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[2278] 業務連絡 投稿者:羽黒那智 投稿日:2005/05/30(Mon) 12:10
 文字ゲリラさん。
 貴サイトへのリンク、及び作品への直リン等してもよろしいでしょうか?
 文章の複製・改編・転載は自由とありますけど、リンクの関係は記述がなかったので。
 今度時間の取れた時に日記ででも「反日デモの背景」を取り上げさせていただきたいのですよ。
[2278へのレス] Re: 業務連絡 投稿者:名無しサイトの関係者 投稿日:2005/06/01(Wed) 02:37
もちろんです。どうも有難うございます。直リンもどうぞ。フレーム内でも全然構いません。
ということで、リンク自由ってあからさまに書き直しました。
暇のある時に北海道独立論(吉里吉里国とは全然違う発想ですが)を執筆する予定です。
[2278へのレス] Re: 業務連絡 投稿者:羽黒那智 投稿日:2005/06/01(Wed) 12:08
 名無しサイトの関係者さん、いらっしゃいませ。
 ご承諾いただきありがとうございます。
 えっと、オーナーのほう、月初は仕事が立て込む為、半ば頃になるかと思いますが、リンクと日記での使用をさせていただきます。
ところで北海道独立論ですか? またちょっと楽しみかも。

[2264] こんにちは^^ 投稿者:高城令羽 投稿日:2005/05/23(Mon) 12:49 <HOME>
マスター、気が遠くなるくらい眠いんで、濃〜いコーヒーを一杯ください。

……こちらでは、はじめまして。
高城です。
先日は、サイトの方にお越しいただき、ありがとうございました。

充実したサイトですね〜^^
デザインも素敵です。

今日はプロフィールを見させていただき、やはり共通点が多いことに感動させていただきました(笑)

これから作品の方、少しずつ堪能させてもらいますね^^

今後ともよろしくお願いします。
[2264へのレス] Re: こんにちは^^ 投稿者:羽黒那智 投稿日:2005/05/23(Mon) 19:03
 高城令羽さん、いらっしゃいませ。
 わざわざこちらにまでお越しいただきありがとうございました。
 デザインを褒めていただいたあとで言うのもなんなんですが、分かりにくくはなかったですか(苦笑)。一般的な語彙を使っていませんので。IEだとメニューにカーソルあてれば説明出るんですが、Mozillaだと表示でないみたいなことに今日気づきました。
 オーナーと色々共通点ありますよね(笑)。オーナーも高城さんのプロフィールは意見した時に妙な感慨を覚えたみたいです。
 お話のほうはお時間のある時にでも見てやってください。但しジャンルにかなり偏りがあるので……。

 こちらこそよろしくお願いします。
[2264へのレス] Re: こんにちは^^ 投稿者: 投稿日:2005/05/24(Tue) 23:12
 高城令羽さん、横レス失礼いたします。
 大変ご無沙汰している上に、勝手にぶら下がり、しかも要らぬお世話を焼きに来ました。

えっと、画像のalt属性だと『画像表示できない場合の代替要素』として扱われますが、title属性で説明をつけると、Mosilla系でも(少なくとも私の使っているFireFoxでは)チップで表示されますよ。
 今後の改装のときにでも設置を検討してみてください。

 ということで、お茶も飲まずに失礼します。
 
[2264へのレス] Re: こんにちは^^ 投稿者:羽黒那智 投稿日:2005/05/25(Wed) 12:09
 真さん、いらっしゃいませ。
 なるほど、そういう属性もあるんですね。勉強になります。
 今のところHTMLをいじる予定はないんですが、一度検討してみます。
 わざわざありがとうございました。
 今度お見えになった時にお茶くらいご馳走しますよ。

[2255] 商売繁盛 投稿者:TERU 投稿日:2005/05/20(Fri) 05:17 <HOME>
「下のスレッドが長くなったか持ち上げるよ」
 と、TERUは那智にいった。
「いや、そんなこと会話文でいわなくてもいいですよ」
 那智は苦笑を浮かべた。
「そんなことより、マスター」
 TERUは、ずいっとカウンターに身を乗り出した。
「これからしばらく、ぼくの飲み代はただにしてくれ」
「はあ? なにをいいだすんですか」
「だってほら、下のスレッドを見てくれよ。商売繁盛じゃないか。ぼくのおかげだぞ」
「あらTERUちゃん」
 と、女将が眉をひそめた。
「聞き捨てならないわね、その言葉。わたしが登場したからって発想はないわけ?」
「そうですよ!」
 桜蘭も、声を荒らげた。
「わたしがマッサージ店を開業したからという発想はないんですか!」
「待ちたまえ」
 ラビン髭も口をはさんだ。
「ここをリハビリ喫茶と命名したのはわたしだぞ。その功績を認めてもらわねばなるまい」
「ちょっと、みなさん!」
 ミルキーも手をあげた。
「下のスレッドでは、25歳以上で、なおかつ行き過ぎてもいない、いい頃合いの女性はわたしだけみたいですから、わたしの魅力ってけっこう大きいと思いません?」
「あの〜」
 自称、冴えない中年男、みけも、恐る恐る声を出した。
「田楽味噌の香りも、お客を引き寄せている可能性があるかもしれませんよ」
「ぼくだって!」
 太郎じぃだった。
「元祖、爆弾喫茶の名に恥じない貢献をしていると思います!」
 そのあとも、わいわいがやがやと、みな自分勝手なことを言い合っていた。さすがの那智も、こめかみに血管を浮かばせながら、今日は全員の請求を2倍にしてやろうと、真剣に思案するのだった。
[2255へのレス] Re: 商売繁盛 投稿者:羽黒那智 投稿日:2005/05/20(Fri) 12:08
 TERUさん、いらっしゃいませ。
「まるで不思議絵の階段の様ですね」
 ぼくは彼に言った。
「同じ高さを登り続ける」
 頭に”?”をいくつも並べる彼にぼくはさらに言葉を続けた。
「この会話って、いつもの繰り返しでしょ? 大抵ここが賑わうと、誰かが自分のおかげだと主張をはじめる」
 みんな自己主張が激しいんですねって言ったら彼も苦笑した。
「当然さ。そうでなければこんな商売、誰もしない」
 彼の言葉にぼくは笑った。たしかに……。
「うちとしてはね、誰のおかげでもいいんですよ。儲かればね。もっとも今の客層じゃ、幾ら賑わっても赤になる可能性のほうが高いですけど」
 ぼくの言葉に彼が苦笑する。どうやら自覚はあるみたいだ。
「だからね、誰のおかげでもいいじゃないですか。みんなその気でいればいい」

 あれ? TERUさんが変に顔をゆがめている……。ぼくはなにかおかしなことを言ったのだろうか?
「マスター、ひとつ聞くが、君は一体幾つだ?」
[2255へのレス] Re: 商売繁盛 投稿者:チャトラ 投稿日:2005/05/20(Fri) 13:51
チャトラはいつものように隅のほうの席に陣取り、文庫本を読むふりをしながらマスターと客の会話に耳をそばだてていた。ここではしばしば極上のスラップスティックが上演されるのである。見逃す手はない。だが、油断していた彼女はマスターの「みんなその気でいればいい」発言に思わず吹き出した。ま、まずい。
「マスター、ひとつ聞くが、君は一体幾つだ?」
常連客の発言に、チャトラはますます文庫本の陰に顔を隠して小さくなった。

こちらの掲示板には、はじめまして。チャトラと申します。
マスターがいかにもほらほらって感じに真っ赤なスカーフを振るものだから、思わず食いついてしまいました。
[2255へのレス] Re: 商売繁盛 投稿者:BUTAPENN 投稿日:2005/05/20(Fri) 15:20 <HOME>
「そうよ。私も前から思ってたのよ!」
とBUTAPENNが騒ぎ始めた。
「私がカウンターの後ろでおでんを煮てると、隣で岩崎宏美の「ロマンス」を歌ってるし、今は「宇宙戦艦ヤマト」ですって? 絶対なっちゃんて、見かけによらずいい年よ」
「ぼ、僕はオーナーの鼻歌を聞いて覚えただけですってば」
那智は必死で言い訳をする。「根暗喫茶」と呼ばれたうえに、「年齢詐称喫茶」と呼ばれてはかなわない。
「チャトラちゃん、あなたもここで笑うとは実はかなりの歳と見たわよ。白状なさい」
とばっちりを受けた彼女は、ますます首をすくめて文庫本の陰に隠れる。
「この店の常連たちは、みんな怪しいわね。こうなったら、これを置くしかないわ」
女将はドドンと箱型の機械を入り口のレジ近くに置いた。
「これは、なんです?」
「うちのサイトで設置した「男女別ぷち投票」の年齢別バージョンよ。店に来たときに必ず一回ポチしてもらうわけ。ごまかしは利かないわよ」
「そ、そんなことをしたら、ますます誰も来なくなりますってば」
「じゃあ、管理はまかせたから」
「あ、女将さんこそポチしないんですか」
「私は発案者だからいいのよ」
一番、年齢詐称しそうなのは当の本人じゃないか、と那智はため息をつくのだった。
[2255へのレス] Re: 商売繁盛 投稿者:TERU 投稿日:2005/05/20(Fri) 17:47 <HOME>
 TERUは、女将が出ていったあと、そのプチ投票箱・年齢別バージョンのボタンをポチっと押していた。それは18歳の欄だった。
「なにを、大幅にサバを読んでるんですか、あんたは!」
 那智は怒鳴った。
「そこまでいくと、年齢詐称を通り越して、犯罪ですよ!」
「ふん。宇宙戦艦ヤマトのエンディングテーマを歌えるオッサンにいわれたかないね」
「うっ……だからぼくは、オーナーの鼻唄のせいで覚えただけであって……」
「それはそうと、チャトラさん」
 TERUは、那智を無視して、文庫本で顔を隠しているチャトラの前に、ずいっと顔を近づけた。
「キャッ!」
 チャトラは、思わずのけぞった。
「な、な、なんでしょうTERUさん」
「いや、なにをお読みかと思いましてね。なになに?」
 TERUは、チャトラの読んでいる文庫本のタイトルを見て、思わずニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「チャトラさん、あなたもなかなかやりますな」
「い、いやだわ、TERUさんったら……恥ずかしい」
 チャトラは、ポッとほほを染めた。
「なにを読んでいたんですか?」
 那智が聞いた。
「秘密です」
 チャトラは、文庫本を、さっとバッグに隠した。
「えーっ! そんな殺生な。気になるじゃないですか。TERUさん、チャトラさんは、なにを読んでらしたんですか?」
「秘密だよ」
 TERUは、うひひと笑いながら答えた。
「そうだ。いいことを思いついた。みんな年齢を詐称したいみたいだし、今日からここは、秘密喫茶と名乗ったらどうだい?」
「秘密喫茶……」
 那智は、その名を口にして、深いタメ息をついた。
「それって、ものすごく、いかがわしい雰囲気が漂うんですけど」
 まあ、いまでも充分、いかがわしいわけだが。と思って、那智はさらに深いタメ息をつくのだった。
[2255へのレス] Re: 商売繁盛 投稿者:羽黒那智 投稿日:2005/05/20(Fri) 18:54
 チャトラさん、BUTAPENNさん、TERUさん、いらっしゃいませ。御無沙汰してます(笑)。

「秘密喫茶ねぇ……」
 ぼくが呟く。
 まあ、たしかにここにくるお客はみんななにかしら秘密を持っていそうだけれども。一番叩いて埃がでそうな人は決まっているけどね。
 ぼくが黒コートの男のほうへと視線を向けると、彼はいかにも心外だと言わんばかりに肩をすくめて見せる。でもね、今この時期はおろか、真夏でも黒コートっていかにも怪しいっていっているみたいなもんなんですけど。
「そうそう、春先は怪しい男がよく出没するわね」とは女将さん。
「温かくなると危ないんですよね」とチャトラさん。
「えぇ、オーナーの家の近所にもコート一枚だけをまとった男が現れたらしいですよ。実はそれって……」
 皆の視線が一人に集中する。
「君たちはぼくのことを誤解している。ただ単に見せたってそんなのは……ゴホン、ゴホン」
 なんだかなあ。
「とりあえず、これを設置してみてその結果を見てから「秘密喫茶」を名のるかどうか決めればいいんじゃない?」
 すっかり疲れ果てたぼくに榛名がそう提案する。
「現状を鑑みて、えらく若いほうに年齢層が偏ったらこれはやっぱり秘密喫茶でしょ」
 あの、榛名さん。ぼくとしてはその名前使いたくないんですけど……。
 そんなぼくの思いは彼女には通じない。
「でも秘密喫茶ってゴレンジャーみたいでかっこいいわよね」
あゞ、榛名さん、君もですか……。
[2255へのレス] Re: 商売繁盛 投稿者:文字ゲリラ 投稿日:2005/05/21(Sat) 15:53
文庫本の女にさっと近付く黒コートの男を見て、
『はあ、さっそく不倫のリハビリですかぁ?』
と感心したようにラビン髭の男が言う。黒コートは四十肩ならぬ四十腰で、浮気すら思うように出来なかったと、つい最近エッセーで自白している。
『リハビリ喫茶と書いたのは君だろう』
と開き直る浮気男に、今度はマスターが
『あのう、どうして自宅でなさらないのですか? 確か、チャトラさんはハーレムサイトのお客さんでしょう』
と言うと、
『浮気は外でやるから味があるのではないか。第一、自宅には全国何千何万のファンの目が光っていて、この腰ではとても需要を満たす事が、、って僕に何を言わせるのだ』
黒コートがラビン髭の誘導尋問に気付いた時は既に遅かった。
『ちゃーんと録音しといたから』
と女将が嬉しそうにHDを振りかざしていた。それを見て、この次の爆弾の嵐では黒コートの男に幾ら請求しようかと胸算用するのであった。
[2255へのレス] Re: 商売繁盛 投稿者:文字ゲリラ 投稿日:2005/05/23(Mon) 02:51
嬉々とした女将の顔を見たラビン髭、思い出したようにマスターに告げた
『そうそう、悪友からオーナーへの伝言を言い忘れるところだった。実は彼が書いたSFもどきが、オーナーの不在感在条件の範疇に入るか、オーナーに判断して欲しいんだって。』
『分かりました。伝えて置きましょう』
『で、条件を満たしているなら、間違っても悪友に投票しないっようにとも言っておいて下さい。とばっちりを受けるのは僕なんだから』
『はあ、それは良く分かりませんが、とにかく伝えて置きます』


ーーーーー
まあ、女将さんに張り合いを持って頂くと言う意味で。
[2255へのレス] Re: 商売繁盛 投稿者:羽黒那智 投稿日:2005/05/23(Mon) 12:09
文字ゲリラさん、いらっしゃいませ。

「たしかに浮気を自分の家に持ち込むのはルールに反している気がしますね」
 TERUさんの言葉に頷いて見せると、榛名の眉が心持ちあがった。
「ふうん、那智黒は外でならOKの口なんだ?」
「いや、外でなら良いといっているわけじゃなくて……」
 お冠の榛名をなだめながら、なんでぼくが怒られるのだろうかと、釈然としないものを感じる。
 やっぱり疫病神……。
 ぼくの心の呟きは深い溜息の中に消えた。

 ってことで文字ゲリラさん、悪友と言われるのは不狼児さんのことですか?
 「月の引力」ですね。
 不在感在条件の件ですが判断の難しい所です。姿は見えないのでクリアしていると思いますけど、直接的に犬と書かずに遠吠えの声とかで表現できるとベストかな? そのへんはあちらの新しい感想掲示板にまた書きますね。
[2255へのレス] Re: 商売繁盛 投稿者:ミルキー 投稿日:2005/05/23(Mon) 14:57 <HOME>
「えー、そういう意味だったんですか、犬って書いちゃダメだったの? じゃあ、全然ダメジャン。うーん、意味取り違えもはなはだしかったかなぁ?」
と言って、急にがっくりきているのは、原稿が遅れまくった挙句締め切り間際に、ぎりぎりセーフで上げた上、投稿作品が着かなかったというミソまでついたヤツだった。
「でも〜〜、あの御題Bで、思いついた話だったんですよぉ」
ああ、未練がましいヤツ……。

>不在感在条件の件ですが

そういう意味でしたか? 日本語はむずかしい。
私のも御題Bで挙げてあるので、ちょろっと見てみていただけるとありがたいかもです。
こりゃ、意味取り違えもはなはだしかったかなぁ。
どうしよう、ってここで言っても仕方ないのですが、該当しないようでしたら、作品説明修正してもらうしかないでしょうね。
お急がしいのに、本当に申し訳ありませんが・・・(滝汗)
[2255へのレス] Re: 商売繁盛 投稿者:BUTAPENN 投稿日:2005/05/23(Mon) 15:51 <HOME>
「なによ、なによ。お題Bで確実に点をゲットしようと思ったのに、しめきり間際に駆け込みでたくさんエントリーするなんて。
しかも「犬」ということばを使っちゃいけないなんて、聞いてないわよ。オーナーだって2回使ってるじゃない、「犬小屋」って」(でも、確かに犬とは一度も書いていないんだよなあ。気づかなかった)
ご機嫌斜めなのは、せっかく昨日が23回目の結婚記念日だったのに、旦那が日曜出勤でかまってもらえなかったBUTAPENNだった。
今彼女のそばに行くと、ちょっと恐いかもしれない(笑)。

ところでマスター、不狼児さんは文字ゲリラさんの悪友ではないと思いますよ。ブログに入れないと公言してる彼ら一族が、ブログで作品を発表するのはおかしいじゃないですか。
[2255へのレス] Re: 商売繁盛 投稿者:文字ゲリラ 投稿日:2005/05/24(Tue) 04:33
『女将さん有難う』
もしかしたら、ラビン髭がこのおでん屋に有難うなどと言ったのは始めてかも知れない。その表向きの理由は伝言の件だが、本当の理由は、女将の機嫌が余りにも悪く、身の危険を感じたからである。

ーーーー
あのう、作者紹介のところを見れば分かりますよ。
[2255へのレス] Re: 商売繁盛 投稿者:羽黒那智 投稿日:2005/05/24(Tue) 12:07
ミルキーさん、女将さん、文字ゲリラさん、いらっしゃいませ。

「ええい! 静まれい! 静まれ! 静まれい!」
 賑わう店内に突如として榛名がそう叫びながら乱入してきた。
「オーナーから伝言です!」
 騒ぎ立てる常連客を前に、榛名がカウンターのスツールに登り、そう叫んだ。
「助さんも聞きなさい。格さんも聞きなさい」
 あの、榛名さん、なんで水戸黄門なんですか? たしかにあれだとラストの見せ場で一段高い所に上がりますけどね? それにそのセリフ、水戸黄門としてもかなり古いんじゃないですか?
 そんなぼくの言葉を無視するかの様に彼女の演説は続く。
「みなさんは、今、お題を完全に読み違えています。とのことです」
 今? と首をかしげる一同。
「犬と言う言葉を使わないほうが良いと言ったのは、オーナーが文字ゲリラさんの悪友のものと勘違いして読んだ作品についてであって、全ての作品に言えると言うわけではないんです」
 つまりは、犬そのものが主人公、もしくは読者の視線に入らないことが重要ってことらしい。
「だから遠吠えなんかで犬が出てくる分にはO.K.牧場」
 今度はガッツさんですか?
「それから、生物的な分類での犬ではなく抽象的な犬もO.K.牧場」
 だからもうそれは良いってば……。
「一応、オーナーもこのお題に関しては二通りの解釈を用意したそうですから。ひとつは犬自身が出て来ないけれど、それを連想させるなにかによって犬の存在を感じさせるもの。もう一点は犬そのものでなく、オーナーの前作Калинкаのように抽象的な犬が出てくるパターン。どちらも前回のお祭では少なかったですよね?」
 つまり今回、彼は搦手作品の数を増やそうと画策したと言うことらしい。
「そういうわけで『犬』事態がNGワードと言うわけではありませ〜ん」
 榛名はオーナーからの手紙をヒラヒラと見せた。

 と、言うわけで榛名に頼んだ伝言、ご理解いただけましたでしょうか?
 そろそろみなさんの怒りも解けたかなと思った所で真打ち登場です(笑)。
>ミルキーさん
 そういうわけでお題的には問題ないと思います。一応想定の範囲内でしたから。ただ基本は先の抽象的な犬よりも姿が見えない犬のほうが面白いかなと。そのへんのミルキーさんの作品に対する感想はあちらの掲示板で。
>女将さん
 犬がNGワードなら、女将さんの時にもそういいましたって(笑)。そのへんは作品の内容次第です。言葉よりもその存在を作中でどう表現するかを判定の基準にしたいと思っています。
 不狼児さんの件はたしかに。そう思いつつもでもわたしが見た時に、お題Bを匂わせる新作が他に見当たらなかったもので……。また違う名で、しかも別のPCで密かにブログまでやっていたのかと……。
>文字ゲリラさん
 女将さんにも書きましたが、見た時には犬祭2会場にそれらしき記述がなかったので、どれだろうと頭を悩ませてしまったんです。ひょっとして文字ゲリラさんのサイトのほうに載ってますか? えっと、今見てきたんですが「小猟犬」がそうかな? これは……、お題の観点から見ると、まず猫がでてきて、その後犬が開発される。そして猫の視点から犬を語ると言うパターンにすればよかったかなあと感じます。小猟犬(c)=犬と解釈できてしまいますからね。でもそれって文字ゲリラさん達の文体だと難しいのかな? 絨毯の中でライバルロボットの圧力を感じる猫ロボットなら犬をぼかすことが出来たんじゃないかと思う次第です。
 これも違っていたらごめんなさい。
[2255へのレス] Re: 商売繁盛 投稿者:文字ゲリラ 投稿日:2005/05/25(Wed) 02:42
『ミルキーさん、よかったですねえ』
と声をかけるラビン髭に神戸菓子製造元の女は
『でも、そちらは悪友さんだ駄目だったそうで、残念ですわ』
と礼儀正しく答える。
『そんな事全然無いですよ、だって、本人も無理っぽいなって言ってたし僕も無理だと思ってましたから』
『ちょっと待って、不在感在の条件で書いたんじゃないの』
と女将が口を挟むと
『実はですね、彼が書く時の縛りは古典の風味をつける、ただそれだけで、他人の縛りなんて気にしてないんです。ましてやここのオーナーの縛りなんぞ、簡単に縄抜けしてやるなんて言ってましたから。それで書き上がったのを見て、それからやおら、書いたものにあう縛りを探したら、たまたまオーナーの縛りだったんですよ』
『まあ、酷い! そんなのでわたしの得点を邪魔するなんて』
と女将はお冠気味である
『ほらほら、だから昨日僕がマスターに注文を付けたじゃないですか。たとい条件はOKでも、決して選ばないようにって』
『そういう事なら許してあげるわ』
一旦おさまる気配を見せた会話は、しかし次のトトカルチョ発言で再び緊張を見せた
『でもですね、言っちゃ悪いけど僕はオーナーは女将さんもミルキーさんも選ばないと思いますよ』
『ききならないわね』
とは女将
『そんなあ、さっき御目出度うと言った舌の先も乾かないうちにそんな事を言うなんて』
とは神戸菓子製造元
『じゃあ、どうでしょう、ここで、賭けでもしたら。オーナーがどの作品を選ぶか』
[2255へのレス] Re: 商売繁盛 投稿者:羽黒那智 投稿日:2005/05/25(Wed) 12:11
 文字ゲリラさん、いらっしゃいませ。

「ぼくも見てきたんですけど……」
 熱弁をふるうラビン髭に対し、ぼくは遠慮がちに声をかけた。
「そもそも悪友さんのお話、リクエストお題Bを使用の表示がないんですけど……」
 その時点で多分、オーナーの選考からはずれることは間違いない。
「こちらで勝手にこれはお題をクリアしているとか言っちゃうのも変でしょ? だから選考は作品紹介のところにお題Bを使用と明記されたものだけからされるんですよ」

「ところでねえ」
 そこへいきなり榛名が会話に割って入ってきた。
「文字ゲリラさんはなんでオーナーが女将さんもミルキーさんも選ばないと思うのかしら?」
 なんかニヤニヤと笑っている。彼女はオーナーからなにか聞いているのだろうか?
 大体、お題Bを使った作品はオーナーが書いたものを含めて5つ。選考には出題者が書いたものは含まれないから二人が最初から選考にはずれるとその時点で半分が脱落と言うことになる。
「オーナーはまだなにも決めていないと思いますよ。まだ、とりあえず読んだだけですから」
 ぼくは一応そう言って葉を取りなしたけれど、実際のところはどうなんだろう?

[2237] 復活! 投稿者:TERU 投稿日:2005/05/12(Thu) 22:55 <HOME>
 バタン! と、激しく吾眠のドアが開いた。入ってきたのは、もう初夏を思わせる日もあるというのに、相変わらず黒い革のハーフコートを着た男だった。
「おや、TERUさん」
 那智は、グラスを磨いていた手を止めた。
「お久しぶりです。腰はもういいんですか?」
「全快したとも!」
 TERUは、カウンターの席にドカッと腰を下ろした。
「だから困ってるんだ! ったく、きついぜ!」
「どうしたんです? 腰がよくなって、なにを困ってる……あ、もしかして、腰が痛い間ほっておいた彼女さんたちに追いかけ回されてるとか?」
「そーなんだ。いくらなんでも限界ってもんが……ゲホゲホ……ちがう! なにをいわせるんだ、なにを。ぼくがハニー一筋なのは、マスターもよく知ってるじゃないか」
「知りません」
 那智は、呆れた顔で首をふった。
「いいから、知ってることにしておいてくれ。そんなことより、マジで女に追い回されてるわけじゃなくて、ここ一ヶ月なにも書いてなかったんだよ。一ヶ月だぜ。さっきエディタを立ち上げて、書きかけの原稿を開いたんだが……腕が落ちてるんだよ! ただでさえ、書かなきゃならないものが溜まってるのに、一ヶ月のブランクはでかいぜ」
「なんだ、そんなことか。そのうち直りますよ」
「気楽にいうなあ。ああ、以前の流れるようにキーボードを叩いていた自分が懐かしい」
「じゃあ、景気づけに、shionさんに吹き飛ばされてみたらいかがですか?」
「それで直るかな?」
「直るかもしれませんよ」
「わかった! やってみよう。よーし、そうとなったら、ナンパしまくるぞ! 覚悟してくれマスター。これから吾眠に来る女性客は、ぜんぶぼくの獲物だからな」
「覚悟っていうか、いつもどおりというか……まあ、殺されない程度にがんばってください。ちなみに、店に物理的損害が出た場合は、TERUさんに請求しますからね」
「なんでだよ。ナンパしろっていったのはマスターじゃんか」
「いってません!」
「うそだ〜。ぼく聞いたもん♪」
「ったく、あんたって人は」
 那智は、久しぶりに深いタメ息をつくのだった。
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:羽黒那智 投稿日:2005/05/13(Fri) 12:06
今世紀最大のやんちゃ坊主が帰って来た(笑)。
ってことでTERUさん、いらっしゃいませ。
しかし、ぼくっていきなりグラス磨いているんですか? ショーン・コネリーそっくりなオヤジじゃないんだから(笑)。ここは喫茶店であってバーやスナックじゃありませんよ? そりゃもちろんうちにもグラスのたぐいはありますけどね。ソフトドリンク用のが。
 さて、腕が落ちた件ですが、投手なんかはフォームが崩れるとノックから入るって野球狂の詩に書いてありましたよ。取って投げるという基本動作を繰り返すことで新しいフォームを作り直すんだとか。だからTERUさんも書いては破棄を繰り返してみるのがいいんじゃないですか? 連載物はおいておいて、とりあえずなにかのテーマで短編でも書いてみる。
 ここのところやっぱり書けないで構想ばかり練っていたオーナーは犬祭参加作品を書くことでリハビリしたみたいです。おかげで今は気分がノリノリ(笑)。

 と、言うことで行きずりの女性にちょっかいかけていたりしないで、がんばってくださいね。
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:TERU 投稿日:2005/05/14(Sat) 00:27 <HOME>
「こない!」
 TERUが、イライラしか声でいった。
「なんで、女性の客が一人も来ないんだ!」
「あのね」
 と、那智がタメ息をついた。
「TERUさんが、そんなところで変態オーラを発散してるからに決まってるでしょ」
「だれが変態だ、だれが! ったく、こんなナイスガイを目の前にしてよく、そんな言葉が思いつくもんだな」
「はいはい、ぼくが悪かったですよ」
 変態は刺激しない方がいいと思った那智は、深くタメ息をついた。
「でもねTERUさん。さっき助言した通り、ここで油を売ってるより、書く努力をした方がいいですよ」
「え〜っ、やだよぉ。努力って嫌いだもん」
「このオッサンは……子供にそんなこといわないでくださいよ」
「あのさ。もうずいぶん前だけど、テレビだか雑誌だかで、小学生に将来どんな仕事をしたいかってアンケートをやってて、そのとき、すごいこと答えた子供がいたな」
「へえ。どんな答えですか?」
「仕事をしなくてもお金をもらえる仕事がしたいってさ」
「……なんか、世も末ですね」
「そう? 最高の答えじゃんか。この子は、どんな政治家になるかと思ったよ」
「笑えないジョークですよ、それ」
「まあね。あーっ、それにしても、なんで女性がこないんだ」
「だから、書く努力をしなさいってば」
「してるじゃんか。こうして、吾眠の掲示板に書いてるぜ」
「人んちで、リハビリしないでくださいよ!」
「ここのオーナーだって、犬を血祭りにあげてリハビリしたっていってたぞ」
「だったらTERUさんも書きなさいよ、犬物語」
「え〜っ、犬より猫の方が好きだもん……あ、思い出した! 腰が痛かったとき、この掲示板で、sleepdogさんに、ネットノベルパーフェクトガイドに載ったお祝いの言葉をもらったんだった。その節は、レスができなくてすいませんでした」
「いまごろ、なにいってるんだかこの人は」
 那智は、今日何度目かの深いタメ息をつくのだった。
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:文字ゲリラ 投稿日:2005/05/14(Sat) 05:39
久しぶりにラビン髭の男がのそっと現れた。彼が現れたのは他でも無い、店に餌食が現れたからである。
『いらっしゃいませ』
『いつのまにかちまきと柏餅の季節も終ったねえ』
彼にとっての餌食とはもちろん甘いものに決まっている。砂糖の日に生まれた男も例外では無い。
『おっと、珍しいオジンが来ているじゃないか』
『僕はまだまだ若い!』
『腰を痛めて1ヶ月も姿を見せれなかった人間の何処が若いんだい』
『女を愛せるうちは若いのだ、、ゲホゲホ、もちろんハニーの事だ』
『でも、仕事と宿題と女と3つを同時にこなして始めて若いというんじゃないのかなあ。誰かさんは、その内のたった2つで腰がネをあげたようだけど、、』
『君は僕をおちょくる為に此処に来たのかい?』
『もちろん!』
『非常に理不尽な気がするのだが』
『そんなことないさ。だって、ここに来る若い女性は、皆、誰かさんが虐められたり吹き飛ばされてサーカスをしたりするのを楽しみにしているんだから、爆弾魔さんが忙しい以上、僕が虐めなければ見せ物が何も無いではないか』
『しかし、なぜ僕なのだ。見せ物になる人間は女将さんとかオーナーとか沢山いるではないか』
黒コートの男がそう言うなり、当然のようにこんにゃくが飛んできた。それを見たマスターは、この分なら、女性客の足が戻って来るのも遠くはないだろうと胸算用するのであった。
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:BUTAPENN 投稿日:2005/05/14(Sat) 08:45 <HOME>
「ほほほ。暖めた蒟蒻を当てると、腰痛に効くわよう」
「アチチ。やめてください、おでんのだし汁の中で煮立った蒟蒻なんて」
TERUをおちょくりながら、しかしBUTAPENNは一抹の寂しさを感じていた。
やっぱりイジめるのは、若い男でないとおもしろくない。
ターゲットは18歳から30歳。オーナーでも、ましてや大台に乗った腰痛男でも満足できないのだ。ラビン髭は年齢不詳だし。
マスターは、先日新作でケナゲだったから、いじめるのはやめておいてあげよう。
「ああ、若い男来ないかしら」
こうして、吾眠はますます男にも女にも近寄りがたい空間と化していくのだった。
(オーナー、これって荒らしじゃないっすよね)
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:桜蘭 投稿日:2005/05/14(Sat) 12:18 <HOME>
「確かにこれじゃ人は来ないですよね。わたしみたいな物好きじゃない限り」
ヘッドフォンを外しながら、桜蘭が入ってきた。
「なんだ。桜蘭ちゃんじゃない」
BUTAPENNが落胆したように言った。
「お久しぶりです。女将さん。若い男じゃなくてごめんなさいね」
「弟子よ。お前はまた性懲りもなく盗聴しておるのかね?」
「だって吾眠に誰かが来たの久しぶりだったんですもの。これは一部始終チェックしなきゃ」
「ってなんでそのことを知っているんですか?桜蘭さんだって久しぶりだったじゃない…ってまさか」
那智は言いながらいやな予感がした。
「そう。ずっと盗聴器で聞いていたんですから当然わかります」
「桜蘭さん、それ犯罪だってわかってます?」
「あら?爆弾で吹っ飛ばすのは許されるんだから、盗聴なんてカワイイもんじゃないですか」
「僕は爆弾も許した覚えはありませんけどね」
「それはそうと」
桜蘭は那智を無視して続けた。
「今年は犬祭り大盛況だそうですね。みんな参加できてうらやましい。わたし、今年もネタが降りてきそうにないですよ」
「俺なんて犬祭どころか書きかけの原稿すら書けない状態だよ」
TERUがぼやく。
「TERUさんはまだいいですよ。スランプだってことがわかってるから。わたしなんて流れるようにキーボードを叩くなんて、もう1年以上も経験してませんよ」
桜蘭は肩を落とした。
「だから、今の連載が2年以上も続いているわけ?」
とBUTAPENN。
「そうそう。あと1年で完結できるかどうか」
TERUは上には上がいるなと思って、ほんのちょっとだけ安堵した。
「ま、だからわたしもここでは割とすらすら書けるので、いいリハビリ(?)になってますけどね」
「桜蘭さんまでここを自分の都合で使わないでください」
那智は、20歳の小娘にまでなめられていることに、ここの敷居をもっと高くしたほうがいいだろうかと本気で悩み始めるのだった。
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:文字ゲリラ 投稿日:2005/05/14(Sat) 22:34
そのうちラビン髭の男が何処から持ち出したのか、白地に升目の書かれた大きな板を持ってきた。
『ちょっとお客さん、何をなさるんです』
『マスターはこれを見て分からないのかい? 弟子よ、君なら分かるだろう』
と盗聴コスプレ女に振ると
『それ看板でしょう?』
『さすが我が弟子だ、ゲリラの修行は進んでいると見える』
ゲリラの修行と聞いてさすがに般若顔のマスターにも不安の様子が見られる。それを無視して、ラビン髭はスプレーを取り出しながら続ける
『では書いてくれ』
『師匠、何にしましょう? 爆弾喫茶? コスプレ喫茶? それとも不倫喫茶?』
『そんなんじゃない。何の為に升目模様の看板にしたのか考えなさい』
『あ、なるほど、新しい名前ですか』
『そうだ、君の専攻にも関係する話だ』
そこまで聞いて桜蘭はスルスルと書き始めた。

 リ ハ ビ リ 喫 茶
(含 爆弾、コスプレ、不倫)

書き上がると、ラビン髭はマスターに有無を言わせず入口に取り付け、口を開いた
『これで、我が弟子がマッサージを正式に始められるな。先ずは腰と腕を痛めているTERU さんからかな』
事態を唖然と見つめていたマスターは、それでも、オーナーの事を考えると仕方ないかなと諦めるのであった。
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:TERU 投稿日:2005/05/15(Sun) 00:30 <HOME>
「ではTERUさん!」
 桜蘭は、喜々とした顔でいった。
「さっそく、なまった腕をわたしのマッサージで揉みほぐしてあげましょう!」
「ありがとう。ではお願いする……って、ちがうだろ!」
 TERUは怒鳴った。
「だいたいぼくはだな、佐渡の日生まれで、砂糖の日生まれかもしれないが、サドでもなければ、甘いものも苦手なんだ!」
「なに怒ってるんですか?」
 桜蘭は首をかしげた。
「女性がお店に来ただけでなく、こーんなに、若くてピチピチした女の子にマッサージしてもらえるんですよ」
「若ければいいって問題じゃない。ぼくの守備範囲は、25歳からだ」
「あら」
 と、女将の瞳が輝いた。
「わたしってば、25歳以上よ。マッサージしてあげようか?」
「以上すぎてもダメ……ゲホゲホゲホゲホ……あ、いえ、そうではなくてですね、女将さんにそんな労働をさせたら、日本全国の女将さんファンに怒られますから、謹んでご辞退させていただきます」
「おほほほ」
 女将は、こめかみに血管を浮かばせながらいった。
「TERUちゃん。あんた、長生きできないタイプね。暗い夜道には気をつけなさいよ」
「文字ゲリラさん」
 TERUは、ラビン髭を睨んだ。
「あんたのせいで、寿命が縮まったぞ。どうしてくれるんだ」
「ははは」
 ラビン髭は笑った。
「スリリングな生活は本望でしょうに。感謝されこそすれ、恨まれる筋合いはありませんな」
「スリリングちがいだろ!」
 頭を抱えて叫ぶTERUを見ながら、ラビン髭は、この男をおちょくるという目的を達成できて、満足げにうなずくのだった。さらに、その様子を見ている那智が、深いタメ息をついているのは、いうまでもないことだった。
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:ミルキー 投稿日:2005/05/15(Sun) 23:41 <HOME>
「うが〜、どーしましょう〜〜。サイトの連載も滞ったままだというのに、全然休暇モードからチェンジできないんですよ。お犬様なんて、はるか100光年も彼方までぶっとんじゃってて、脳内かすれもしないし……。なんだか書けないよ症候群にかかっちゃったかも〜」
とキテレツな呻き声を発しながら、喫茶店のドアを開けて入ってきたメチャ若くもなく、かといって行き過ぎてもいない女が一人……。
「あら、ミルキーちゃん、久し振りじゃないの。しばらくこっちに帰ってたんですってね」
おでんやの女将さんが、鍋にこんにゃくを追加しながらニッコリ微笑むと、ミルキーはよっこらせっとカウンターの席にに座り込んだ。
「こんにちは、マスター、わたし今日はモカがいいな。ところで、『リハビリ喫茶』って看板が出てましたけど、また何を始めたんですか?」
やれやれとばかりに手を広げた那智マスターから、少し離れたところでは、桜蘭さんがTERUさんを、なにやら締め上げているのが見える。
「ミルキーちゃんだけじゃないのよ、その症状の人、最近ちらほらいるのよね。どこぞの誰かさんがいい例で、ここでリハビリしてるんだって」
「あ!」
黙って聞いていたラビン髭の男が、ふと顔を上げて呟いた。もしや砂糖の日(佐渡の日とも言う)の悪縁は、まだ切れていなかったのかもしれない……。
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:羽黒那智 投稿日:2005/05/16(Mon) 12:16
 みなさん、おそろいでいらっしゃいませ。
 すごく疑問なんですけど、ぼくらが留守にするとなんでこんなにお客さんが見えるんでしょうね? なんかちょっと複雑な気分です(苦笑)。
さて……。

「リハビリ喫茶か……」
 その名前を呟いてみて、ちょっと良いかもしれないとぼくは思った。
 最新作の犬祭2参加作品を読んでもらってもわかるけれど、もともとここはリハビリ喫茶だった気がするのだから。榛名もここでPTSDに対するリハビリを行ったわけで、それでぼくらのストーリーが始まったと言っても過言じゃない。だからその名前はある意味的を射ている。でもね……。
「文字ゲリラさん、それをおおっぴらに掲げるのはどうかと思うんですよ」
 ぼくは横浜中華街土産の月餅を差し出しながら彼に言った。
「そう言うのはね、自然と口コミで広がるべきもので、みんなが心の中で本当にそう思ってくれることが大事なわけで、お店側から大々的に宣伝したら、却って怪しくなります。例えば今の時代だと純喫茶なんて名前も本来の意味とは違った意味で捕らえられて却って怪しく感じたりすることもあるんじゃないのかな?」
 彼が純喫茶時代の人なのかどうか、いま一つ年齢不詳の為判断静らいけれども、横浜で久しぶりに「純喫茶」の看板を見たぼくはすごく違和感を感じたのを覚えている。本来「純喫茶」と言うのはアルコール類を一切おいていない純粋に喫茶業を営むお店と言う意味だったのだけれど、榛名はやっぱり勘違いしていた。
「純喫茶の対義語ってやっぱりカップル喫茶とかそう言うのになるの?」
 この質問にぼくが頭を抱えたのは言うまでもない。
「うちは客層を見る限り、どう見ても純喫茶じゃないわよね」
「どの客層を見てそう言い切るの?」
「TERUさんとか、TERUさんとか、TERUさん」
 榛名の言葉に、皆が鷹揚に頷いた。
 たしかに従来はこの店は純喫茶だった。それを純喫茶でなくしたのはたしかにTERUさん。勝手にバーボンとか持ち込んで飲み始めたのだから。最もそれを言ったら、その片棒を担いでおでんとかを売り出した女将さんも同罪か?
「そうやって考えると、たしかに客層から判断しても純喫茶とは言い難い店になったね」
 多分このセリフで、またお客が汐が引く様に消えていくだろうことは想像がついたけれど、それも仕方なし。現実って奴は、何時だってきびしい。そういうことさ。

 でもTERUさんがこれだけ連続して顔を出したのは、多分、女将さん、桜蘭さん、ミルキーさんのおかげなんだろうな。TERUさん、スケベだから(苦笑)。
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:みけ 投稿日:2005/05/16(Mon) 18:20 <HOME>
「あのぅ、ブレンドをお願いします」
 そこにいたことを誰にも気付かれなかった新顔の客。
 ストーンウオッシュかと見間違うほど洗いざらしたジーンズをはき、量販店で買ったに違いないコットンシャツを着た、冴えない中年男だ。個性的な客が多い『吾眠』では、この無個性がかえって個性的に見える。かとんぼに似ていると、那智は思った。
「すみません、いつからいらしたんですか?」
「ずいぶん前から。本当に楽しいお店ですね。……実はその、犬祭2参加作品『羽ばたく鳥が翼休める場所』を読ませていただいたので、思い切ってこちらにお邪魔しに来たのです。こんなうかがい方が一番目立たないのではないかと」
 おかしな客だ。
「それで、いかがでしたか?」
「やはり、いいですね。ああいう心理描写は僕にはとても書けません。ため息が出るばかりです。はぁー」
 本当にため息をついている。一緒にため息をついてしまいそうだ。
 聞けば、彼は同業者。北関東の地方都市で喫茶店を経営しているらしい。
 が、服装から見ても、うちのようなこだわりを持って喫茶店を経営しているとは思えない。「ブレンドです」と言ってインスタントコーヒーを出しても気が付かないかも知れない。

 すみません、どんなうかがい方をしても浮きまくりですね。
 那智は思った。と書いただけでドキドキしてしまいました。
『羽ばたく鳥が翼休める場所』では、久々の羽黒那智さんの世界を堪能させていただきました。
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:文字ゲリラ 投稿日:2005/05/17(Tue) 03:55
ラビン髭に目を合わせたミルキーは怖じ気付いた。というのも、ラビン髭は甘いものを餌食にするからであり、現に砂糖の日に生まれた男が餌食になっているからである。
『砂糖の日に生まれた人が餌食なら、ミルキーちゃんも餌食じゃ無いの』
といってはしゃいでいるのはもちろん女将である。
『砂糖の日に生まれた人は餌食でも、砂糖の日に生まれたサイトの管理人は違うんです。第一、彼女は洋風の味付けじゃないですが。僕は和菓子党なんです!』
かくてミルキーはラビン髭の餌食にはならずに済むが、もっと深刻な問題があるのである。というのも、彼女の生月と黒コートの男が管理するサイトの生月もまた同じだそうで、これを数学では友愛関係というからだ。

と、目立たない筈の格好の中年男がマスターに声を掛けたのはその時だった。それに応じてラビン髭の男が早速
『みけさん、お姿はちらほら見かけてましたよ』
と掛ける。実は彼は山を得意とするだけあって、2ヶ月ほど前に彼の野生植物喫茶にも偵察に行っている。
『それは何処の野山ででしょうか』
『それは我々の秘密ですよ、なにはともあれ宜しく』
ラビン髭のこの挨拶に答えると底なし沼に入りそうな気配を感じたものの、みけは喫茶店以外での常識に従って
『こちらこそ』
と挨拶した。幸運を祈るばかりである。
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:羽黒那智 投稿日:2005/05/17(Tue) 12:12
 みけさん、文字ゲリラさん、いらっしゃいませ。
 新作お読みいただけた様でありがとうございます。うちのお話は心理描写だけってお話もありますから、そこにはそれなりに力を入れているんです。でも今回は時間がなくて、じつは穴だらけだったりするんですけど、お楽しみいただけたのであれば幸いです。
 ちなみに当店では自己主張しないと食いっぱぐれる可能性がありますから、大いに目立ってくださいね(笑)。浮くと言うのであれば、今となっては本来この店のメインキャラであるぼくのほうが、浮いてるかもしれないですし。ほら、ぼくって良識派だから(苦笑)。

>文字ゲリラさん
「そういえば、和菓子党でしたね。それじゃあこれはいらないか」
 そう言ってぼくは、一度は彼の前に差し出した月餅を取り上げる。そこに桃饅や中華饅を加えて女性陣のほうへ。
「横浜土産です。どうぞ」
 そんなぼくに彼が恨みがましい視線を送ったかどうか……、背を向けていたぼくは知らない。

P.S.
 そういえばみけさん、絹さんが入っている?
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:みけ 投稿日:2005/05/18(Wed) 13:39 <HOME>
 突然、ラビン髭の男に声を掛けられ、幸運を祈られた無個性の中年男は、意味がわからず愛想笑いを浮かべた。
 そうだ!こんな時は貢ぎ物だ。
 聞けばラビン髭の男は甘い和菓子が好きらしい。しかも彼は、遠路はるばる自分の店にもに来てくれたという。「野生植物喫茶」という称号までいただいてしまった。
「マスター、台所をお借りします」
「どうぞ」
 マスターが対応に困っていることに気付かない彼は、大きな風呂敷包みを開けた。お土産セットと書かれた箱には、田楽味噌のような甘辛い味噌、それを塗るための刷毛、酒まんじゅうが入っている。
「いつも楽しませていただいています」
 彼は、おでんを煮るおかみさんに挨拶をし、隣のコンロを借りて火をつけると、まんじゅうに味噌を塗りながら焼き始めた。おかみさんも呆れている。
 モクモクモクモクモクモク、たちまち店内に煙が立ちこめた。
「みなさんどうぞ、上州名物焼きまんじゅうです」
 彼は、自分が場違いに目立つ行動をしていることに気付いていない。

>P.S.
> そういえばみけさん、絹さんが入っている?

 すみません、性別詐称キャラでお訪ねしました。
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:太郎じぃ 投稿日:2005/05/19(Thu) 10:32 <HOME>
「あの、太郎じぃさん何をやってるんですか?」
入ってきて早々ドアの前にしゃがみこんで何か作業している太郎じぃ。どうせこの人もろくなことしないんだから、と思いながら那智は聞いた。
「え?あ、いや気にしないで。クレイモア取り付けてるだけだから」
「あの、勝手に地雷トラップつけないでください。ここは爆弾禁止です」
「ほぉ、よくクレイモアが地雷だとわかったね」
あんたらのせいじゃ。那智は心の中でつぶやきながら台所へ戻った。好き勝手にやってくれ、という感じである。
「ときに太郎じぃ殿」
横で取り付け作業を眺めていたラビン髭が突然口を開いた。
「それ、向ける面が間違ってはいないかい?」
「え?」
太郎じぃは前に向き直ってクレイモアに視線を落とした。
『FRONT TOWARD ENEMY』と書かれた面が彼の目に映る。
同時に、喫茶吾眠のドアが開き、連動してスイッチの入るカチッという音が聞こえた。
「あ…」
また店の中が壊れたよ…。
那智は今日何度目かわからないため息をついた。

ごめんなさい、あまりににぎやか過ぎたので思わずやってきました。(^^
[2237へのレス] Re: 復活! 投稿者:羽黒那智 投稿日:2005/05/19(Thu) 12:09
 みけさん、太郎じぃさん、いらっしゃいませ。

>みけさん
 ううん、お味噌が焼けて香ばしい香りが(笑)。 でも……。
えっと……、ぼくは何処で仕事すればいいんでしょうか(苦笑)。
Re^P.S.
 いえ、誤っていただくほどのことでは(苦笑)。
 ただ喫茶店〔月の光〕のマスターは絹さんかなと思ったもんで(^_^ゞ

>太郎じぃさん
 ぼくは伝票を取り出すとサラサラとそこに書き込む。

請求書
金 15,000,000円
但 店舗修理代 の為

「お金がなければ身体で払ってくれても良いですよ」
 そうぼくが言った途端、店内にいたみんなが声を揃えて言う。
「「マスター、やらし!」」
 お約束とはいえ……なんてベタな。
ちなみにぼくは男色の気は一切ありませんからあしからず。

[2234] 犬祭2 投稿者:BUTAPENN 投稿日:2005/05/12(Thu) 18:09
投稿してまいりました。
ごちゃごちゃと持っていたアイディアのかけらを力技で詰め込んで、オムニバスにしちゃいました。
というわけで、オーナーも頑張れとお伝えくだされ(焦らせるために来ただけかも……)。

あ、それから暑い夏のおでんというのもオツなもんですぞ。今年は地球博に出張販売しに行こうかな。
[2234へのレス] Re: 犬祭2 投稿者:羽黒那智 投稿日:2005/05/12(Thu) 19:37
 BUTAPENNさん、いらっしゃいませ。
 とりあえず完成おめでとうございます。
 オーナーも後一息ってと頃まで来ました。今回は個人的に色々と足かせをはめてしまったので大変です。そのへんは明日にでも日記に書かれると思いますけど。
 今回は犬祭なのに投稿するお話は吾眠本編です。この世界を初めての人に理解してもらうのは難しいかもしれませんけど、なんとか話がわかるレベルには持っていくつもり。なんだかんだで当初の予定を大幅に上回り、20KBくらいになっちゃいそうです。
 さて、オーナーはもう一頑張り(苦笑)。