬと評判が立っていた姫君だ。当身でも食らったのか少し苦しげだったが。その美しさは14歳にして早くも花開くものがあった。

王に謁見した際、ちらと見た覚えがある。女性吟遊詩人が作った歌を王家の女性達に乞われたので何曲か歌ってやると非常な感動を覚えたようだ。表情に好感が持てた。いや魂を奪われる美しさだった。


「殿下!ヒサイエ卿!では御免!!」

3人の騎士はあっという間に馬上にあった。おいっ。と言葉をかけるまもなく元来た道を全力で引き返そうとしていた。


「敵を足止めいたします。その間、なるべく遠くにお逃げください!!」

こちらの言葉が出る前に馬の腹を蹴り騎士達は走り出す。気を失った亡国の王女と茫然自失の賢者にして剣士の二人が砂煙舞う中、残された。




【異世界の剣士】

賢者にして剣士の名前はヒサイエ・コバヤシ。日本のサラリーマンだ。いや、だった。

ある日の仕事中。急に眠気が襲ったと思ったら次の瞬間には床がなくなってまっさかさまにどこかに落ちる感覚になった。

長い落下感がしばらく続いた後。気が付けばヒサイエは冷たい床の上の投げ出されていた。


ついたのは・・・・・。想像もしない出来事、想像もしなかった世界だった。

剣と魔法。異世界。事態を理解するのにあまり時間がかからなかった。それは、この世界に召喚した主が目の前にいて、説明したからだが。魔法で召喚するつもりだった召喚獣の召喚に失敗し、間違って異世界の住人を召喚してしまったとのことだった。


召喚した人間を返す方法がないのを知るのにそう時間は掛からなかった。最初、召喚獣と意思疎通を図るためにテレパシーのような魔法を介し討論し、ついで表音文字で記されるこの世界の羊皮紙の文献を読み漁ったが魔法的に不可能と理解に至ったのだ。


呼び出した魔法使いはクルガンという白髪の翁だったが、魔法使いの塔の主というこの世界では強力な力を持った存在だった。もっとも、塔の所有者は自分の塔の治外法権が認められれば、城を砕き山を割るような強力な魔法使いでも、何十年も外界と接触せず自分の研究に没頭するのが常であったから塔の住人と証明されれば手出しされないのが一般国家間の慣習だった。

魔法使いそのものか、そうでなくても魔法使いの弟子を自国に招ければ非常に国益になるので仕官の誘いは後を絶たなかったが・・・。


この剣と魔法の世界で生きて行く決心がついたときからクルガンの塔を中心に東へ西へ旅をした。刀を納め、魔法理論と知識に優れた現代人は遥かな地底の底にドワーフを訪ね。海辺の貧村に塩田などの富を導く方策を教え。山賊に出会えば討伐に協力する。

極めて評価の高い旅人になっていた。


イシュティの騎士達が王女を託したのは、塔の特権を有し、評価の高い男だった。


実態が、H大国の男であるにも関わらず・・・・。




【イシュティの娼妃】

暗い闇夜の中、焚き火の炎の他は月星の瞬きだけが光源の世界。ヒサイエと王女の顔を炎が照らす。気を失った王女がやっと目を開けた。

目の前の焚き火をうつろに見て、ついで炎の向こうのヒサイエを見つける。


がばっ。


顔を真っ赤にして飛び起き。周囲を見渡す。

男に視線を戻すと知った顔であると判断したのか顔を神妙にして聞いてきた。


「ヒサイエさまで、、ございますね?」

事態が飲み込めていないのか不安そうだった。


そうです。ヒサイエは答えると守護騎士達の命運。国の行く末。を語った。

王女は聞きながら自分の立場を理解したのか一つ一つうなづきながら涙をはらはらと流した。死んでいった騎士達や臣民達の死後の安寧を祈る言葉を小さく唱えることもあった。


ヒサイエは不謹慎にも美しいと思ってしまった。

気を取り直して続ける。


「殿下には3つの選択肢があります。

一つ目は、ここで死ぬこと。わたしが一刀で天界に送ります。騎士達は浮かばれないでしょう。

二つ目は、ヴァンマエイドに降伏すること。臣民はさらに苦しみましょう。殿下をイシュティ臣民の前で名誉をおとしめる道具にするでしょう。

三つ目は、身分を捨て国を捨て王女は死んだものとして生きること。ただし殿下の身分はわたしの奴隷になります。ヴァンマエイドの脅威の前に殿下の亡命を受け入れる国はありません。この国を出るとき、わたしの完全な所有物でもない限り出られません。また、他国で出自のはっきりしないものが自由民ではいられません。」


ハーシェ王女は自分の体を抱き占め、激しい選択肢にあらためて涙がこぼれた。国を失うとはなんとつらいんだろう。


王女はすこし泣いてから幾つか質問してきた。

「ヒサイエさまの奴隷になるとどうなるのですか?」

前の二つ、死ぬこと、降伏することはいつも考えてた。生き残った臣民が苦しむ方法は決してとらないと決めていた。ヒサイエの奴隷になるというのはつまり主人しだいということではないのか?


「今後、殿下が女としてわたしの男を慰める優れた道具として連れ歩かれ、先々の説明でもそのような女であるということになります。」

そのあまりな説明に王女の体は振るえおののいた。成人の儀が終わっていつ結婚してもおかしくない歳になったとき。乳母から男と女のことは話して聞かされた。とても想像できなかったけど。実際そうなったら夫になる方が教えてくださるから大丈夫ですよ。と言っていた。


ただの道具・・・。


枯れるほど泣いたのにまた泣けた。

ふと、こんなにはっきり選択肢を与えた男を見た。ずんぐりむっくりの東洋系。背は自分と同じくらい。歳も往ってるけど魔法も使うとのこと。きっと見た通りの歳ではないし長生きだ。ひどい男ではない。ヴァンマエイドに使われるよりこの男に使われて生きるほうがいい。


きっと良い!


心の中で決心を付ける。奴隷の惨めさを知ってるわけじゃないけれど人に仕えたことなんかかいけれど民の身になった施策を行ない各国に名高い人だ。わたくしは、彼のものになることを選ぼう。




気高き王家の姫君はその夜を境に、ヒサイエさまの所有物、イシュティの娼妃ハーシェという身分になった。

焔の照らす街道筋。月星瞬く夜空のことだった。




【追撃と娼妃を学ぶハーシェ】

翌朝、ヒサイエの奴隷となったハーシェと、主となったヒサイエは身を調え街道をゆっくり歩き出した。昨日はヒサイエは手を出さなかったのでまだ処女だ。

眠れという言葉も命令だと言われて簡単に寝込んでしまった。


ハーシェを馬上に、ヒサイエが手綱を取ってゆっくりと。


「あ、、だ、だんなさま。奴隷が道を歩くものじゃないんでしょうか?」

ヒサイエがハーシェを馬上に上げた時から気になっていた。ヒサイエはハーシェはイシュティの高級娼館で生まれ育った生粋の娼妃で、あまり街にも出たことがない。とにかく非常に大事にされて当然の立場で言葉使いも、わたくし、で変えなくて良い。ただし主人を呼ぶときには、だんなさま、と言う事だけは徹底するように言われていた。

イシュティに逗留したヒサイエがその美しさと教養に大金で買い上げた。ということにしたのだ。美しさとか、教養とかを理由に買ったといわれるくだりになるとハーシェは真っ赤になったが、ともかく素性と扱いが、尤もと、取られる立場というのはそうそうなかった。

この世界に高級娼婦というものが居るかは怪しいがハーシェは素直にそのような職業があると受け取った。

言葉では、説明を受け続けた。イシュティの娼妃は知る人ぞ知る理想の愛人で所有者を本気でいとおしく思ってくれる。自分の女性器に優しく迎えるために回りを調えるだけではなく。主人の男が他の畑に気持ち良く種をまけるよう、あるときは男を鍛えて、あるときは安らぎをあたえる。

閨の技は年かさの女からうなぎが体を刷りつけ会うように教わるものだが、お前は俺が教えてやる。とか赤面ものの言葉が続き、理解できないところは後で体で分かる。とか一国の王女聞いた事も想像したこともない身分になることを教えられるのに頭がぽーっとなるのは無理からぬことだった。






朝露乾かぬ時間。後ろから騎馬の濁音が聞こえる、昨日の3騎の比でない数だ。ヒサイエは馬を街道脇に寄せハーシェを降ろす。昨日と同じように騎馬の集団を待った。

ヴァンマエイドの騎士達だった。


貴様!何者か?


物々しい荒くれた騎馬集団は6騎だった。隊長らしき騎士が誰何する。その剣と鎧は戦によごれ集団を殺伐とさせていた。

従兵と思しき者達が馬を下りてヒサイエ達をとり囲もうとする。ハーシェは騎馬音が聞こえたあたりから真っ青になっていたがヒサイエが、任せておけ。お前は、俺の男を満足させる女奴隷だぜ。忘れるなよ。とニヤっとした。昨日の夜から余所行きの言葉はハーシェの前では止めている。

今、ヴァンマエイド騎士を見て真っ青になってたハーシェが腰を抱かれて言われた言葉に今度は真っ赤になって固まった。殿方に腰を抱かれるのは身内とダンスを踊るとき。しかもこんなに密着することはなかった。


「クルガンの塔の住人、ヒサイエ。こっちは俺の奴隷だ。」

ヒサイエは手形を出す。ヴァンマエイド王に謁見したときのサインが入っていた。


騎士があわてて下馬する。横柄な国王のサインが入っており珍しい東洋人がヒサイエ卿であることは間違いなかった。


「どうかしたのかい?」

ヒサイエは水を向ける。


「こちらの女奴隷はこさえのよい服を着ておりますな?」

一般の奴隷が着る服ではない。もっと言うと美しすぎる。見た事が無い、格違いの格違い、疑問は当然だった。


「貴殿ら、イシュティの高級娼妃を知らないのか?」

ヒサイエは説明してやる。古いイシュティの最高級娼婦。美しさと教養を兼ね備えた奴隷。


ヴァンマエイド人たちはこの美しい女が娼婦であるという説明にどうにも納得がいかないらしかった。


「論より証拠!俺の大事な所有物だが見せてやるよ」

ヒサイエはハーシェを抱き寄せ前面で抱き占めると、固まるハーシェに対しやさしくつぶやく。お前、俺の肩であえいでいいぜ。俺を満足させるんだぞ。とニヤっと笑った。


ヴァンマエイド騎士達がつばを飲み込み何が起きるか見守る中。ヒサイエはハーシェのスカートを腰まで一気にたくし上げパンツを掴んで下ろす。方足あげろ、戻していいぞと流れるように言葉をかける。思考停止に陥ったハーシェが言うとおりにロボットのように動く。ヒサイエが再びスカートをまくり上げる。


「見ろ!いいだろう?」

両手で尻たぼを広げた。美しいハーシェのすらりと伸びた処女の太ももと、人前にさらしたことのない尻の穴が全開になってヴァンマエイド騎士達の前に展開された。そのまま両手で尻たぼを掴んでゆっくり回し。右ひざをハーシェの内股に差し込んだ。ズボンの生地が初めて裸の女の性器を刺激する。


息を忘れていたハーシェの腕が自然にヒサイエの首にすがりつき、肩に顔を埋めて、荒げてあえいだ。


1分ばかりのショウにヴァンマエイド騎士達はヒサイエがハーシェのスカートを戻したとき、あの美しい足と尻に目を完全に奪われたことを自覚した。隊長ですらそうだったのだ。あの瞬間、6人の視線が処女のハーシェの尻の穴を突き刺したのだ。


「これがイシュティの娼妃ってやつだ。おおい、刺激が強すぎたか?」

ハーシェは息が整わず熱い呼吸をしていたし。ヴァンマエイド騎士達は股関を固めて前かがみになったものもいた。


おお、若増だねぇ。

そんな様子を見てヒサイエは策略が図に当たったことを確かめた。


「すまんが、貴殿らにサービスしたら。こいつとしっぽりやりたくなった。しけこみたいんだがいいか?どうせ先に行けば関所があるんだろう?明日には着くだろうしかまわんだろ?」

ハーシェの耳をしゃぶり、揉みこむように抱きしめながら騎士達に聞く。こいつが娼婦じゃなかったららなんだっていうんだという堂々の態度だ。


騎士達は狼狽を自覚しながらあわててヒサイエの前から消えようとする。

ヒサイエが、まさか街は燃やさなかっただろうな?

バカだな、もったいない。

誰だ、その作戦は?


軽口を叩いて挨拶。騎士達は何故か非常に後悔と恥ずかしくてこの場から逃げたい感情にとらわれていたのだ。ヴァンマエイドの騎士達はその場から逃げ去った。






もういいぜ。

ヒサイエがハーシェに声を掛けて顔をあげさせる。昨日以上に涙があふれていた。自分の顔が上げられたことに気づいたハーシェは力の入らない手でヒサイエの胸や肩にバンバンと腕を振り落とした。


バカー!バカー!バカー!わーん。

子供の泣き方に抵抗できず。悪かったよ。すまなかったよ。と必死であやすヒサイエ。大人びたハーシェがこんな泣き方をしたのは後にも先にも見る事がなかった。


先の騎士達とハーシェに精神系の魔法を使ったのだ。『魅了』や『眠り』を騎士達に使ってもこのような装備の場合プロテクョンを持っている場合があった。クルガンから召喚獣と意思疎通用の念ともに学んだ時に、通常人間のような知性体の感情にまで干渉するのは無理ということだった。そこを現代人的ずるさで打ち破ったのだ。頭を真っ白にしたら暗示が念話でかかるだろうと思ったのだ。プロテクションを破る衝撃的なものか・・。

ハーシェの処女尻はそのような目的で使われた。騎士達は恥ずかしくなってこの場から逃走したのだ。後で考えても魔法とは思わないだろう。




【娼妃の心】

馬を引いて、すこしぐずったハーシェを誘い、戦争で家人が逃げた農家に入った。豊かな農家だったのだろう。井戸もあったし家の中には布のシーツのベッドもあった。

ヒサイエはここでハーシェに対し男を教え閨技を仕込むことに決めた。王女を徹底的に娼妃にする。情報の洪水に染まった人間には出来ないような徹底的な教え込みで理想の愛人を手に入れる。ヒサイエはそのつもりだった。


ハーシェをベッドに座らせ井戸から水を汲んでくる。顔を洗わせ。ハーシェの靴を脱がせ布を湿らせ足を洗う。指の間、足の裏、かかと、ふくらはぎ。


ヒサイエは話しかける。

まず、自分が気持ちいことを探すんだ。日が照った太陽とか、そよかぜがまとわりつきくのがいいとか、簡単な事から探すんだ。今日は何もしなくていいから五感で気持ちいことを覚えること。


足の裏を丁寧にもむ。




ハーシェは素直に受け取る。

男の人に触られるのは恥ずかしいけど。すごく気持ちがいい。ひとに丁寧にされるとジーンと感動する。うわっ、手のひら押されただけで頭がぽーっとする。そこ、くすぐったぁい。


心と体がちょっとしたことで敏感に反応する。王女として自覚がはっきりあってろうたけていたとはいえ、発達途上の14歳は30男の手管にはまりだす。


次ぎはキスだ。

ヒサイエの言葉にハーシェは家族や乳母がちゅっとほほや額にするキスを思った。ああ、それなら知っている。でも次にヒサイエからでた言葉に怪訝に思った。


口の力抜いて、こうして。ヒサイエは舌を軽くあっかんべするように見せた。

そう、軽くでいいよ。驚いて噛まないでね。

次に顔を寄せた瞬間、ハーシェの舌腹に、ヒサイエの唇が押し付けられ舌が絡められた。感じたことが無い感覚で思わず舌が引っ込んだ。一瞬だったのに頭が真っ白になった。


どんっ。背中に壁が付いて持たれた。きっと、女の子を止めて女にならなきゃいけないどこかが悲しいんだ。また、静かに両目の端から一筋ずつ涙が落ちた。




じっとそれを見て心が戻るまで待つヒサイエ。


ああ、だんなさまに気を使わせちゃった。ハーシェは表情を改めた。

「だんなさま、末永く、わたくしをお使いくださいますよう。よろしくお願いいたします。」

こういう言葉が正しいような気がした。この方に仕えることにしたのだ。


ヒサイエが靴を脱ぎベッドに上がりゆっくり近づいて両手でハーシェを抱き占める。旅の男くさい匂いをハーシェは思いっきり嗅ぐ。あごに手を添えられて口を軽くあく。キスされる。舌が入れられる。中でツンツンと舌をつついたり口を吸われる。ああ、魂が持っていかれそう。やさしいキス、ジーンとする。壁から背中を離されベットに寝かされる。


ちゅーぅぅぅ、ちゅっちゅっちゅ。あむ。ちゅ、はむ。


もう、体の力が入らない。ハーシェはもう、そんな考えが出ないほど体をくねらせ真っ白になっていった。




ヒサイエはキスの効果を十分知っていたのでねちっこく刺激しながら時間をとって服を脱がす。胸元の編み紐をほどきドレスを脱がす。下着の上下、胸帯、とうとう素っ裸にした上に体重を乗せないように四つんばいになってずっとディープキスした。自分も服を脱ぎ肌の触れ合いを一人楽しむ。まだ、もんだりしない。絹糸の肌触りに色素の薄い発展途上の乳りん、まだ育つだろう形のいい桃のような乙女の乳房、横目で楽しむ。次ぎは香りだ。


力のぬけたハーシェの腋毛の先に鼻を近づける。客の前で脇をさらす踊り子ぐらいしかこの時代、この世界の女は処理しない。蒼いフェロモン放出の腋毛の先はしっとりぬれたようになって男に嗅ごう。鼻息で脇を刺激したのかハーシェがちょっと正気に近づいたようだ。そのまま脇に鼻をつっこんだ。反対側の腋毛の中に指を絡めて、もう一方、鼻で思いっきりハーシェの匂いを吸い込んだ。




ひゃあっ!


ハーシェの体がびくびくっとして意識が戻る。何時の間に裸にされたのか。まったく意識が飛んでいた。くすぐったくて脇を軽く閉じようとする。ヒサイエは顔を離し。今から娼妃の儀式をするよ。いいね?と聞いてくる。はい。と答えると腕は万歳をされて頭の後ろで皮帯をまかれ両脇が全開になり目隠しをされた。


自由に叫んでいいからな。ヒサイエはそういうと両手をハーシェの両脇に軽く触れる。そのまま指を回すように二つの乳房をつつんだ。男に初めて直接触れられる感触に体は敏感に反応する。ディープキス、舌を這わせながらあご、首筋。

体の力は完全に抜けよだれがあふれる。つばを飲み込む力もでないのだ。そのつど口のなかが吸われる。ヒサイエのごく、ごくっと飲み込む音まで聞こえた感覚があった。


また抱き占められた。怖かった。ハーシェも相手を抱き占めて確認したかったのに両手は拘束されていた。もっとも拘束されていなくても力が入ったかは怪しいが。


動きがゆっくり両手が肌をつつむ感覚を覚えさせられる。耳を愛撫され、指導されてゆく、呼吸を聞いて合わせてみろ。


女の下の口がゆっくり愛撫を受け、よだれをたらす。実は最初のキスから漏らしていた。肉棒の亀頭が口腔にくっついたまま回されたりクリトリスを襲う。何度も気を失って、自分が抱きしめられて、口腔の男の刺激だけが自分の方向を確かめるものだ。もう、そこにあって当然のような感覚になったとき。肉棒がミリミリっと音を立てるようにつっこまれる。パシっという感じがして次ぎの瞬間、ハーシェは男のちんぽに支配された。口に指を差し込まれ舌を刺激されたりしたが耳元で新しい指示が入ってくる。


まんこでちんぽを力をぬいて握手するような感じにしてごらん。

ゆっくりして、、、、ちからをぬいて、、、、形を確かめてごらん、、、、、どんな形してる?

想像して、、、、まんこでなでてさわってごらん、、、、

なでて、、、、いいこだね、、、、。

内ふとももはまんこの延長だよ。

感じてごらん、、、、だんなさまの腰、、、、、。


ハーシェの両足をヒサイエの腰の裏に持ってくると必死にふとももの肌で探ってくる。すがりつく代わりにあしがこしのうらで組まれて来る。


だんなさまのちんぽ、、、、愛しいねぇ。

だんなさまのちんぽ、、、、形が完全に頭に浮かぶよ、、、、。まんこを絞って形をたしかめていいよぅ、、、、。きゅっと動かしてぇ、、、、、そう、いいよぅ。


そのまま、まんこでちんこにすがりつくよぅ、、、、、周りが見えてくるよぅ。、、、、、脱がされた服がどうなっているか見えるようぅ、、、、だんなさまの体がみえるよぅ、、、、自分の体がみえるようぅ、、、、、。意識が広がってきたね?


いいよぅ。その調子。


ヒサイエは自分の欲望にすぐガマン出来なくなる年齢は当に過ぎていたから、ちんぽを差し込んだまま精神暗示を続けられた。だが14、15が性欲が一番高い時期ともいわれる女の体は男になれてくるとどんどん絞りを加速していった。自分ではどうにもならない感覚に夢中になる。ヒサイエは一度終わらせることにする。


いいようぅ。


上の口でキスを吸いあうようにまんこでちんこを吸えるよぅ。はい、きーす。もう一度きーす。

ヒサイエの腰は動いていないのに女の腰は射精をさそう。処女だったまんこが搾り取る動きをする。ヒサイエはあったかいまんこにどぴゅっと射精して処女を満たした。






視界がふさがれ、自分を確かめる座標は、まんこがつつむだんなさまのちんこだけ。言葉が染み入ってきて我を忘れてイキッぱなしになってもどこかでだんなさまを一人にしないようにまんこが優しく相手をする。子宮がきゅっと降りてきて亀頭にやさしく触れたりする。女ってうれしい。無かった知識が色々教えられた。


ちんこを入れっぱなしにしてハーシェを何時間も教育するヒサイエ。拘束と目隠しが取られて水をキスで飲ませると。少し正気ついたのか恥ずかしそうだった。静かな情熱でハーシェはヒサイエのものをもてあそぶ。


わたくしは、だんなさまのもの。

ハーシェは心の底からそう思った。




【一ヵ月後、シェイドの街で】

シェイドアルカン王国、シェイド。ここに逗留して一ヶ月になる。あの後、イシュティの娼妃として関を出た。イシュティの王族については生存の情報があったわけではないらしく。キスして乳をもんでドレスに指を差し入れるのを見せ付けてやると。これだけの奴隷を手に入れるとはさすがにヒサイエ卿とやっかまれた。


王都だけあって他より文化的な気がする。ここで冒険で手に入れた黒瑪瑙を高額で売って程度の良い宿屋に長期滞在することとなった。




「おはようございます。だんなさま。」


窓から光がさしている。

昨日は疲れて眠ってしまったが今日の寝起きもイヤに気持ちがいい。

声を掛けたのは、ヒサイエの所有物になったハーシェだ。

朝すぐに体を拭いて身を洗い上げたらしい。髪をアップにして清潔なシンプルなドレスを着ていた。


気が付くとズボンは脱がされ下半身は裸で何かで拭かれたようなぬれた感じがあった。ハーシェの両手が上着の中に腹から差し入れられていて濡れタオルで体を拭いているようだった。


「お昼になります。寝すぎはお体に悪いですよ。だんなさまは朝はなさいますか?」

頭が働かず言いよどんでいると「なさいます」と取った様でハーシェはベットに上がってヒサイエの体をまたぎスカートをつまんで巻き込まないようにすると、失礼します、と言って体をヌメっと沈めてきた。パンツははいていないようだった。


ハーシェのまんこは適度にぬれていて半立ちのヒサイエのちんこを飲み込んだ。高級娼妃の目的は主人を朝の目覚めに導くことであり射精させるのがその直接の目的ではなかったからヒサイエの上半身をベットから起こし。背中に回した両手で腰をまっすぐ立たせるように愛撫すると主人の口にゆっくりディープなキスをした。

口に差し入れた舌で主人の舌を刺激する。口をゆすいで清潔にしたハーシェの口から水のような唾液があふれ出てヒサイエの喉はそれをごきゅごきゅ鳴らして飲んでいた。


「お目覚めですね」

口の力が抜けてお互いの顔が少し離れると。ハーシェがにこりと笑う。背が伸び気持ち良い状態で体を支えられているがハーシュの膝だてた太ももの内側と顔を交わしてくっつけたほほとほほ。首筋に当てた唇のちょっとした刺激がハーシェのまんこの中でヒサイエの物を完全起立させていた。

ハーシェが自分の胸を下から伸び上がるように押し付けるのを合図にヒサイエは背中を伸ばしてこらえることなく射精していた。


神聖魔法を掛けられたように体の中の悪いものが消えてリフレッシュされたようになる。


体を拭いてしまいますね。

そのままの姿勢でヒサイエの上着を脱がすと再び濡れタオルで上半身を拭き始めた。髪の中まで拭き終わるとやっと体を離し。ちんこを袋の裏の皮を引っ張り伸ばしながら丁寧に拭きあげることまでした。

口淫しても良いかと聴かれたので、応と応えると口の中にちんこをはみ入れて吸いながら濡れタオルで肛門をぐぬぐにと軽く圧迫してケツのアナまでキレイにした。


昔、中国に目を薬で見えなくして作り上げたシーニャと言われる種類の娼婦がいたと言うが比べたいほどのテクニックだった。




こりゃ、もう放せそうにない。最近は、抱いてやっているんじゃなく抱いてもらっていた。


ハーシェを下がらせシャキっとした体に服を着ながら開け放った窓から外を見る。

ハーシェのような女がそばにいてくれるならそろそろ腰を落ち着かせるのがいいだろう。この世界を旅するのも面白いんだが。ヒサイエはニヤっと一人笑いしながら考えてきた

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